牛歩

憧 憬 の 轍

 

2023121日 牛歩

 

真冬日がもたらした雪はその後の春を思わせるような陽気でほとんどが溶けてしまった。

2週間予報によれば、しばらくの間は冬日が続くが降雪量は多くなさそうだ。

記録的な寒波が続いた昨冬に比べて過ごしやすい。

北日本を縦に走る山々のせいで天気は太平洋側と日本海側とでは大きく違う。

時に真逆な事もある。

能登半島周辺の地域でもこの冬が“優しい冬”であってほしい。

 

 

 

VMX12の事を書くようになってから後輪のギヤボックスを何度か「デファレンシャル」と書いて来た。

しかし「デファレンシャル」は差動歯車の事でバイクの場合、対になる車輪が無いのだからデファレンシャルと呼ぶのは間違いだった。

正しくは「ベベルギヤケース」とか「ベベルギヤボックス」と言うべきだった。

改めてアメリカ仕様パーツリストを見ると「Rear Axle Gear Case」。

どこにも「Differential」とは書かれていない。

 

今後は「ベベルギヤケース」と呼ぶ事にした


        

 

パーツリスト 正しくベベルギヤケース



 

ダミータンク上にあるインジケーターのタコメータースピードメーターの横に移し、タコメーターがあった場所に燃料計を取り付ける事を考えている。

VMX12のタンクに付いているセンダーユニットは給油を指示する赤ランプを点灯させるためのものでしかない。

タンク内の燃料の残量を把握するために用意したセンダーユニットはHONDAの古いスクーターからタンクごと外したものだ。

このセンダーユニットを使うためにはタンクに穴をあけ、新しいガスケットを用意しなければならない。

 

これを流用する


                          

 

35番が純正のセンダーユニットだが・・・



 

タコメータースピードメーターの横に取り付けるためのステープレートを作った。

様々考えたがステムのカバーを留めているボルト以外に適当な固定位置が見当たらない。

スピードメーターの両脇にメーターを追加するためのプレートも売られているが、購買意欲をそそるような値段ではなかった。

こんな時はアルミ板から切り出して・・・。

ダミータンク上のインジケーターよりは見やすい位置だがステムのカバーも少々加工が必要だ。

 

ステーはまだ試作段階 


                    

 

バイザーとの取り合いも考えて



 

古いシート地はところどころが綻び、経年劣化による硬化で表面はツルツルだった。

3分割なのでそう難しくないだろうとタカを括っていたが、曲面のきつい部分は指が痙攣しそうになる。

ストーブの前で生地を温めながら張ったが、夏には修正が必要になるだろう。

 

古いシート地 少々カビ臭い


                  

 

新しいシートは気持ちいい



 

予定としてはこの週末からKSR-Ⅱの再生に取り掛かるはずだった。

遅々として進まない『若葉マークのS🔰』のSUZUKI BANDIT250を別室(待合室とも言う)に移動し、さらにVMX12も移動させなければ今後の作業に影響する。

さらに昨夜は『サンちゃん』ことS氏が7年の歳月を費やしてレストアした住宅での特別例会もあった。

予定はいつも未定でアクシデント続きだが、そんな事も楽しめるだけの心の余裕を持ちたい。

所詮は趣味であって仕事じゃないんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

編集長のおまけだよ♬

サンちゃんほんとにお世話になりました~

ありがと~ございました!

 

 

 

  

 

 

  

  

 

 

 

 

用意周到

憧 憬 の 轍

 

2023114日 用意周到

 

1月もすでに半ばだが雪が少ない。

昨冬のような記録的寒波が続くことも無く、今のところ過ごしやすい冬と言えるだろ

う。

次の週末は二十四節気大寒を迎える。

例年であればその頃から2月にかけて最も冷え込み、降雪量も増える時期だ。

そして春を目前にしてドカ雪が降る。

正月早々に大地震に見舞われた北陸地方も東北地方と同じく雪の多い地域と聞いている。

普段ならいつもの事と言える量の雪も被災地にとっては人命に係わる事になる。

これまでも大きな災害が起きる度に自衛隊は活躍して来た。

しかし自衛隊は本来、災害時に出動するための組織ではない。

アメリカのFEMAアメリカ合衆国緊急事態管理庁)のような組織の必要性が何度も声高に語られながらも実質的な動きはない。

 

 

 

この週末の目的はVMX12の作業を一段落させてKSR-Ⅱの再生作業の準備に取り掛かる事だ。

一度組み直した足回りの締め付けトルクやブレーキの作動状況なども再確認。

さらに「転ばぬ先の杖」にはならないとは思いながらもエンジンガードを取り付ける事にした。

走っていてブッ転んだ時には何の役にも立たなさそうだが、いわゆる「立ゴケ」した時には少しだけ役に立ちそうだ。

ところがエンジンハガーのプレートは社外品で、取り付けられているブレースと共にフレームの剛性向上を目的としたもののようだ。

 

