桜は衝動的に咲く

憧 憬 の 轍

 

2024411日 桜は衝動的に咲く

 

胴吹き桜は待ちきれずに咲く。

 

そして枝の蕾が後を追う。

 

 

 

所用で八戸へ。

かねてからこの機会にOリングやガスケット類を専門に扱うN商会へ行き、VMX12のキャブレターに使うOリングを購入する事を考えていた。

N商会は平日のみの営業なので、所用よりもむしろOリングを買い求めるついでに所用を済ませたようなものだった。

YAMAHA純正部品のドレンプラグのOリングは1個あたり約900円。

その他にもダイヤフラムカバーに入る小さなOリングやV-Boostユニットとシリンダーヘッドの間に入るOリング、どれも各4個必要だ。

これらをすべて純正部品で注文すれば福沢諭吉が1枚必要になる。

N商会には以前、‘75 CB400Fourのキャブレターを修理した時以来世話になっている。

今回も潰れて原型を留めていないようなOリングを持ち込んだが見事に適合するOリングを入手出来た。

材質はNBR-70-1、言うまでもなく耐ガソリンの製品だ。

3種類のOリングを計12個、支払いは・・・、野口英世を1枚出してオツリが来た。

 

野口英世を1枚でオツリが来た     


               

 

これが1個約900円! 画像はもちろん借り物です



 

自分のような者は純正部品を扱う業者にすれば迷惑甚だしいかも知れないが、特殊な部品以外、特にOリングやガスケットなどは販売価格を見直すかパーツリストに寸法を記載するなどして貰いたい。そのうえで材質の選択を誤ったり、あるいは無知だったりしても、それは正に自己責任なのだから。

 

 

このVMX12を「OHMACHI BASE」に運び込んでからもうすぐ半年になる。

初めはこんなデカくてクソ重たいバイク・・・、と思っていたが、手を付ければ付けるほど、どこにでも普通にあるバイクに思えて来るから不思議だ。

そうかと言ってスーパーカブや原付のスクーターのような“どこにでもある”ものでは無い。

2010年の春、‘75 CB400Fourの再生に手を付けてからのおよそ3年間は、既にメーカー廃盤となった部品や代用品を探す毎日だった。

その後の空前とも言える旧車ブームのおかげで幾つもの部品が復刻された。

それは嬉しい話だったが粗悪な造りの社外品も多く、さらに「純正部品」であっても海外で製作された物には国産の精度は期待できなかった。

時代はキャブレターではなくフュエル・インジェクション、ポイント点火ではなくCDI点火、それらが燃焼効率を上げるために組み込まれたCPUで制御されているのが当たり前だ。

一部のマニアックな者達だけに通じる価値観にも似た感覚は言い表すのが難しい。