憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍
20151024日 雪虫の飛ぶ頃
 
 
北海道で暮らしていた頃、
 
雪虫を見かけるとそれはバイク乗りのシーズンが終わる事を意味していた。
 
初雪の降る頃に飛ぶ小さな虫に付いている綿毛が
 
雪のように見える事から北海道では「雪虫」と呼ばれている。
 
数種類の雪虫がいるが代表的なものはトドノネオオワタムシ
 
アブラムシの一種でカメムシ目に属する。
 
オスには口がなく寿命は概ね7日、
 
メスも産卵後すぐに寿命が尽きる。
 
人の体温でも弱ってしまうほど熱に弱い。
 
 
 
 
 
 
日は「秋の安全祈願大祭」、要するにチョイと走って午後から宴会だ。
 
TW200の修理のお礼にと編集長の友人、
 
K氏から巨大な生の牛タンを2本も頂いている。
 
柔らかい部分は焼いて食べるつもりだが、
 
タンシチューでも作ってみようと企んでいる。
 
肉が柔らかくなるまで煮込むこと約34時間。
 
圧力鍋を使えば1時間程度で出来るらしいが、
 
キャンプ用のガソリンストーブか常設の薪ストーブ(廃材ストーブ?)
 
を使って料理するのが作業場の流儀だ。
 
オマケに“樵の巨匠”は2週間前から
 
ダッチオーブンでローストチキンを作れと
 
夜半にホロケて電話してくるし。
 
「どれもこれも仕込みに手間のかかるモンばっかりじゃねぇか!」。 
 
仕込みの手伝いにフンカモンカのタカを駆り出し、
 
タンを煮ながら自分はカーナビの修理。
 
 
 
 
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ローストチキンの仕込みはフンカモンカの仕事                 イカレたカーナビ(右)は再起不能
 
 
 
半年前にウンガラモンガラのKENから
 
譲ってもらった中古のGORILLAだが先日、
 
突然画面が真っ白なって使い物にならなくなってしまった。
 
さらにイヤホン端子も怪しい。
 
地図データを更新するよりも新しいものを買った方が安く済む昨今だが、
 
まま捨てるのは惜しい、と言うより悔しい。
 
用意したのはジャンク扱いの同系機種。
 
スピーカーがイカレているとの事。な
 
らばスピーカーを移植すればナントカなるんじゃないかと
 
無謀な企てをしてしまった。
 
 
『冒険とは可能性への信仰である』 
 
この言葉を胸に、
 
かつて上温湯隆(カミオンユ タカシ)氏はサハラ砂漠に挑み、
 
若くしてその生涯を終えた。
 
今、自分がしている事は命を賭けた冒険ではないが
 
可能性を信じている事だけは確かだ。
 
電気関係の知識パッパラパー∞の自分にとって、
 
目の前にある128×86㎜の電子部品の荒野は砂嵐のサハラ砂漠より広い。
 
いざ、サハラへ!
 
信じる者は救われるのか、捨てる神あらば拾う神あり、
 
なのかは分からないが「可能性への信仰」は通じたようだ。
 
無宗教、さらに無神論者の私にとって信仰の対象はやはり
 
「あらゆる可能性」のみだ
 
 
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基盤さえ外せばこっちのもの                     コネクターに問題があったようで・・・ 
 
気が付くとストーブの上の鍋の中で牛タンはホニャホニャの一歩手前。
 
窓から差し込む日差しに透けたタバコの煙の中に
 
雪虫が飛んでいるように見えた。
 
 
 
 
このブログを読んで下さっている方から
 
「中華鍋の話だけど、そこまでするか!」みたいなことを言われました。
 
根性で作った“中華鍋プロテクター”の事を気に入って下さったらしく、
 
考えてみればバイクに興味のない人には
 
チンプンカンプンな内容のこのブログであります。
 
書いている私としましては
 
バイクで旅するための道具としての話題でしたが、
 
意図せぬところがウケてしまって今後、
 
何を書こうか悩ましい日々が続いております。
 
思えばiPhoneiPadの話まで書かせていただいて、
 
さらに今回はカーナビ。
 
私の轍は今後も曲がりくねって続いて行くのだと思いました。