彼岸花

憧 憬 の 轍

 

2022年9月25日 彼岸花

 

明日は秋彼岸の明けとあって彼岸花も枯れかけている。

 

曼珠沙華」と呼ばれる赤い花が一般的だが、最近は白や青などの花もあるらしい。

 

逝く夏を惜しむように上向きの細い花弁が伸びている。

 

「彼岸」の風習は同じ仏教徒の国であるインドや中国には無い日本独自のものだ。

 

雑節のひとつで春分秋分の日の前後3日を意味する。

 

赤い曼珠沙華の花びらに夏の終わりを、そして枯れかけた花びらには過ぎゆく秋を見ているような気がした。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」。慣用句が示す通りにまた季節が変わろうとしている。

 

 

 

 

『樵の巨匠』は部品取りに入手したエンジンを解体しながら部品を選別していた。

 

元々車体に付いていたエンジンは手荒に扱われていたため入手した部品取り用のエンジンだったが、ピストンには焼き付いた後があった。

 

それでも傷みの少ない部品を組み合わせれば1基のエンジンは確実に組み上がる。

 

 

 

使いモノにならない


                       

 

 

 

縦に入った傷がほぼ全周にあった



 

部品取り用のエンジンは公道仕様の車両から外したもののようだった。

 

1次コイルは点火用だけでなく灯火類用のコイルも付いていた。

 

当初は保安部品を付けてナンバーを取得する事も考えていたが既にその気はない。

 

オイルポンプも取り払って混合燃料仕様にしてしまう予定だ。

 

車検の取得が必要な排気量ではないだけでなく、公道を走る事を前提としないとなれば話は簡単だ。要は動けばいい、走る事が出来ればいいのだから。

 

その判断は開き直りに近いとも言えるが手荒に扱われ、さらにいい加減な修理跡を見ているとこれでいいように思えて来る。

 

 

 

 

部品取り用には2つの1次コイルがあった


         

 

 

 

 

部品の選別と解体作業



 

 

 

 

同じ部品を比較して状態の良い方を選ぶ。

 

使いモノにならない部品は捨てるしかない。

 

それでも足りない部品は新しい物を注文するのだが既に生産を終えた純正部品は少なくない。

 

 

 

比べる必要のない部品も多い


                 

 

 

 

使う部品は洗浄作業へ



 

 

 

どの部品も見れば見るほど痛々しい限りだがシリンダーとヘッドカバーをサンドブラスト後に耐熱塗料で再塗装。

 

クランクケースやカバー類を磨くか塗るかはまだ決めていない。

 

 

 

補強用のリブは削り落とされていた


              

 

 

 

シリンダーとヘッドカバーは耐熱塗装



 

 

 

次の週末は既に10月だと思うと、夏らしい夏が無かった事が悔やまれてならない。

 

数十年に一度と言われる規模の大型台風の影響で続いた長雨やそれに伴う災害。

 

さらに依然として報じられるCOVID19の新規感染者数。

 

今年も残すところ3ヶ月余りとなったが、この秋を楽しめなければ冬支度は一層辛いものになる。

 

移転してそろそろ1年になる作業場は相変わらず雑然としたままだ。