階(きざはし)

憧 憬 の 轍

 

202210月27日 階(きざはし)

 

各地から初冠雪とか初氷の便りが届く。

 

県内でも既に0℃を下回る最低気温が記録された。

 

薪ストーブ、と言うより廃材を燃やして暖を採っていた頃が懐かしい。

 

移転した作業場で薪ストーブを使う事を考えて来たが無理なものは無理だと諦めるしかない。

 

ただ気にかかるのはこの冬の灯油の値段だ。

 

 

 

 

 

SUZUKI GSF250 Bandit(GJ74A)のキャブレター、MIKUNI BDST30。

 

スロージェットとメインジェット、さらにパワージェットまで備えて高出力を約束しているようなキャブレターだ。

 

およそ10年前、何度整備しても調整してもカブリ気味になってしまう、いわゆる「バンディット病」に苦心した経験からスロットルボディに付いているOリングと、パイロットホルダーと呼ばれる部分が最大の原因だと思っている。

 

 

 

キャブレター内部の部品4基分


                

 

 

 

スロットルボディを引き出す



 

 

 

一見して外れないように見えるがニードルホルダーを抜けばスロットルボディは簡単に外れる。

 

キャブレター本体との間のOリングが劣化してしまうと他の部分に問題が無くてもシリンダーに余計な燃料が流れ込む事になる。

 

純正部品の品番は「13278-47090」。

 

純正部品でなくてもOリングを扱う店へ行けば手に入る部品だが、問題はこのOリングがパーツリストに記載されていない事だ。

 

 

 

外したスロットルボディとニードルホルダー


         

 

 

 

Oリングは劣化と硬化が激しかった



 

 

 

当然の事だがキャブレターをメンテナンスしている時にエンジンは動いていない。

 

ピストンが動き出して初めてキャブレターも機能し始める。

 

吸い上げた燃料をシリンダーに供給する過程でこのOリングがしっかりと機能していなければ余計な燃料がシリンダーに入る事になる。

 

おそらく前のオーナーもこのキャブレターに手を焼いてプラグや他のOリングなどを替えたようだがスロットルボディを外して見る事は無かったようだ。

 

 

さらパイロットホルダーと呼ばれる部分もなぜかパーツリストに載っていない。

 

メーカーとしては「開けるな」と言いたい部分なのかも知れない。

 

それでも内部に詰まりがあったり、あるいは古いガソリンや水が残っている可能性もあるので当然開けてみた。

 

パーツリストに載っていないくらいなので確実に出荷時に戻すために取り付ける位置をマーキングしてから。

 

キャップに付いているOリングも劣化が激しい。

 

 

 

取り付け位置をマーキングしてから


              

 

 

 

内部はやはり・・・



 

 

 

昨夜の事だが日付の変わる頃に『樵の巨匠』からメールが届いた。

 

「飲みながらやってます」って、もちろんTY175の再生作業だ。

 

フレームなどの主要な部分はシルバーに塗装し、アルミ地の部分は磨き出し。

 

近々にエンジンを載せるらしい。

 

 

 

ここってガレージじゃなくて仕事場だべ?


          

 

 

 

どこもかしこもギンギンギラギラ



 

 

 

『樵の巨匠』だけでなく林道チームは近々に今年最後のツーリングを計画しているらしいが、紅葉が里に下りて来るスピードは驚くほど速い。

 

そして霜が降り、道端の水たまりに薄氷が張る。

 

川原で冷たい蕎麦を啜った頃とは勝手が違う。

 

湯気の立つラーメンでも用意してもらえるなら、その時間だけ参加してみたいものだ。