素直じゃない

憧 憬 の 轍

 

2021年12月19日 素直じゃない

 

 

雨から霙に、そして雪に。

 

昨日、ついにまとまった量の雪が降った。

 

街は既にクリスマスの彩に華やいでいるのに素直にはしゃげない自分がいる。

 

 

 

 

移転先の作業場に完全に拠点を移す前にI氏から預かっている除雪機の状態を把握しておきたい。

 

エンジンが手の施しようのない状態なら旧作業場の鉄クズ共に行先はおのずと決まっている。

 

ただその前に日常の足として使っている車のメンテナンスをする事にした。

 

移転先の作業場には四輪車を入れる事が出来ない。

 

これまでの作業場は倉庫だったのでトラックを入れてもスペースに余裕がある。

 

オイルを交換したついでに、ではないがプラグも交換した。

 

少し前から始動性や燃費の低下が気にかかっていた。

 

まずはシリンダーヘッドの上に鎮座するインタークーラーを外さなければならない。

 

 

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このインタークーラーが邪魔者


                

 

 

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さっさと外して・・・



 

 

メーカー指定のプラグはNGK製のDPR7EIX、

長寿命と言われるイリジウムプラグだ。

 

最近はDCPR7EIX-Pと言う製品が主なようだ。

 

ところが抜き出しプラグはNGK製のIKR7B。

 

早速NGKのホームページで調べてみるとIKR7Bは車両メーカーの組付け時用のプラグで、

交換用はDCPR7EIXとの事だった。

 

 

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付いていたのはIKR7B


                    

 

 

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どれもこれも・・・ オマエはすでに死んでいる・・・



 

 

今さらながら、

メーカーが謳う「長寿命」とは実際にどれくらいの距離、

または時間を指すのか、

具体的な数値が知りたくて調べてみると驚く事ばかりだった。

 

NGKによれば俗に言うイリジウムプラグには「片貴金属タイプ」と「両貴金属タイプ」があり、

「片貴金属タイプ」の推奨交換距離は一般的なプラグと同じとの事だった。

 

軽自動車で約10,000㎞、二輪車では約5,000㎞。

 

指定のDPR7EIXは片貴金属タイプって・・・、

これのどこが長寿命なんだ! 

 

「長寿命」とか「10万㎞交換不要」などと言われるのは「両貴金属タイプ」の事だった。

 

片貴金属タイプのイリジウムプラグでさえ一般的なプラグの3倍程度の価格、

両貴金属タイプはさらに高い。

 

このクルマに乗り始めた頃、

走行距離は10万㎞を少し越えていた。

 

詳細な整備記録は無いので断言できないが、

今回抜き出したプラグは新車出荷時からの物だった可能性が高い。

 

だとすれば両貴金属タイプのIKR7Bは謳い文句通りに高寿命だったと言える。

 

 

自分の勘違いと言うか知識不足を棚に上げて言う事では無いが、

1本あたりの価格が4~5倍もするプラグを用意する余裕はない。

 

それ以前に、

たとえプラグが10万㎞走行に耐えるとしてもこのクルマ自体が今後10万㎞走れるとは思っていない。

 

そこで今回用意したのはDENSO製のXU22EPR-U。

 

「DCPR7E相当」と箱に書いている。

 

DCPR7EはNGK製の一般プラグの品番だが、

探せばDENSO製はNGK製よりも格安で手に入る。

 

高価なプラグは燃費も着火性も耐汚損性も加速力も向上すると謳っている。

 

プラグだけでなく種々のケミカル剤にも燃費向上を謳う製品は多い。

 

それを実感できるかどうかを自分の感覚で確かめてみたい。

 

 

 

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ダイレクトイグニッションコイルは外しにくい


         

 

 

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10,000㎞走行後が楽しみ



 

 

このプラグの推奨交換時期が10,000㎞走行後なら、

来春の雪が解けた頃がその時期に当たる。 

 

新しいプラグに交換してエンジンの始動性は確かに良くなった。

 

ここのところ感じていた燃費の低下が改善されるなら今後、

車を替えない限り高価なイリジウムプラグは必要ないかもしれない。

 

10,000㎞ごとにプラグを抜いて状態を見てみようと思う。

 

暖かい季節なら、

天気さえ良ければ青空ガレージも気にならないだろう。

 

 

 

プラグ交換を終えてI氏から預かっている除雪機に手を付けた。

 

最悪腰上をバラせば原因は分かりそうだが、

もしも修理不能と判断すれば鉄クズにするしかない。

 

まずはタンクとセルモーターを外してみた。

 

 

 

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タンクを外して・・・


                        

 

 

 

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セルモーターも外して・・・



 

 

疑っていたセルモーターやスターターギヤに異常は無かった。

 

クランクシャフトをゆっくり手で回すとやはり金属の擦れ合う音がする。

 

ギヤボックスまでバラさなければならないとすればエンジンを降ろす必要がある。

 

そう思うと気が重い。

 

フライホイールとクランクケースの僅かな隙間から中を覗くと角の欠けたマグネットが見えた。

 

クランクケースにも擦れた跡が残っていた。

 

 

 

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外したフライホイール


                      

 

 

 

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マグネットが・・・



 

 

錆だらけのフライホイールの内側にあったのは剥がれ落ちて砕けたマグネット。

 

ただの金属片なら下に落ちるだけだが破片でさえマグネットだ。

 

フライホイールの内側だけでなくコイルにも貼り付いていた。

 

 

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フライホイールから剥がれたマグネット4個


         

 

 

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マグネットだけに始末が大変



 

 

ジェネレーター部分をよく見るとこのコイルが点火用でない事に気付いた。

 

さらにAccessory Powerとラベルの付いたコネクターがあり、

どこにもつながっていない。

 

どうやらオプションの機器用の電源らしい。

 

結論から言えばこのマグネットが無くても除雪機としては問題ない。

 

そもそもオプションの機器など無いのだから。

 

あちらこちらにへばりついたマグネットの破片を取り除き、

再び組み立ててエンジン始動! 

 

少々煙が多いのはシリンダーに残っているオイルのせいだと思う。

 

使っていれば煙も少なくなるだろう。

 

とりあえず一見落着だ。

 

 

 

                 

 

 

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様々なオプションがあるようだ

 

 

 

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エンジン始動

 

 

 

youtu.be

 

 

真冬日と聞いても、

実際にその寒さの中に立って初めて冬を実感するのだから進歩も学習能力も無い。

 

壁に掛けたカレンダーは最後の1枚がFFストーブの温風に小さく揺れている。

 

今年も終わる。早いなぁ・・・。