憧 憬 の 轍


憧 憬 の 轍


2017219日 流儀、あるいは拘り



 気温は氷点下でも風がなければ辛くはない。


ストーブに手をかざしながらでも窓から差し込む日差しが春めいてきたように感じる。


 
 先週末に発覚したサンドブラスターの不調。


不調どころか穴が開いて壊れたと言ってもいい状態だった。


最近は格安の工具が流通していて2,000円程度でブラストガンが手に入る。


それでも修理を試みるのが我が作業場の流儀と言うもの。


 メディアを吸い上げるチャンバー部分は既存の穴を金属用の硬質エポキシ系パテで埋め、


反対側に新しい吸い込み口を作った。


ホースのジョイント部分は真鍮製のホースジョイントを切断、


ネジ切加工の上で合体。


チャンバー内部の円錐状の吹出し口は「樵の巨匠」によって溶接で肉盛りして研磨。


理屈としては補修部分にメディアが直接当たらないはずなので何とかなるだろう、


と言う訳だ。


「また壊れたら次は新しいモノを買うべ」って二人とも結構お気楽な修理、


と言うか再生。


それを仕事の合間にチョイチョイと・・・。


こんな作業を私たちは「息抜き」と呼んでいる。
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まずは溶接                             肉盛りと言うかハナクソと言うか・・・
 
「樵の巨匠」は最近手に入れたエンジン付き薪割り機を使うのが楽しくて


バイクのレストアなんて忘れてしまった様子だが、


溶接機やグラインダーを持つ時だけは昔の顔に戻っている。
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ハナクソを削って                                     修理完了!


このサンドブラスターの正体は避難梯子のケース(鉄製の箱)に穴をあけ、


流し台の排水トラップを切断して嵌め込み、


ホームセンターで買ったゴム手袋取り付け、


得体のしれない強化ガラスでのぞき窓を作った廃品利用の賜物。


メディアを吸い上げる部分はプラスチック製T型ホースジョイント(鑑賞魚用)、


底板は亜鉛鉄板の切れ端、などなど・・・。


それでもXL250RMD03)に始まり月光仮面になりたかったC92


CB400Four75、理解不能JAZZなどなど、


この10年余りの再生作業において「陰の功労者」とも言える表彰モノの機材だ。

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廃品利用の賜物                            茶色のメディア、ちょっと違和感がある
 
サンドブラスターの修理にあたり、


これもひとつの節目と考えてメディアも新しいものに替えた。


これまで使ってきた真っ白な50μのアルミナ(アルミナ99%)ではなく


茶色のアルミナ95%のものに。


同じ50μだが、この4%の差についてはよくわからない。


ちなみにこれらの50μのメディアは工業用ではなく歯科技工用のものだ。


工業用アルミナの50μはアルミナの含有量がさらに低いようで、


『林道1号』のヒロさんことT氏が使っている。


掘削性は高いが歯科技工用に比べると仕上がりが少々荒い。


 テストの結果は申し分ない状態。


これでまたしばらくは使えると思う。


バイクを1台再生したくらいの満足感に浸りながら、


今日は帰り道のコンビニで久々にハイオクを買って帰ろうと思う。
 
 サンドブラスターが復活したのでC92純正ハブのブラスト作業再開だ。


その合間に来週に予定されている「タンク塗装祭」に向けて

C92-Rのタンク白色のサフェーサーを吹く。


もちろんCB50改のタンクも92ブラザース(弟)が下地処理に余念がない。



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サフェーサーまでを終えたドクロタンク                 CB50改のタンクも順調
 
 来週に予定している「タンク塗装祭」の準備をしている傍らで


『林道2号』はXLR250RMD22)のシート張替の準備をしていた。


シート素材は時間をかけて伸ばしながら張らなければならないが、


何やら忙しそうなのでイタズラのつもりで手を付けたところ


結構いいところまで作業が進んでしまった。


明日にでも見てビックリして欲しい。


 サフェーサーを吹いたりサンドブラストしたりシート張りしたりと


忙しい1日だったが気持ちに余裕があるのは昨日の日帰り湯治の効果だろうか?


朝方にはチェーンソーを使って薪の支度もした。やっぱり湯の力だなぁ。