憧 憬 の 轍
2022年8月13日 胸騒ぎの向こうに
気象庁によれば台風8号は夕方5時頃に伊豆半島に上陸したが、14日未明には日本の東海上へ抜ける見込みらしい。
静岡県では強風や大雨のために土砂崩れも発生したようだ。
線状降水帯の発生によって猛烈な雨が降ったと報じられている。
一方、本県でも鯵ヶ沢町では先日の大雨で少なくても445棟の住宅に浸水などの被害が確認されている。
思い出すのは1991年(平成3年)9月の台風19号、別名「りんご台風」の事だ。
山口県をかすめるようにして一度日本海へ出た台風が翌日に北海道南部に再上陸したため、津軽地方に大きな被害をもたらした。
今年も台風シーズンはこれからが本番だ。
いわゆる盆休み、墓参りも早々に済ませ『樵の巨匠』のガレージを覗いて見た。
既にエンジンを再始動したC200はタンクの錆を処理し乾燥中、TY175はエンジンを降ろして油で固着した泥落としに忙しい。
バラすのは簡単だがその前にこのエンジンが使える物かどうかを判断しなければならない。
最低限のメンテナンスで何とかなるのか?
泥を落とす度に交換が必要な部品や用補修部分が増えていく。
それは予想通りと言えば予想通りだった訳だが、これまでに施された修理や補修痕に閉口しそうになる。
クランクケース右側にあるオイルポンプのカバーは割れて大きなクラックがあった。
それをシール剤で補修してあったが、使われていたシール材はおそらく建築用のシリコンだった。
またコンシール材はエアクリーナーのケースなどにも使われていた。
軽くてナンボのトライアル用の車両だが、この割れたカバーだけでなく全体的に造りは華奢だ。
洗油に浸して固着している泥と油を落す。
エアクリーナーボックスに塗られたシール材は簡単に剥げ落ちたが中身はすでに笑うしかない。
引きずり出したエアフィルターは見て『特攻隊長』は「海にいる生物」みたいだと言った。
確かにトゲに毒を持っている生物に似ている。
TY175には保安品を付けた公道走行が可能なモデルと競技専用のコンペティションモデルがあった。
排気量175ccなので車検がある訳ではない。
『樵の巨匠』としては保安部品を付けて公道走行が可能な状態にしたいらしいが、クランクケース左側のジェネレーターを開けてみるとコイルは1個だけ、オマケに交換された跡があるコンデンサーの配線は絶縁さえされていなかった。
アテにならない天気予報と蒸し暑さに苛立ちながらも『樵の巨匠』のガレージでは笑いが絶えない。
このTY175が林道を走る日はいつになるのか。