憧 憬 の 轍
2022年10月30日 小春日和に
季節が夏へ向かう頃ならたとえ天気が悪くても一抹の期待感がある。
日増しに日が長くなり、気温も上がる。
そんな季節とは裏腹にカレンダーの残りが2枚だけになろうとしている今、比較的に温暖な週末は貴重な時間だ。
今年の紅葉は寒暖差が大きかったこともあって見事な彩を見せている。
その彩に秋を感じるか初冬を想うかは人それぞれだが、諍いの中で不安に満ちた日々を過ごしている人たちにこの景色を見てもらいたい。
それが刹那的なものだとしても美しいと感じて貰えるなら・・・。
SUZUKI GSF250 Bandit(GJ74A)のキャブレター、MIKUNI BDST30のメンテナンスを終えてエンジンに組付けてみた。
エンジンを再始動する前に各種の配管類を点検した。
劣化の激しいホース類はすべて交換し、再始動後には4基のキャブレターを同調させなければならない。
これまでも2台体制や3台体制で整備を進めた事は何度かあった。
今回も2台体制だが近々に着手する予定の‘75 CB400FourやKSR80の事まで含めて考えれば4台体制になる。
「野戦病院」のトリアージタグは有って無いようなもの、手に負えるものから片付けるしかない。
同時進行中なのは『サンちゃん』のKAWASAKI Elimineter250初期型のタンクとキャブレターだ。
燃料タンクの錆取には「花咲かG」を使っている。
希釈した液剤を加熱してタンクに入れると短時間で錆は分解されてしまうが数日放置した方が確実に錆を除去出来る。
錆を落とし簡易ながら防錆皮膜を作ってくれるが恒久的な被膜ではないので、すぐに燃料を入れない場合は防錆剤を入れる必要がある。
タンクと共に気になっていたのはやはりキャブレター。
KEIHIN CVK30の2基掛けでカタログデータでは40psとなっている。
フロートチャンバーの合わせ面からはみ出した液体ガスケットから予想はしていたが状態は良くなかった。
オーバーフローも見られたし、詰まりも考えられる。
オイルと埃にまみれた外観よりも中途半端にメンテナンスされた内部の方が問題だ。
まずは内外共に洗浄、さらに組み直しながら必要と思われる部品を拾い上げる事にした。
フロートチャンバーの合わせ面やパイロットスクリューに付随するOリングだけでは済みそうにない。
‘75 CB400Fourは専用に改造したスタンドでエンジンを降ろす準備を、KSR80はグラ付いているコンロッドを状態の良い中古部品でクランクごと替える予定。
この2台にはまだ手を付けていないが準備だけは進めている。
忙しくも楽しい冬の始まり、とは言え無理は結局失敗につながり二次的な問題まで生みかねない。
それはこれまでの経験から痛感している事だし、やはり楽しむために必要なのは適度な余裕だと思う。
今年ももう11月か・・・。