While My Guiter Machine Gently Weeps

憧 憬 の 轍

 

2022年7月10日 While My Guiter Machine Gently Weeps

 

 

 

連日の曇天がいよいよ梅雨も本番かと思わせる。

 

東日本・西日本が観測史上最速の梅雨明けを見たように北東北も・・・、そんな話題を吹き飛ばすような事件が起きた。

 

8日(金曜日)の昼頃からニュースは元首相の銃撃事件の事ばかりだ。

 

日本国内はもとより諸外国でも速報で報じられたようだが、外国では「Assassination」、すなわち暗殺と言う単語が多く使われている。

 

事件から3日目だが日本の報道機関では「暗殺」と言う単語はほとんど使われていない。

 

確かに「暗殺」と言う単語が持つ負のイメージは重いが、日本と諸外国のジャーナリズムには根本的な違いがあるような気がする。

 

それは日本が平和で治安の良い国だと言う事だけれど。

 

 

 

 

 

6日(水曜日)。予定通りに『樵の巨匠』のBMW R1100RSも『編集長』のKAWASAKI Zepherχも、そして’75 HONDA CB400Fourも、KAWASAKI W1も車検のために朝から陸運事務所へ。

 

結論から言えば全車合格だったが、CB400Fourはヘッドライトの光軸、W1はエギゾーストパイプとマフラーとのつなぎ目からの軽い排気漏れを指摘されて一発合格とはならなかった。

 

ユーザー車検に関しては日増しに厳しく審査されるようになっているが、古い車両に関しては製造当時の基準で審査される項目も多い。初年度登録が昭和42年(1967年)のW1はブレーキランプのスイッチが後輪にしかない事も、ハンドルロックが無い事も検査対象外だ。

 

さらに最近の車両ではフラッシャーやヘッドライトのスイッチの表示が消えていると指摘されるらしい。

 

『編集長』は受験直前にその事を知り、陸運事務所の近所で購入したペンで消えかけた文字をなぞっていた。対してW1のスイッチには赤い大小の●印や▼印だけだ。

 

 

 

W1にはこれだけ


                        

 

 

 

Zepherχは・・・書いた



 

 

 

CB400Fourのスイッチ


                     

 

 

 

めでたしめでたし・・・



 

 

 

結局検査当日、何もせずに一発合格だったのは『樵の巨匠』のBMW R1100RSだけだったが、前日に光軸を確かめたところ、遥か明後日の方を向いていたのだった。

 

朝から霧雨の降る中を出かけた一行だったが、大きな宿題を貰うことなく4台とも帰って来たのだった。

 

この顛末をネタにしたかったが検査場での撮影は禁じられている。

 

おそらく『編集長』がスマートフォンで写した写真が「編集長のオマケ」として載る事になる・・・、かな?

 

 

 

この週末に車検取得祝いの乾杯を・・・、そんな話もあったが今日は予てからの予定を実行した。

 

『編集長』がその人脈を活用(?)して入手したHONDA CB400 Super Fourと『サトちゃん』ことS氏のトーハツ ツインアローを作業場に運び込んだ。

 

昨夜からの雨も次第に止み、昼過ぎには気温も上がりだした。

 

蒸し暑さを覚えながらの運搬作業だったが、文句を言う者はいない。

 

 

 

まずはCB400SFから


                      

 

 

さぁ、運ぶぞ~



 

 

 

続いてツインアロー


                       

 

 

 

作業場に向けて出発!




 

 

『編集長』のCB400SFは型式NC31、1992年から1998年まで製造されていた。

 

DOHC 4バルブで53ps。

 

「平成ヨンフォア」と呼ばれる後継モデルのNC36のエンジンはこのエンジンをベースに開発され、さらにNC39からはSuper Fourを象徴する機能とも言える「Hyper VTEC」が搭載される。

 

ちなみに昭和のヨンフォアはシングルカムで37ps。

 

メーカーのカタログから姿を消してそろそろ四半世紀、純正部品は期待できないが累計登録台数は3万台を超えるベストセラーモデルだったので、中古部品や社外品は見つかりやすいかも知れない。

 

固着が激しかったタンクのキャップを外した途端に匂いで内部の状態は想像できたが、覗き込んでみると想像以上の状態! 

 

「花咲かG」も一発でくたばりかねない。

 

まずは温水と洗剤で油分と浮いた錆を落とせるだけ落す事から始めなければならない。

 

タンク以上に気がかりなのがフロントフォークだ。

 

目視で曲がりがはっきりと分かる。

 

ステムシャフト(三又)が大きなダメージを受けていなければいいが・・・。

 

ヘッドライトやステップなどの欠品も少なくない。

 

 

 

現状を把握する事から始めなければ・・・


          

 

 

想像以上だったタンクの内部



 

 

 

一方、『サトちゃん』ことS氏のトーハツ ツインアローは欠品も多かったらしいが他社製の部品を流用してひと通りカタチになっている。

 

トーハツ(東京発動機)は1964年に倒産。

 

その後、会社更生法を受けて二輪車部門以外が業務を継続している。

 

その経緯から、もし純正部品が見つかったとしても簡単に入手できるとは思えない。

 

外してあったキャブレターの状態を見ながらプラグの発火やポイントを確認。

 

せめてエンジンの腰上だけでもバラしてみたいが新しいヘッドガスケットは無い。

 

プラグホールや吸気ポートから覗く限りピストンの状態は悪くないようだし、圧縮もあるので初爆だけでも確認出来れば期待が持てる。

 

 

 

初爆だけでも確認したい


                    

 

 

 

「左」の文字が意味するものは?



 

 

トーハツ ツインアロー 型式LA3 1962年型。

 

ストローク2気筒、ツインキャブレター仕様で12ps。

 

1959年のLA-1型から始まるアローシリーズの最もスポーティーなモデルで、当時のカタログには最高速度115㎞/hとあるが、はっきり言って試してみる気にはなれない。

 

キャブレターはMIKUNI製のVMのようだがセッティングデータなどは無い。

 

オイルも分離給油式ではないので混合ガソリンで始動を試みた。

 

セルモーターも付いているがこの種のバイクはキックでしょう!

 

少々の曲折を経てエンジンは息を吹き返したが濃すぎた2ストロークオイルと燃調のせいで「煙幕発生装置」と化してしまったが、2ストローク特有の排気音と排気ガスの匂いにKAWASAKIのMACHⅢを思い出す。

 

エンジンが始動する事は確認できたがアクセルワイヤーのメンテナンスやキャブレターの同調、調整までしている時間は無かった。

 

とりあえずはツインアローももめでたしめでたし・・・。

 

 

夕方近くなって気温はさらに上がり蒸し暑さが増した。

 

作業場=GINZA BASEの窓は西向きに広がっているので明るさも室温も増す。

 

ここで迎える初めての夏は想像がつかない。

 

明日からの天気予報を見ると雨傘と雲のマークだらけで、どうやら東北地方北部の梅雨は観測史上最短とはいかないようだ。