不確かな事実

憧 憬 の 轍

 

2022年1月23日 不確かな事実

 

予想最高気温はせいぜい2~3℃でも日が当たる場所では積もった雪の嵩が落ちる。

 

こんな天気がもう少し続くようだが再び真冬日が続く日を考えたくない。

 

トンガ王国での海底火山の噴火による影響は環太平洋の各国に及んだ。

 

世界中がCOVID-19のオミクロン株の事で右往左往している最中に、

仮説でしか語る事の出来ない事が起きた。

 

日本では昨年8月に噴火した福徳岡ノ場から出た軽石奄美・沖縄地方に流れ着き、

その処理に追われている。

 

仮説の根拠は過去のデータや経験だ。

 

だが真実は辿り着けないくらい遠くにあるのかもしれない。

 

 

 

 

オイルまみれのシリンダーはのぼせるまでガソリンの風呂に入ってもらう。

 

付き合っていると自分ものぼせてしまいそうなので、

垢がふやけるまでシリンダーヘッドカバーの合わせ面の傷に対処する。

 

タペットカバーに傷があると言う事はシリンダーヘッドにも傷が付いていると言う事だ。

 

この週末の作業もひたすらシャコシャコ・・・から。

 

 

 

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垢がふやけるまで


                        

 

 

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筋肉痛になりそうなシャコシャコ作業



 

 

1967年(昭和42年)に初年度登録されたKAWASAKI W1に、

はたしてツインキャブのモデルがあったのか。

 

それが最大の関心事だった。

 

あくまで仮説だが後に発売されたツインキャブのW1Sのシリンダーヘッドをキャブレターごと付け替えた可能性を否定できない。 

 

それは先週末、シリンダーまで外した時にシリンダーヘッドカバーやシリンダーヘッドを押さえているボルトやナットにかかっていたトルクの緩さから思った事だ。

 

それに対してシリンダーを押さえているナットを外す時に感じたトルクは工場組み立て時のものだと思う。

 

マニュアルには「シリンダーが固着して外しにくい場合はスタッドボルトの上に5㎜程度の鉄板を差し込んでナットを徐々に緩めると簡単に外せる」と書いているが、

固着を前提に考えていたのか?

 

 

 

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ここに5㎜程度の鉄板を挟めと・・・


              

 

 

 

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クランクケースとの合わせ面に傷は無い



 

 

固着したシリンダーを外すためには便利なスタッドボルトとナットかもしれないが、

シリンダーを取り付ける時には用意したトルクレンチが役に立たない。

 

ソケットを付けたレンチが入る隙間が無いからだ。

 

対応するアタッチメントも探せばあるのかもしれないが、

このトルクレンチに14㎜のオープンヘッドスパナを接続できれば用は足りる。

 

余っているソケットとスパナを合体させることにした。

 

そこで『樵の巨匠』の出番となる訳で、

こんな時は缶ビールを数本添えれば即座に出来上がる事をこれまでの長い付き合いから知っているが、😝・・・

 

 

 

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『特攻隊長』は「火花の似合う男」呼ぶ


            

 

 

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まぁ、こんなモンで何とかなるでしょ



 

 

ピストンピンが圧入されていると言う話はMEGURO時代の事だったのかもしれない。

 

MEGUROからKAWASAKIに移行する過程の事を調べる中でそんな記述を目にした記憶があったが、勘違いだったようだ。

 

ピストンピンは押し出すと簡単に抜けた。

 

ピストンピンにもピストンにも致命的な傷は見当たらない。

 

 

 

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致命的な傷は見当たらない


                  

 

 

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カーボンを落したピストン



 

 

ピストンに堆積したカーボンの差とキャブレターの関係を考えていた。

 

片側のキャブレターのフロートには補修痕がある。

 

いわゆるハナクソ状に盛られたハンダで重量が変わり、

油面高が狂っていた可能性が高い。 

 

以前、このキャブレターをMIKUNI VM31と書いたがVM28の間違いだった。

 

マニホールドに接するOリングもフロートチャンバーのOリングも完全に潰れていて断面が四角形に変形し、

既にOリングとは言えない。

 

 

 

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ん~、みごとにハナクソですな


                 

 

 

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フロートチャンバーのOリング 硬化してパリパリ



 

 

 

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マニホールド側のOリング


                   

 

 

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断面はほぼ四角で硬化も進んでいた



 

 

新しい作業場で部品の油洗いやサンドブラストなどをする部屋には暖房が無い。

 

小さな灯油のファンヒーターなどを持ち込んで凍えながら作業しなければならないので、

少々暖かい場所でロッカーアームやバルブスプリングやバルブを確認する事にした。

 

