春分の日。
一般的には連休。今日も街角で見かけるバイクの数が飛躍的に、
いや加速度的に増えた。
突然に冬が訪れ、雪を降らせ、道を凍らせた。
そして春もまた突然に訪れた。
昨日まで続いた「塗装祭り」の終了と同時に『林道2号』はXLR250Rの、
92ブラザース(弟)もCB50改の仕上げに忙しい。
CB50改はタンク側面のラインを省いて
古いタイプのウイングマークにした事によって
一昔前のロードレーサー然とした外観に。
これは想像していた通りだったが、
やはり想像を超えたのは『林道2号』のXLR250R(MD22)だった。
The Road Racer 別名“ショッカーのバイク”
「塗装祭り」が終わるのをじっと待っていた1台のスクーター、
SUZUKI LOVE THREE。
待合室には他にも数台の不動車があるが、
とりえず動くようにして欲しいという事でサンちゃんことS氏から預かっていたもの。
数年前に突然動かなくなった、と言うこと以外に詳しい事はわからない。
C92-Rをはじめ他の不動車は部品の都合やレストアの方向性も決まっていないので、
このスクーターを“とりあえず”動かすために早速解体開始。
作業前に少々プロフィールを調べてみたがさすがにデータは少ない。
いわゆる“馬力戦争”前のスクーターらしいスクーターだ。
それにしてもLOVE 3でもなくLOVEⅢでもなく
LOVE Threeだったのは何か特別な意味があったのだろうか?
早速シートやカウルを外して・・・ エアクリーナー、触れなば落ちん!
カウルを外しただけでメンテナンスしやすい状態だ。
以前修理した同社のAddress 50に比べたら別のメーカーかと疑いたくなるくらいだ。
長期放置車両の常と言うか運命と言うか、
ギヤ類にはほとんど油脂分が残っていない。
くわえて樹脂部品の劣化も激しい。
エアクリーナーは予想通りアンタッチャブルな状態。
そして出来る事なら開けたくないフュエルタンク。
車体を揺すったときにチャポンチャポンと音が聞こえた。
固まったキャップを開けると・・・やっぱり!
ン~、タンク内部にピントが合わない 長期熟成〇年物 沈殿物多量! 匂いだけで酔う
タンクの処理は内部の錆の進み具合を見ないと判断できないので
洗剤と温水を入れてしばらく放置する。
残されていたガソリンの状態から
フュエルラインとキャブレターの詰りは疑いようがない。
燃料コックがダイヤフラム式だったのでキャブレターは軽症だったが、
コックのダイヤフラムは分解できない作りなので交換しなければならないようだ。
キャブレターは軽症 重症どころではない燃料コック
このスクーターを預かった時、最初に違和感を覚えたのはキックレバー。
クランクシャフトを回している抵抗がまったく無く、
レバーだけが空回りしているような感触だった。
これについては予想通りキックスターターギヤの不具合。
油脂分が失われて動きの鈍ったスターターギヤが
クランクシャフトを回す前に戻ってしまっていた。
ケース内部をクリーニングし、新しいグリスを注油して回復した。
ギヤの欠けはなかったので一安心 注油して完了