憧 憬 の 轍
2020年5月24日 出来る限りの事を
明日(25日)にも北海道と首都圏の緊急事態宣言が解除されるらしい。
だからと言ってすべての自粛要請も解除される訳ではない。
そしてついに夏の甲子園も中止が決まった。
無観客でもダメだったのか?
春の選抜大会が中止になり、
夏の大会までも中止。
彼らの忸怩たる思いはどこに行くのだろう?
もちろん野球だけではないが。
“目に見えない敵”との戦い。
実は今、始まったばかりなのかも知れない。
そして敵は変幻自在だ。
先週末にキャブレターを調整しきれなかった『編集長』のZEPHYRχの続き。
パイロットスクリューを調整するために仕入れたワイヤー式のドライバーは結局使い物にならず、
編集長の苦新作(?)のラチェット式ドライバーを使った。
1番、3番、4番は切り詰めた小型のドライバーで何とかなったが2番だけは手が入ってもドライバーを回せなかった。
パイロットスクリューを回せるサイズまでドライバービットを削り、
ブラシの柄にテープで固定しただけの即席工具だが、
手の届かない所にあるスクリューを回す事は出来る。
問題は目印がない事。
1/4回転で13ノッチ、
すなわち1/2で26ノッチ、
52ノッチで1回転。
まずは規定値の1+1/2に戻し、
排気音の変化と指先に感じる1ノッチごとの感触に全神経を集中した。
写真? 撮ってるヒマなんかねぇーよ!
前回までの同調作業の結果、
気になっていたのはプラグの焼け具合だった。
1番と3番がくすぶり気味だった。
1番と3番を少々薄く調整する事を考えながら排気音の変化に集中した。
その後キャブレター4基の吸気圧を揃えたがタコメーターは相変わらず200rpm程度の振れが止まらない。
タコメーターやピックアップ自体に問題がないとすればキャブレターのダイヤフラムやジェット類も交換しなければこの振れを止める事は出来ないかもしれない。
そんな事を考えながらの試運転の結果、
さらに問題点は増えた。
調子よく走ったかと思えば突然エンジンが止まったり吹け上がらなくなったり。
燃料の供給系統も点火系統も疑わしい。
タンクキャップの通気孔の詰まりやハイテンションコードの接続不良など、
考えられる事を片っ端から確認した。
その結果ハイテンションコードは二次コイル側に接続不良やコード芯の腐食も見つかり、
タンクキャップも古びたガソリンが固形化して詰まりかけていた。
ハイテンションコードの先端を切って繋ぎ直し、
タンクキャプは完全分解の上で大掃除!
それでも事態は好転しない。
不調の原因を探しあぐねいている傍らで『編集長』はマフラのバッフルの巻き直し作業。
いわゆる“白旗”を掲げるにはまだ早い。
タンク内部やコックも解体して見なければならない。
次の週末、何の問題も無く試運転が出来る事を祈って今日の作業終了。
作業場に鍵を下した時、
夕方に出始めた霧が一層濃くなったような気がした。
夜半に響く雷の音。
そして追いかけるように屋根を打つ雨音に、
さらに重なる雷の音が何かを暗示しているのか。
5月最後の週末に向かって。
置時計の日付が今夜も変わろうとしている。