憧 憬 の 轍
2023年12月24日 一陽来復、そして一陽来福
まだ冬は始まったばかりだと言うのにテレビのニュースは盛んに「今季最強クラスの寒波の到来」を報じている。
これまでに雪が生活に支障をきたす事が少なかった地域にまとまった量の雪が降ったり、雪には慣れているはずの地域でも一度に大量の雪が降ったりしているのは確かだ。
ここ数年、雪の降り方が変わったような気がする。
毎日深々と降り積もるのではなく1ヶ月分の量が1日か2日で降ってしまう。
それは春から夏に向かって徐々に暖かくなるのではなく、ある日を境に突然暑くなる夏の気候にも似ている。
異常気象や温暖化の影響が声高に語られるようになって久しいが、原因が何であっても自然には抗えない。
VMX12のタイヤ交換。
CLYMERのマニュアルにはタイヤレバーで脱着するイラストが載っているが、そんな事はやってみようとも思わない。
隣町の懇意にしているバイク屋に持ち込んで、もちろん機械で交換した。
それにしてもキャストホイールなのにこの重さは何だ?
特に後輪なんてトラックのタイヤと見紛うばかりのボリュームだ。
もう少し軽く出来るデザインを考えなかったんだべか?
強度に関係無いような部分を切り取るとか穴を開けるとかも出来そうだが、そんな改造をした話は聞いた事が無い。
古いカタログにはエンジンの写真と共に「魔神 machine」のコピーがある。
やはり「さわらぬ神に祟りなし」だ。
ディスクローターの錆も気になっていたので外して錆を落とし、さらに部分的に塗装した。
ボルトには緩み止めのロック剤が使われている。
古いロック剤をタップとダイスを使って落としてから取り付けたのは当然として、年式によって指定されている締め付けトルクが違うのはフロントフォークが大径化されたためらしい。
その他にも年式によって指定値が違う部分は少なくない。
車輪を外した状態でリフトに載せているのでこの状態でフロントフォークやスイングアームなど、リアサスペンションまでメンテナンスを済ませる事にした。
主要なボルトやナットにマーキングがあるだけでなく、アクセルシャフトやハブに残っているグリスが比較的新しい事などから、前回の車検の際に信頼のおける所で整備したのだろうと思った。
『YSP SAPPORO-NISHI』のキーホルダーはその時のものかも知れない。
そこでまずはフロントフォークから。
エアアシストバルブの付いたトップボルトはカバーで覆われている。
スイングアームのピボット部分にしてもハンドルクランプのボルトにしてもカバーやプラグが付いている。
これこそがYAMAHAの流儀なのか?
フロントフォークからフルードを排出してみると透明感があり、汚れは少なかったが量的にかなり少なかった。
またオイルシールに漏れはなく、交換されてから長い時間が経っていないようなので、ボトムケース内部を洗浄して組み直した。
フロントフォークを車体に戻し、ブレーキキャリパーを取り付ける前にブレーキパッドの残量を測ってみた。
前後輪共に約5㎜、使用限界まで約4㎜。
ほぼ新品に近い状態だった。
次の週末は大晦日だ。
既に年末年始休暇の中なので仕事の事は気にせず作業が出来る。
休暇中にスイングアームのメンテナンスまで終える事を考えている。
もちろんキャブレターやエンジン本体の外装など、手を入れたい部分は残るがVMX12を一度リフトから降ろして、その後はKSR-Ⅱの再生に取り掛かろうと思っている。
クリスマスイブ。
いわゆるコロナ渦前の街中に見かけた“クリスマス色”が今年は少ない。
様々な制限が無くなって以前にも増して活気づくだろうと思っていたのに・・・。
その一方でCOVID19やインフルエンザの感染者が増えていると言う。
一時期ほどその数が話題に上る事は少なくなったが、人類はウイルスを根絶した訳ではない。
やはりこの4年の間に多くの事が変わった、変えられてしまったのだと思った。