憧 憬 の 轍

 
憧 憬 の 轍
 
 
 
 
20151010日 秋が夏の残照ならば
 
 
街路樹のナナカマドが赤い実をつけている。
 
頻繁に通る道なのに葉が落ちはじめて気が付いた。
 
赤い実と青く高い空のコントラストがきれいだ。
 
風や低気圧で加速された今年の秋に夏の名残は既に無い。冬は近い。
 
 
注文しておいたTW200CDIユニットなどが届いた。
 
CDIは配線を繋ぐだけなのであっという間の作業。
 
限界を超えていたブレーキとクラッチのワイヤーを交換し、
 
キャブレターのパッキン類も交換。
 
タイラップで固定されただけのシートや
 
錆だらけのスイングアームが気になるが、
 
“とりあえず走れる状態”になったので試乗してみる。
 
 

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クラッチもブレーキもワイヤーは錆だらけ                メインジェットに入るOリング
 
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フロートチャンバーのパッキン                          配線類は少々整理して
 
キックした後の音が少々気になるが始動性には問題なし。
 
空吹かししてもアフターファイアは起らない。
 
クラッチの重さもこんなモンか?
 
カスタムの過程でメーター類一式が交換されていてニュートラルランプが無い。
 
シフトレバーの感覚である程度は分かるが停車時はやはり不安だ。
 
1速から6速まで変速機構も問題なし。
 
ギヤ抜けも無いのでクランクケースを開けてみる必要も無さそうだ。
ブレーキの効きも悪くない。
 
ところが走り出してみると1、2速の伸びがない。
 
さらに燃調の取れていないような状態で、
 
3速よりも上では問題なく回るがそこまでは完全に燃調が濃い症状だ。
 
低い回転域では気にならないが回転をあげると
 
ボコボコと回転にバラつきが現れる。
 
そしてプラグも真っ黒、煤だらけ。
 
パイロットスクリュー以外に調整機能を持たないキャブレターだけに
 
ジェットを変えてセッティングするしかない。
 
「それなりに調子よく走っていた」状態に戻す事を考えて来たが、
 
今の状態では完全にオーバーサイズのジェットが組み込まれているために
 
燃調が濃いとしか考えられない。
 
もう一度キャブレターを解体し組み直してみるが
 
ジェット類には番手の表示がなく、
 
はたしてノーマルに対してどのくらい上のサイズが使われているのか
 
見当も付かない。
 
このキャブレター、TK製のY24P-5Aには特徴的な機能として
 
「高地用補正ノブ」が付いている。
 
標高の高い所や気圧の低い所を走行するにあたって
 
濃くなってしまう燃調を薄く補正するための機能らしい。
 
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編集長が試乗                               高地用補正ノブは引いたまま
 
今の状態で少しでも燃調を薄くする方法はこのノブを引くことしかないが、
 
本来は一時的な補正機能のはずだ。
 
作業場周辺の標高は45m程度で試走したルートはそれよりも低い所ばかり。
 
冗談にも高地などと言える所ではない。
 
「高地用補正」の高地ってどれくらいの標高を指すのかも分からないまま
 
ノブを引いて走ってみると・・・簡単に問題は解決してしまった。
 
ひとつの仮説と言うか、
 
邪推ながら前オーナーは高地用補正ノブを引いた状態でセッティングした?
 
もしくは何かの理由で濃いセッティングが必要だった?
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バンプラバーが欠損                                タイヤも限界ですね
 
 
 
リアサスペンションのバンプラバーが劣化して無くなっている事や
 
可動部分をもう一度グリスアップした方がいいと言う事、
 
さらにはノーマルのメイン、スロージェットを入手してから
 
もう一度キャブレターのセッティングをした方がいいと考えている
 
事なども伝えて持ち主の元へ返す事にした。
 
 
余談だがヒロさんことT氏のTLR200もバッテリーレス仕様。
 
それでもウインカーはピッカピカだしヘッドライトも明るいのは
 
灯火類をLEDに替えて省電力化しているからだ。
 
この事も忘れずに伝えようと思う。
 
それにしてもカスタムって金かかるよね~。