2017年3月26日 浅春のみぎり
「転任前に参上し、ご挨拶を申し上げるべきところ・・・」。
そんな堅苦しい文言が印刷された葉書が届く。
儀礼的なものと言ってしまえばそれまでだが、
片隅に走り書きされた「元気ですか」の文字、その筆跡が懐かしい。
元気でいるならそれだけでいい。
まずは訂正とお詫びを・・・。
前回の記事でSuzuki LOVE Threeの事を3.5psの馬力戦争前のスクーター
らしいスクーターだと書いたが大きな間違いだった。
3.5psは1982年発売のLOVEのデータでこのLOVE Threeは6ps。
そしてThreeの意味は
「軽く、速く、美しく」の“3拍子揃った”スクーター、という事だとか。
ちょっと遅れてスゴイものを出すSUZUKIが黙っているわけがない。
最終的にSUZUKIはクラス最強の7.2psのセピアZZと言う
改造車みたいなスクーターまで出したのを覚えている。
LOVE Threeのカタログの表紙を一世風靡・セピアが飾っていたのは一種の伏線だったのか?。
「ソイヤ!」ってか・・・懐かしい 「前略、道の上から」だったな
長期熟成〇年物のガソリンが入っていたタンクは
中性洗剤+温水では歯が立たず、洗剤系某社のマ〇ックリンで洗浄。
トイレ用洗剤のサ〇ポールで一気に落とす荒業もあるが、
錆の進み具合によってはタンクが穴だらけになってしまうので、
これは最終兵器として今回は使わない。
タンクに内蔵された燃料計のフロートを外して内部は確認しやすくなった。
マ〇ックリン+温水で脱脂したタンク内部は
油脂分と一緒に錆が落ちて地金が見えている所もある。
ケミカル系某社のラストリムーバーを投入。
脱脂済みのタンク内部 ラストリムーバー処理後 こんなモンかな
タンク内部に防錆コーティングを施すべきだが、
しばらくの間は燃料のラインにストレーナーを付けて様子を見る事にした。
再生費用を抑える目的だけでなく、
長期放置車両は走り出してからどんなトラブルに見舞われるか想像がつかないし、
まだタンク内に錆が少し残っていると思うから。
タンクの次はキャブレター。
軽症だったキャブレターの詰りはガソリンの残渣がほとんどで
錆のクズはほんの僅かだった。
型式はVM14HS、MKUNI製。
VM型は珍しいキャブレターではないが
このスクーターはシリンダーとキャブレターが銅製の棒でつながっている。
この銅製の棒がエンジンの熱をキャブレターに伝え、
オートチョークを解除する仕組みのようだ。
キャブレター本体は珍しいものではない これも一種のセンサー
レストアと言うより清掃作業と言う方がしっくりくる作業を一段落し、
組み立てる段になって発覚したのは“プラグに火が飛ばない!”こと。
単なる長期放置車両だと思っていたがあまかった!
早速スパーキー・シゲアキ師匠にSOS打電。
どうやら診断の結果はイグニッションコイルが怪しいようで。
代替え部品でテストしたいところだが適当なコイルがない。
午後になって作業場は次々にメンバーが集まる。
やっと仕事が一段落した『林道1号』はXLR250R-BAJAのフロントフォーク、
92ブラザース(弟)はCB50改の前後ブレーキのオーバーホールを始めた。
もちろん『林道2号』も黙ってはいない。
フロントフォークに“靴下”を履かせ、フロントタイヤを交換。
『林道1号』はFフォークと格闘中 92ブラザース(弟)はブレーキと
お祭り騒ぎの午後はあっという間に過ぎた。次の週末はさらに賑やかになりそうだ。