マニュアルによればアウターのバルブスプリングの自由長はW1もW1Sも使用限度が42.0㎜、インナーはW1が33.5㎜でW1Sは36.7㎜。

 

デジタルのノギスやマイクロメーターが欲しいなぁ・・・。

 

左右のIN側とEX側に2本ずつ、

計8本のバルブスプリングを測ったが使用限度を超えている物は無かった。

 

 

 

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右側INのアウタースプリング


                 

 

 

 

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右側INのインナースプリング



 

 

 

ピストンを外したのでクランクケースの中まで見える。

 

ケースの底のオイルパンを外し、

ケース内にクリーナーを吹き付けて洗浄した。

 

合わせ面の状態からこれまでに何度かオイルパンを外した形跡はあったが、

早めにオイルを交換していれば当分はここを開ける必要はない。

 

 

 

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クリーナーに溶けたスラッジで真っ黒


             

 

 

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パンに堆積したスラッジは一部がジェル状だった



 

 

クランクケースにシリンダーを固定するスタッドボルトは古いガスケットを剥がす際に邪魔なので抜いた。

 

ダブルナットを掛けただけで回ってくれないボルトはバーナーで炙る。

 

8本とも錆が少なくネジ山の状態もよかった。

 

 

 

 

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2種類の長さのスタッドボルトが使われている


       

 

 

 

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古いガスケットは貼り付きが激しい



 

 

古いガスケットは脱脂して塗料用に剥離剤を塗っておいた。

 

薄い部分は簡単に剥げるが、

厚い部分には繰り返し塗って剥がす。

 

シリンダーは洗油の中だがシリンダーヘッドの燃焼室に堆積したカーボンを落さなければならない。

 

EX側はカーボンの噛み込みが激しく、擦り合わせも難しそうだ。

 

 

 

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スタッドボルトを抜いてガスケットを剥がす


          

 

 

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EX側は合わせ面が見えない



 

 

 

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軽く磨いたが深い傷が多い


                  

 

 

 

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さぁ、これをしようか



 

 

そして「オモラシ君1号」ことKAWASAKI W1の側には「オモラシ君2号」ことHONDA CS90が。

 

『編集長』がついに重い腰を上げた? 

 

愛車Zephyrχのブレーキの事や『スポカブ・ブラザース(弟)』と共同作業予定のC92よりも、

まずはこのCS90のオイル漏れを何とかしておきたい! 

 

5年前にエンジンを降ろしてメンテナンスして以来の大掛かりな修理の始まりだ。

 

 

 

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さぁ、ヤルよ~


                          

 

 

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まずはマフラーを外すぜ!



 

 

「オモラシ君2号」のオイル漏れはシリンダーとシリンダーヘッドの間あたりがあやしい。

 

さらにパーツリストにはスタッドボルトAとBの2種類が記載されているが、

シリンダー上面からヘッドカバーまでの寸法を考えると誤記の可能性も考えられる。詳細は後日。

 

 

 

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スタッドボルトもあやしくなって来た


              

 

 

 

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気が付けば作業場本来の姿に・・・



 

 

 

夕刻に立ち寄ったスーパーマーケットには節分に向けた商品が並んでいた。

 

まだ1月だと言うのに。

 

こうして今年も足早に過ぎてしまうのかもしれない。

 

そう思うと焦りにも似た妙な気持ちになる。

 

 

 

 

閑話休題 顔厚忸怩

 

夜型人間にとって欠かせないのが夜食だ。

 

空腹感があると眠れない。

 

これまで様々な夜食にハマってきた。

 

パスタだったり饂飩や蕎麦だったり、

ハンバーガーやホットドッグだったり。

 

食パンにハムをのせ、

マヨネーズをたっぷりかけて電子レンジでチンとか、

冷蔵庫にある残り物やひきわり納豆で作る太巻きとか。

 

最近は御茶漬けだ。

 

永谷園」とか「白子のり」あたりの小さな袋に入った御茶漬けのもとでも十分だが、

それに独自のトッピングを加える。

 

お気に入りは、鮭のほぐし身と梅干しと明太子。

 

昆布や小魚の佃煮を添えるのもまた美味い。

 

どんぶりの縁に山葵を添える事も忘れてはならない。

 

それにしても夜型になってしまったのは若い頃に設計事務所で働いていた頃からの事だ。

 

こんな生活を長く繰り返しても太らないのが不思議だが、

どこか身体に問題があるのではないかと疑いたくなる。

 

バイクのレストアよりも自分自身のレストアをしなければならなくなる日は近いかもしれない。