憧 憬 の 轍
2022年8月7日 立秋 涼風至
7月のカレンダーを破り去って以来、天気は愚図ついている。
抜けるような夏空を見る事が無いまま秋を迎えるのかも知れない。
COVID19の感染者が急増している事だけでも気が重くなると言うに、大雨による災害のニュースに溜息の数が増えてしまう。
本県でも津軽地方での被害が報じられている。
「線状降水帯」と言う単語を頻繁に聞くようになったのは2014年の広島の土砂災害からだ。
気象に関する研究は近年、飛躍的に進んでいるが、その発生メカニズムまでは解明されていない。
人類は「自然保護」だとか「環境保全」だとか偉そうなことを言っているが、所詮は自然環境に守られて生存している生物に過ぎない。
クランクケースカバーのガスケットを作り直しオイルを入れてみたLA5だったが、翌日にはエンジン下に敷いておいた新聞紙に漏れた跡があった。
合わせ面とキックスターターやチェンジペダルのオイルシールを疑って来たが、マフラーを留めるブラケットからオイルが滴っていた。
合わせ面に漏れた後は見られない。
2本のM8ボルトがクランクケースを貫通しているようにも見えたが抜いてみると貫通していなかった。
残るはドレンボルトとやはりオイルシールか・・・?こんな作業は消去法で探るしかない。
確かにチェンジペダルのオイルシールはアヤシイがドレンボルトのシーリングワッシャーは確実にアヤシイ。
潰れ切ったアルミニウムのワッシャーを銅製の物に替えて様子を見た。
結論としてはチェンジぺダㇽのシャフトのオイルシールが原因だったが、果たして同じ物が見つかるだろうか。
ツインキャブレターだがリンクで連動させるのではなく、アクセルから伸びたケーブルを2本に分けてそれぞれのキャブレターを操作する仕組み。
それは隣に置かれたW1も同じだがスロットルバルブを閉じるのはバルブ上のスプリングだけだ。
それだけにアクセルからキャブレターまでのケーブルが滑らかに動いてくれないと辛い。
再びキャブレターを外し、さらにアクセルも解体して2基のキャブレターが同じ動きをするように調整する。
キャブレターの動きを確認してエンジンを再始動させたが燃焼状態に差がある。
右側の点火状態が不安定なようだ。
点火タイミングを変えてみても変化はない。
低回転域で失火しているような状態だ。
次回はコンデンサの左右を入れ替えてみようと思っている。
オイル漏れと同じくこんな作業も消去法だ。
一方、『編集長』が取り組んでいるCB400SFはステムとフロントフォークの組付け。
仮組した前輪が歪んでいるのは転倒した時に変形させてしまったためだ。
走らせる訳でも無く、単にリフトから降ろすためだけなので今回はこの前輪を使う事にした。
リフトから降ろしてからはキャブレターの取り付け。
硬くなっているインシュレーターに手こずりながら、それでも何とか装着し、次はマフラーだ。
タンクは載せずに仮設の燃料ホースからキャブレターにガソリンを送り込み始動を試みた。
今回は細かな調整までするのではなく、あくまで始動を確認するだけなのでフロートチャンバーに溜めたガソリンだけで十分だ。
バッテリーも仮設ならハンドル周りのスイッチ類もスタータースイッチとキルスイッチ以外は接続していない。
仮設だらけの再始動試験だったがすぐにエンジンは始動し特に異音も感じられない。
このCB400SFを怪我人に例えるなら、やっと松葉杖から解放された状態だ。
ただし辛いリハビリはここからで、ガスケットやOリングなども新しい物を用意しなければならないし、欠品している部品も少なくない。
CB400SFの再始動を目前にしていた頃、『樵の巨匠』のガレージには新しいお客様が到着。
『サンちゃん』ことS氏を介してやって来た2台はどちらも年代物で、泥と油にまみれていたが屋外に長い時間放置されていたものでは無かった。
先日やって来たCRキャブレターを付けたKAWASAKI Z400FX改だけでなく『樵の巨匠』の多忙極める夏が始まった。
『編集長』共々頑張ってもらわなければならない。
まず1台目はHONDA C90。
おそらくは1964年型。
いわゆる「寺社仏閣」スタイルながらSuper Cubなどと同様の横型エンジンを載せている。
そしてもう1台はYAMAHAのトレールモデルだが今のところ車種不明だ。
たしかYAMAHAにはTY250と言うモデルがあったが・・・。
ところでW1の前輪に使うタイヤはこの週末に間に合って届くはずだったが発送元の都合で間に合わなかった。
それはCOVID19の影響だけでなく交通事情も原因だった。
次の週末は既に盆休み、タイヤが届き次第に夜間残業しても間に合わせたい。
そんな事を考えながらこの記事を書いていると発送済みの連絡メールが届いた。
やはり気になるのは天気、1日だけでも気持ちよく晴れてもらいたい。
今日から立秋。
「ねぶたが終われば秋」と言われるが今年の青森ねぶた祭りも今日まで。
連日のように真夏日を記録している地域からすれば過ごしやすいところかも知れないが、夏の実感が薄いまま今年も秋が近づく。
暦の上では秋とは言え、まだまだ暑い日が続くが明日からは「暑中見舞い」も「残暑見舞い」だ。
少しずつ高くなる空に巻雲を見たり、夕暮れ時に虫の声が聞こえたりするまで短い夏を楽しみたい。
編集長のおまけ
やっぱり不動車を色々いじって
エンジンが蘇ったときは感動しますね