秋桜、風に揺れて

憧 憬 の 轍

 

20231123日 秋桜、風に揺れて

 

勤労感謝の日

別に感謝したりされたりするような勤労をしているとは思えないが世間一般的には祝日、すなわち休みだ。

11月も終わりに近づき、そろそろ本格的に冬支度をしなければならない。

まずはクルマのタイヤ交換から。

2週間天気予報によれば明日以降の気温は急激に下がるらしく、小春日和も今日限りらしい。

雪こそ降らなくても週末の予想最低気温は氷点下だ。

 

 

この冬に予定しているKSR-Ⅱの再生の事も考えるとVMX12ばかりをかまっている訳にはいかない。

全バラして気の済むように手を付ければいいのだろうが、とりあえずは早く走らせてみたい。

そのためには多少見た目が悪くても適当な妥協点を定めておかなければならないと言う事だ。

 

それにしてもやはり気にかかるのはキャブレターだ。

V-Boostシステムが搭載されていない日本仕様(3UF )も他の仕様も同じMIKUNI製のダウンドラフトタイプが採用されている。

平成8年(1996年)10月に発刊された「YAMAHA V-MAX FILE」によればキャブレターのセッティングデータは下表のようになる。

 

 

日本仕様

アメリカ仕様

カリフォルニア仕様

カナダ仕様

 

パイロトジェット

#42.5

#37.5

#37.5

#37.5

 

パイロットジェット№1

#95

#90

#90

#90

 

パイロットジェット№2

#170

#170

#170

#170

 

メインジェット

#150

#152.5

#152.5

#152.5

 

メインエアジェット

φ2.0

φ2.0

φ2.0

φ2.0

 

パイロットスクリュー

2回転戻し

プリセット

プリセット

2+1/2戻し

 

ジェットニードル

SEZ47

SEZ43

SEZ43

SEZ50

 

 

カリフォルニア仕様を含むアメリカ仕様のパイロットスクリューが「プリセット」となっているのは、排ガス規制などの問題もあって調整できないように真鍮製の蓋がされていたためだ。

CLYMERのマニュアルにパイロットスクリューについての記述が無かったのも頷ける。

しかし目の前にあるアメリカ仕様(2WE)のキャブレターに蓋はない。

カナダ仕様の2LTエンジンが最強と言われた理由はジェットニードルとパイロットスクリューの調整にあったようだ。

 

蓋のある状態 ※画像は借り物です


           

 

蓋は無い

 

さらに「V-MAX FILE」を読み進めるとV-Boostシステムの付いていない日本仕様をカナダ仕様(2LT)同様に改造する方法まで記載されていた。

また、ドリルでこの蓋に穴をあけてスクリューを調整したり交換したりする動画も見つかった。

そうとなればこのキャブレターがどんなセッティングをされているのかを確かめずにはいられない。

当然、メッキ部品に浮いた錆や剥げかけた塗装など後回しだ。

パイロットスクリューの戻しとジェットニードルの番手を確認する事が最優先の作業となった。

 

キャブレター最優先で後回しと言いながらも剥げた塗装や、塗装の下に広がる錆はやはり気になる。

 

ウォーターポンプのケース


                   

 

ジェネレーターカバー

 

シリンダーヘッド(前バンク)


                  

 

シリンダーヘッド(後バンク)

 

 

ダウンドラフト型でダイヤフラムのカバーが横向きの配置、ジェットニードルの番手を調べる事は簡単だ。

しかしこんな事をするくらいならキャブレターを外して総点検のうえ、大掃除までしたくなる。チョークレバーの錆も気になるし・・・。

いつもの事だが、こうして予定は未定になっていく。

 

 

 

子供の頃、庭に植えたひまわりは見上げるまでに大きく育ったが、風雨の強い日の翌朝に折れていた。

大輪の花はまるで太陽のようだった。それだけに泥だらけの黄色い花びらが悲しかった。

祖母が植えたコスモスは秋の初めに咲き始め、いつも風に揺れていた。

細く華奢な茎はしなやかで、強い風が吹いても折れることはなかった。

花の名前がギリシャ語で「秩序」や「調和」を意味する「Kosmos」に由来する事や、そのまま花言葉として用いられている事を知ったのは大人になってからだった。

 

日没が早くなった。

冬至が近い。

それでも暖かければ少し気が楽だ。