蝉時雨

憧 憬 の 轍

 

2020年8月2日 蝉時雨

 

早朝、街は霧に覆われていた。

 

気温は低くないが夏を実感できない。

 

気象庁によれば北陸地方と東北地方の南部が梅雨明けしたと、

感度の悪いラジオのニュースが伝えていた。

 

東北地方の北部も次の週末までには梅雨明けするだろうが立秋

そして処暑と季節は変わり、やがて8月も過ぎて行く。

 

 

 

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猿賀神社にて

 

水芙蓉、あるいは芙蓉、池見草、不語仙、水の花

 

蓮は多くの異名を持つ。

 

早朝に「ポン」と音を立てて開花すると言うのは俗説で、

早朝に花托から種子が飛び出す様から生まれたものらしい。

 

花の種類や名前に疎いため「蓮」も「睡蓮」も同じ花だと思っていた。

 

水面近くに花が咲くのが睡蓮で(水蓮ではない)、水面より高い位置に咲くのが蓮。

 

さらに葉の形や色にも明確な違いがある。

 

花が早朝に開花して昼過ぎには閉じてしまう事も不思議だが、

仏教では特別な意味を持つ蓮の花が寺ではなく神社の池に咲き乱れている。

 

余計な事は考えずに花を愛でれば良いだけの朝、

背後で鳴く蝉の声が大きな葉に反響してさらに大きく聴こえた。