2016年9月11日 NeverGive Up!
日本語は雨さえも美しい。
小夜時雨とか白雨、茅屋の雨。
遣らずの雨なんて粋な言葉もある。
日本語がもつ独特の風情なのだが「篠突く雨」は
篠竹を叩きつけるように降る雨、豪雨の事。
同じ竹でも「竹の時雨」は竹の葉が擦れ合う音を雨の音に例えた言葉。
震災後の九州に降った雨も、
今回東北に降った雨も「氷雨」どころか「悲雨」でしかない。
決してキチガイのように早く走りたいわけでもなく、
いわゆる「じゃじゃ馬」を望んでいる訳でもない。
40年前のバイクを少しだけ現代のバイクに近づけたいだけの気持ちで
キャブレターに取組んでいるつもり。
ベンチュリ径24㎜に対して28㎜の断面積は約1.36倍。
この0.36の差を有効に使ってみたい!
昨夜ジェットを入れ換え
エンジンの始動を確認しておいたので早朝から試走。
噂通りPE28はPE24よりも調整が難しい。
キャブレターの調整を繰り返す中で
点火タイミングが狂いやすい事に気づいた。
原因はカムシャフトとスパークドアドバンサーの
連結部分の小さなピンのようだ。
ピンがいない!? こんな所に挟まっていた
この小さなピンがアドバンサーの溝に入り込むと
徐々にタイミングが狂い始める。
それでもエンジンは始動するから
不調の原因をキャブレターだと考えてしまう。
保管してある部品の中に同じサイズのピンがあったので
組み込んでみると明らかに納まりがいいようだ。
ピンはこの位置になければならない 比較するとやはり大きいPE28(左)
今日はちょっとしたツーリングを予定している。
台風や大雨のために山越えのルートは道路事情が良くないためだ。
距離的にも長くないので試験的なツーリングを試みるつもりだが、
PE28の調整は間に合いそうにないのでキャブレターをPE24に戻した。
朝方に見たうろこ雲は低く鉛色で秋の空には似つかわしくなかった。
今にして思えばこの雲が一日の顛末を予言していたのかもしれない。
早朝から出発予定の時刻まで試走を繰り返し、
車載工具に新品のプラグを足していると
現れたのは特攻隊長こと▽YAMANAKA。
前回のツーリングを突然の体調不良でキャンセルしたせいか気合十分、
まさにバリバリ状態。
タッチャンことN氏はいつものBMWで、
92ブラザース(弟)もCB50改で夏泊半島を目指した。
2st将軍は途中の道の駅で合流する予定。
自慢のNSR50改に付けたPE28のセッティングがしたいらしい。
道の駅でもジェット交換 路上の空き地でもジェット交換
詳細については敢えて割愛するが
僅か200㎞足らずのツーリングにしては
実にさまざまな事が起きた一日だった。
国道から通称「夏泊ほたてライン」に入る。
晴れた日の海沿いの道は実に気持ちがいい。
2ストロークの独特の排気音を残して走り去る2st将軍。
余裕丸出しで後を追うN氏のBMW。
あっと言う間に視界から消えた2台だったが
2つ目のコーナーを曲がった所に停車していた。
2st将軍がまたジェット交換でもしているのかと思ったが・・・。
両氏の名誉のためにも書き加えるが事故ではない。
その頃「過積載軍団2号車」のR氏は
「鯛の反応なし! 鯖しか釣れねぇ~」
とボヤきながら夏泊で釣りキャンプをしていた。
この偶然に感謝する一日となった。
余談ながら2st将軍が愛車に奢るスパークプラグは
某社製の「イリジウムプラグ」。
高級品らしいが抜く回数の多さから「いじりうむプラグ」
「いじりうむプラグ」と「イジリスト」は作業場の新語辞典に登録決定!
将軍様ご乱心・・・何があった? 波だけがすべてを知っている・・・
初期型XL125Kはと言えば200㎞もの距離を走ったのは初めて。
途中、プラグの焼け具合を何度か確認しながら
パイロットスクリューも微調整。
もう少し大きなメインジェットが使えそうだが
80km/hを越えたあたりから振動が大きくなる。
100km/hでは少々不安なくらいだし
60~80km/hの速度域は気持ちよく走れるので
やはりPE24の調整はこれでよしとしよう。
この季節の海沿いは気持ちがいい ブロックタイヤよりも走りやすい
テスト走行を無事に終えたとは言え
細部を点検すると増し締めが必要なボルト類が数本見つかった。
接点不良によるヘッドライトの不具合も
早めに対処して次の週末にPE28で走ってみるつもり。
天気や仕事の都合とは言え長々と時間をかけてしまったキャブレターの
調整に結論を出さなければならない。
再び余談だがN氏のBMWの前を走ると「何か」が起るらしい・・・?