憧 憬 の 轍
2023年3月26日 雪解雨
気温が20℃を超え半袖のシャツを用意する季節になったかと思いきや、今日は最高気温が10℃にも満たない。
まだ3月の下旬、本来そんなものだが前日が暖かかった分、肌寒さを感じる。
もはや冬の名残は日陰に残った泥まみれの雪だけで、それももうすぐ無くなってしまう。
近所の公園の桜が芽吹く日も近い。
見かけるバイクの数が日増しに増えている。
それは野生動物や虫が次々と冬眠から覚めるのに似ている。
作業場に集まる虫たちの中には冬眠を知らない者もいるが、陽気に誘われて動き出している。
『編集長』は外装の塗装の準備に明け暮れている。
サイドカバーやリアカウルはいつでも塗装できる状態だが、タンクの傷のパテ処理に苦労していた。
サフェーサーを吹いて初めてわかる凹みや傷、あるいは形成の甘さに挫けそうになる。
光を当てる角度を変えて見たり、指先の感触に神経を集中させて補修した面を確かめる。
塗料も既に用意してある。仕上がりが楽しみだ。
『スポカブ・ブラザース(弟)』は今日もCB50改のタペット調整。
このエンジンのために60種類のシムが純正部品で用意されている。
マニュアルの規定値は0.15㎜±0.03㎜。
用意したシムではEX側の調整に満足がいかないようで難しい顔をしていた。
シムを替えカムシャフトを載せてギャップにゲージを差し込む作業を繰り返えす。
神経質な作業が続く傍らでは『特攻隊長』が出走準備のためにHONDA VTR250を持ちこみ、十八番の「無謀な軽量化」を始めた。
『特攻隊長』によればシートカウルからテールランプ、さらにはフラシャーが気にいらないらしい。
グラインダーでテールカウルの裏側から伸びた荷掛け用のフックをあっさり切断してしまった。
彼によればタンデムステップも邪魔な装備でしかないらしい。
これもまたどんな仕上がりになるのか楽しみだ。
『樵の巨匠』も春の近さを自覚し、TY175の塗装の準備や、ワケアリのKAWASAKI Z400FXのCRキャブレターの組み立てに没頭していた。
KEIHINのCRキャブレターは元来レーシングキャブレターなので、市販車に付いているキャブレターとは造りが違う。
幾つかの部品を交換し再始動を試みるまでに漕ぎつけたが・・・。
『樵の巨匠』のレベルならエンジンの再始動までは難しい事では無い。
問題はそこからだ。
4連のバキュームゲージも用意し同調を採る準備もした。
それにしてもCRキャブレター用の部品は高いね~。
昼前から降り始めた雨は日付が変わる頃になってもまだ止まない。
雨足は強くないが、その分長く降りそうで憂鬱になる。
今年は桜の開花が例年よりも1週間ほど早いと予想されている中で、4月を目前に梅雨の事も気になり出している。