フレームのブレースとエンジンハガーのプレート


      

 

エンジンガードを仮合わせ



 

センタースタンドを跳ね上げる度にエギゾーストパイプにぶつかる。

純正マフラーならチャンバー部分に受けがあるのだが社外品には付いていない。

汎用のアングルを使って受けを作ってみたが少々強度不足のようだ。

後日補強するか作り直すか・・・。

それにしてもセンタースタンドがうまく立てられない。

確かに車重の問題もあるがコツが掴めない。

出かけ先でセンタースタンドを使う事はまずないだろがメンテナンス時は無くてはならない。

クルマ用のスタック時に使うヘルパー使ってみたりしているが今ひとつうまく行かない。

 

後日、作り直しかな・・・


                     

 

特訓あるのみ



 

いつの間にかVMX12に完全にハマってしまった。

当面の目的は7月を目途にした車検取得だが、乗る以上はやっておきたい事がある。

キャブレターのオーバーホールやエンジン外装の補修、再塗装はもちろんだが、ダミータンク上のインジケーターにあるタコメータースピードメーターの横に移設する事、さらにインジケーターのタコメーターは燃料計に換装する事だ。

燃料タンクに穴を開けてセンダーユニットを取り付ける事やタンデムシートを燃料の補助タンクに作り変えるとか・・・。

そんな事を考えながら新しいシート地のたたみ皺を伸ばすために仮留めした。

 

タコメータースピードメーターの横に


            

シートも張り直しの準備

 

不思議なくらいに作業はほぼ予定通りに進んでいる。

次の週末からVMX12を一段落しKSR-Ⅱの作業も始めるつもりなので、まずはアタマを切り替える事から始めなければならない。

 

 

明日からの真冬日の予報も気にかかるところだが昨冬のように長く続くものでは無いらしい。

1月も後半、ついに2月に向けて冬本番かと身構えていると、沖縄からは桜の便りが届いた。

 

 

 

閑話休題 課題

冒頭、日本にもアメリカのFEMAのような組織が必要ではないかと書いた。

仮に設立したとして、まず問題になるのはその運営財源だろう。

さらに仮にだが、国会議員のセンセイ方が毎月貰っている「調査研究広報滞在費」を充てればとりあえず十分ではないかと考えるのは私だけだろうか? 

「調査研究広報滞在費」は1993年までは「文書通信交通滞在費」の名目で月額100万円、名称を改めてからも支給額は変わっていない。

単純計算で月額100万円なら年額1,200万円だ。

歳費と合算して振り込まれ、公開や報告の義務はない。

使途を明らかにせずに1,200万円使うことが出来る、と言えば少々乱暴な言い方になるかもしれないが、おおよそ一般的な庶民の感覚からかけ離れている。

公職選挙法により衆議院は465人、参議院は248人が定数と定められている。

両院合わせて713人×1,200万円=・・・,・・・万円?  

災害大国日本とは言え毎日災害が起きている訳ではないのだから、これを財源にすれば日本版FEMAの運営は十分に可能なはずだ。

 

愚直なまでに

憧 憬 の 轍

 

202317日 愚直なまでに

 

冬としては暖かい日が続いている。

朝方の最低気温こそ氷点下だが真冬日の予報は2週間後までない。

加えて雪も少ない。

もちろんこのまま春が来るとは思っていないが、昨冬に比べれば今のところ楽だと言えるだろう。

 

新聞やテレビのニュースは年明け早々に起きた地震羽田空港の事故の続報ばかりだ。

長く続いている余震の規模が大きい事が気がかりだ。

そんな状況でも珠洲市の倒壊した住宅から124時間ぶりで90歳代の女性が救出された。

死者数が増えている中、確かにそれは運もあるかも知れないが、それだけではないような気もする。

 

業種や仕事の形態にもよるが一般的には明日の「成人の日」まで3連休。

「成人の日」が1月の第2月曜日と制定されて以来、この日までがいわゆる「正月休み」の感が否めない。もちろん業種や仕事の形態によるが。

 

 

 

 

『編集長』はピストンリング交換を目的にZEPHYRχのシリンダーまで解体し、ピストンもバルブも外して現状を確認中だ。

ピストンに首振りの形跡は見られず、バルブもカーボンを除去すれば問題なさそうだ。

バルブのシムに関しては今後測定し直すらしい。

休みの内の許された時間にやれるだけの事をやろうとしていた。

 

外したバルブは整理してカーボン落としの準備



シリンダーヘッドも洗浄の準備

 

