憧 憬 の 轍
2022年7月3日 熱を帯びて
夏日、真夏日、猛暑日。気象庁は日最高気温を基準に定めているが気温に関する感覚は人それぞれだ。
さらに6月28日までに東日本・西日本の梅雨明けが発表され、29日には東北地方南部も。
6月中に梅雨明けが発表されるのは観測史上初めての事だ。
東北地方北部の梅雨明けは7月中旬と予想されているようで、バイク乗りにとってはありがたい話だが農作物への影響が気にかかる。
野菜が高いんだよ。
6月のカレンダーを破り7月。
今年も半分が終わった。
6日に予約している車検に向けて最終的な確認をした。
‘75 CB400FourはオイルをMOTULに代えて以来何度か走ったが特に気になるところは無い。
むしろ以前よりも調子がいい。
心配なのはヘッドライトの光軸だ。
上下に関しては造作もない事だが、左右に関しては調整しようがない。
ヘッドライトのステーが少しでも変形していると光軸はあらぬ方向を向いてしまう。
前回の車検時には危うく「宿題」を貰いそうになった。
思い起こせば2012年9月、新規登録扱いで初めて車検を受けた時に✖印が付いたのはヘッドライトの光量だった。
古いタングステンバルブはまさしく「ホタルの光」、急遽安物のH4ハロゲンバルブの入ったライトを取り付けて何とか○印を貰ったのだった。
その後バッテリーから直接電源を引く装置を作ったり、同径の他車のヘッドライトを改造したり。
あれから10年、今回もヘッドライトが気になる。
一方、46年ぶりの車検となるW1はタンクの燃料コックなどに幾つかの問題が残っているが✖印を貰いそうな点はすべて確認済みだ。
ブレーキランプのスイッチが後輪にしか付いていない事もハンドルロックがない事も、初年度登録が昭和42年の車両には適用外だ。
ハンドルロックが義務化されたのは昭和48年12月以降に製造された車両との事だし、騒音規制も無かった時代だ。
現行の規定には当てはまらないが当時はこれで問題無かったのだから、キャブレターも無くマフラーには触媒が付いている事が当たり前の現代のバイクからすればこのW1はシーラカンスのような存在かも知れない。
ただひとつ、言っておきたいのはこの排気音をこよなく愛する者が多くいる事だ。
1978年に発売された「W1 TOURING」と言うタイトルのLPレコードがある。
A面もB面も「W1の音」だけが録音された物だ。
作家・片岡義男がレコードの制作に加わったのは、後に映画化までされた著作の「彼のオートバイ、彼女の島」で彼が乗っていたのがW1だった事が関係していたと言われている。
あまり大きな声では言えない話だが、実は先週末にこのW1を走らせてみた。
短い距離だったので試走と言えるものでは無かったし、シフトレバーが右側にある事をすぐに忘れた左足が変速しようとする。
後継の車両は主な輸出先だったアメリカの基準に合わせてシフトレバーは複雑なリンクを介して左側に移された。
私のようなアタマの悪い不器用な者がこのW1に乗ろうとするなら、左足で変速するバイクはすべて処分しなければならない。
重ねて言うがこの音に惚れる理由が分かるような気がする。
昔を思い出して安物のギターを買った。
正確には冗談半分で参加したオークションで落札してしまったと言うべきだ。
早速新しい弦を張り調律したが、イマドキの調律は音叉やリードを使って行うのではなくデジタルのチューナーを使うのが一般的。
自分の耳に頼らずインジケーターの表示を見て行う。
爪を短く切って古い記憶を辿りながら押さえるコード、それにしても指先が痛い。
自分には音楽の素養などカケラも無いと諦めたギターだったが、今度は別の意味で諦めたくなりそうだ。
明日は4th July。
アメリカ合衆国の独立記念日=IndependenceDayだ。
仕事柄、アメリカのカレンダーも意識しなければならない者としては連休のようなものだが、月初めの月曜日、日本ではそんな気分ではいられない。
7月最初の週末は真夏日で梅雨の事など忘れてしまう程だった。
体調の管理に留意しなければ・・・。