憧 憬 の 轍
2020年12月6日 寒い夜は
焚火を眺めながら飲む酒はウイスキーがいい。
薪が爆ぜる音を聞きながら。少量で酔えるのもいい。
後は静かに訪れる睡魔に身を委ねて夜が更けて行く。
そんな夜を夢見てストーブに薪(廃材)をくべる。
傍らのテーブルには古いColemanのランタンか蝋燭を燈して。
「プロジェクトC92-R」のCB93エンジンは部品番号の問題が一応解決したが、
メーカー欠品も多く安心できる状態ではない。
古い部品の入手に手間取る事も問題だが、
年代的に旧JIS規格のボルトやビスが使われている事も悩みのタネだ。
M5の場合、現在通用するISO規格であればピッチは0.8㎜だが旧JISでは0.9㎜だ。
ボルト屋に長さとピッチを指定して注文すればいいだけだが、
特殊な形のボルトは簡単な話ではない。
CB93エンジンはすべてが旧JIS規格の時代に作られている。
僅かに0.1㎜の違いだが10山で1㎜の違い。
力まかせに絞めこむほどバカじゃない。
このカムチェーンテンショナーのセッティングボルトも旧JIS規格のM5で、
Oリングのための溝が設けられている。
さらにこのOリングについては記載されているパーツリストと記載されていないものがある。
昭和39年(1964年)のパーツリストには記載されていない。
固着が酷かったが破断させずにシリンダーヘッドから抜き出す作業は時間がかかっただけでなく、
神経的にも辛いものがあった。
もし破断させたら断片を抜き出す作業はもっと辛い。
ガスバーナーや潤滑剤を使ってなんとか抜き出したが再利用出来る状態ではなかった。
海外のサイトで辿り着いた品番で注文してみたが結果はメーカー欠品だったが、
幸運にも某オークションで入手出来た。
落札額は少々高かったけれど…。
さらにU.S.A版のパーツリストに記載されているOリングは4.2×1.2と3.4×1.2の2種類。
ボルトも2種類あったのかもしれない。
昭和39年(1964年)版とU.S.A版の違いは他にも多数ある。
ノックピンの有無やOリングなどは古いパーツリストの常で書かれていない事や間違いも少なくない。
ただ、単純な間違いとは言えないのがシリンダーヘッドとカバーの間に入るブリーザーセパレーターとガスケットだ。
昭和39年版では「非販売部品」となっているがU.S.A版には無い。
タイ国に発注したガスケットが届いたがすべて日本製。
オイルシールは純正部品だった。
ヘッド周りのナットなどはまだ本締めしていない。
「部品取り」用のジャンクエンジンを手に入れ、
元々のエンジンと“いいとこ取り”計画の『樵の巨匠』は電装関係の部品も追加入手した。
エンジンを2基組むつもりだろうか?
そういえばジャンクのフレームもあるし…。
「金のかかるバイクだ~」って、勝手に金をかけてるだけだべ?