 

正月休みとは言え、アメリカのカレンダーも関係する仕事をしている者としては2日以降、電話が鳴る度に相手が「Hello」と言わない事を祈りながら「OHMACHI BASE」に出勤している。

 

VMX12の作業はほぼ予定通りだ。

足回りのメンテナンスやフレームの一部の錆を処理してリフトから降ろす準備を進めた。

鉄製のスイングアームの塗装下に広がった錆やアルミ製のデファレンシャルの腐食をサンドブラストし再塗装したが、気温の低さのせいか塗料の硬化が遅い。

手で軽く触るくらいなら問題は無いが硬化しきっていない。

今日中に後輪まで組んでリフトから降ろしたかった。

 

 

結局全面をサンドブラストしたスイングアーム

 

仮組してヒーターの前で塗料の硬化促進

 

塗料の硬化を待つ間にフレームのピボット周辺の発生した錆の処理。

完全に処理するためにはエンジンをはじめ多くの部品を外し、フレームを単体にしなければならない。

当面の目的は足回りのメンテナンスを終わらせ、場所を移動してからキャブレターやエンジン外装に手を付ける事なので、ピボット周りの錆に手を付けた。

浮いている錆や塗装面を持ち上げているような部分をリューターで落とし、POR15を塗った。

 

致命的な状態になる前に


                    

 

POR15を塗ったピボット周り(右側)



 

スイングアームは過剰なまでにゴツく作られているが重量的には扱いやすい。

右後部を一時的に紐で吊ってピボットのボルトを入れる。

微調整は後回し、続いてデファレンシャル。

これが重い。

さらにドライブシャフトのスプラインを合わせて差し込む作業は手探りに近い。

デファレンシャルをジャッキで持ち上げながら何とか収めた。

 

スイングアームだけなら難しくないが・・・


           

 

デファレンシャルを組んでタイヤを仮組



 

リアブレーキを組む準備中 


                  

 

3週間ぶりにリフトから降ろした



 

東京・豊洲市場の初セリで、今年も一番マグロは大間で水揚げされたクロマグロ、238㎏で1億1424万円の値が付いた。

このVMX12は乾燥重量265㎏なのでマグロなら1億3000万円くらいか? 

まぁ、冗談はさておいて一連の作業でのボルトやナットの締め付けトルクの再確認もしなければならない。

 

夕刻、空を見て少しだけ日が長くなったと思った。

道のりは長いのか遠いのか

憧 憬 の 轍

 

202315日 道のりは長いのか遠いのか

 

1日に石川県能登地方で発生した大地震から4日。

生存率が急激に低下すると言われる72時間を時間すでに過ぎた現地では切迫した状況下で救助活動が続けられている。

停電や断水、そして寒さ。

陸路が寸断された事によって滞る物流。

そんな中でも立ち止まる事など許されない時間が流れている。

 

 

 

 

VMX12のスイングアームやデファレンシャルを塗装。

下塗りの塗料の硬化を待つ間に『編集長』のガレージを覗いて見ると、KAWASAKI ZEPHYRχのピストンリング交換をはじめとしたエンジン腰上のメンテナンスが着々と進められていた。

シリンダーヘッドを外す前にカムシャフトとシムの間隙を確認中だった。

 

ヘッドカバーをパッカーン!


                  

 

間隙を確認中の『編集長』



 

既に用意してある新しい部品


                  

外した腰上の部品

 

 

外したてのカムシャフトやピストン


               

まずはカーボン除去からですね



 

KAWASAKIの伝統とも言えるDOHC2バルブエンジンは排気量399ccで46psだったが1996年、Z系エンジン初の4バルブ化によって最高出力は53psを得た。

実走行距離約50,000㎞。

これまでシリンダーにまで手が付けられた形跡はない。

ピストンやバルブに堆積したカーボンは決して多くない。

またシリンダーヘッド内部のオイルスラッジも少なく、オイルにも気を遣って来た事が覗える。

カムやピストン側面に気になる傷やスレは見当たらないが、はっきりした事はまだ何ひとつ言えない。

 

 

一方、脳ミソが水平対向状態になっている『樵の巨匠』も集めた中古部品を前に仮組を繰り返している。

十分に使えるような物もあれば傷んでいるものもある。

そればかりか合わないものもある。

 

リアブレーキのスイッチが・・・?


                

 

このレバーは曲がっているのか・・・?



