憧 憬 の 轍
2023年1月15日 Once Again 7th
神奈川県の吾妻山公園では6万株の菜の花が満開で訪れる人の目を楽しませているらしい。
当地で菜の花が咲くのは4月下旬。
見頃は5月連休の頃だ。
距離にして約800㎞離れているが、改めて日本列島が南北に連なる島国だと知らされる。
さらに沖縄の緋寒桜もそろそろ満開になる頃だ。
濃いピンク色の花びらは青い空に映えてソメイヨシノとはまた違った趣を見せる。
世界地図で見る分には小さな日本列島だが、それぞれの季節の美しさに満ちた国なのかもしれない。
‘75 CB400FOURのエンジンの腰上に手を付けた。
シリンダーを載せる前にクランクシャフトやスターターのクラッチの動きなどを再確認した。
誤発注したクランクシャフトの両端に入るオイルシールが届くのを待つ間に新しいピストンリングは既に組み込んである。
毎回の事ながらピストンをシリンダーに収める作業は時間がかかる。
ピストンリングコンプレッサーがあれば簡単な作業かも知れないが使った事が無い。
それ以前に持っていない。
大径のホースバンドを流用して作った事もあったが上手く使えなかった。
シリンダー上部の4ヶ所にノックピンが入る。
そのうちの2ヶ所には樹脂製のシール、さらにオイルオリフィスにも専用のシールが入る。
滲んだオイルがフィンを汚す原因がこれらのシールにある事は分かっていたが、こんなにも変形し劣化しているとは思っていなかった。
シール材やガスケットに使われる素材は時代と共に変わっている。
アスベストが多く使われていた時代、当たり前に使われていたトルエンなどの溶剤やフロンなどを用いた物は無くなってしまった。
今回取り寄せた部品の素材も昔のままではないはずだ。
それが部品の寿命を延ばすものであってほしいと思う。
シリンダーを載せて次はシリンダーヘッド。
バルブを組み込む前に軽く擦り合わせ。
IN側とEX側の計8個を戻しながら当たり面を確認した。
所詮は素人の作業、どこまで突き詰めるかもどこで納得、あるいは妥協するかも自分次第だ。
それでもとりあえず動けばいいなんて思っていない。
趣味とは言え金も時間もかけているのだからそれなりの結果が欲しい。
結局はエンジンを再始動し、実際に走ってみなければ何ひとつ分からない。
そんな事を考えている傍らで『チャレンジャーのタカシ』はaprilia 240Rのブレーキをメンテナンスしていた。
昨夜から降り始めた雨は深夜、湿った重い雪に変わった。
屋根から雪が滑り落ちる音が聞こえる。
毎日のように2週間先までの天気予報を観ているが、次の週末あたりからは本格的に冷え込むようだ。
-10℃以下の真冬日も予想されている。
今のところ降雪量は少ない方だが、安心していられない2月はもうすぐだ。