 

これまで国産車ばかりをレストアして来た。

国産4社に関してはある程度は納まりに共通点のようなものがある気がするが、外車は考え方も基準もまったく違う。

以前、『大魔人・O氏』のDUCATI 900ssの電装系やメーター類の交換を手伝った事があった。

各部の造りが国産車と全く違う事に驚いた事を思い出した。

ある意味このBMWも同様で、さらにマイナーチェンジを繰り返していた時代の車両のため作業は迷路を手探りで歩いているようなものだ。

例えばダブルディスクのフロントブレーキ、マスターシリンダーから伸びるホースを分岐するセパレーターがフュエルタンクの下に付くなんて予想もしなかった。

 

こんな納まりになるとは予想もしなかった


           

 

セパレーターはタンクの下



 

探している部品がメーカー欠品だったり純正部品があまりに高価な場合、当然だが中古部品を漁る事になる。

その結果、必要な部品だけでなく周辺の部品が一緒に手に入る事は珍しくない。

まったく使いモノにならないゴミのような部品まで送られて来たり、ありがたいオマケが付いて来たりする事もある。

かなりマニアックな知識がない限りオークションサイトに掲載された写真だけから的確な判断をする事は難しい。

それでもパーツリストのイラストや取り付け位置の寸法などをもとに部品を集めるしかない。

親切に解説されたマニュアルがあれば助かるがBMWの場合、和訳された物は多くなく、さらに高価なものばかりだ。

 

ブレーキキャリパー


                        

これもブレーキキャリパー

 

さらにブレーキキャリパー 


                   

こんなモノはゴミでしょ

 

 

『樵の巨匠』のガレージから「OHMACHI BASE」に戻り作業の後片付けをしながらFMラジオのニュースで能登地方の地震羽田空港の事故の続報を聴いた。

航空機事故に関しては乗客乗員とも全員無事だった事が海外のニュースでも奇跡的と報じられているらしい。

しかし地震の犠牲者の数は今朝のニュースで聴いた数よりも増え、安否不明者の数から今後さらに増える事が予想された。

 

 

 

 

年明け早々

憧 憬 の 轍

202413日 年明け早々

 

新しい年を迎え、「明けましておめでとうございます」と御挨拶しなければならないのだが、1日の午後4時過ぎに石川・能登地方で起きた大地震は最大震度7を観測し、日本海側の広範囲に大津波警報や注意報が発令された。

日付が変わっても震度3~5レベルの余震が続いている。

震源地が陸地に近かったせいか、東日本大震災の時のような大津波は今のところ観測されていない。

自身の経験としては昭和43年(1968年) 5月の十勝沖地震は震度5(当時の基準)を観測し、沿岸部では津波の被害もあった。

停電、断水、長く続く余震に夜も眠れなかった記憶は50年以上前の事でも未だに生々しい。

そして東日本大震災、今後も大地震を経験する事になるかもしれない。

さらに2日、羽田空港で起きた航空機の衝突事故。

年明け早々に痛ましいニュースが続き、不安な正月だ。

 

 

 

 

一応人並みに年末年始休暇な訳だが、どこかへ出かける予定もない。

必然的に「OHMACHI BASE」でVMX12作業再開だ。

まずは仮組のままだったフロントフォークから。

オイルを入れてから数日過ぎているので気泡も抜けているはずだ。

既定のオイル量は621cc、油面高123㎜。油面高を測る専用の道具がある事は知っているが持っていない。

これまでと同様に「さしがね(曲尺とも言う)」で測る。

 

道具はこれで十分


                        

 

もう1㎜!



 

前輪にアクセルシャフトを通す前にスピードメーターギヤのグリスを入れ替えた。

量的にも少なかったし、2種類のグリスが使われていた。

 

グリスの入れ替え


                         

 

古いグリスは除去し洗浄



 

スピードメーターのケーブルも中を洗浄して注油。

ブレーキキャリパーを戻して作業は一段落だ。

前輪に続いて後輪。

ホイールのベアリングなどは交換の必要がない事を確認してある。

ピボットのボルトを外し、スイングアームはデファレンシャルを付けたまま抜き出した。

さすがに重い。

デファレンシャルケースはアルミだがスイングアームは鉄製。

どちらも錆や腐食が塗装の下に広がっている。

 

外したリアセクション


                       

 

スイングアームの錆



 

スイングアームの錆は溶接部分の周辺だけだと思っていたが塗装被膜の下でほぼ全面に広がっていた。

さらに塗装被膜が硬く厚めなので手強い。

剥離剤を使おうと思ったがかなり強力なものが必要なので地道にサンドブラストしてみた。

デファレンシャルを切り離して何とかブラスターに入れたが余裕のある作業ではなかった。

結局ほぼ全面をブラストする事になってしまい、静電気によって体は細かな埃だらけだ。

デファレンシャルはドライブシャフトを抜いてサンドブラストする事を考えていたが特殊なオイルシールが使われていた。

オイルシールの状態も悪くないし、今からこれを手配していたのでは予定が大幅に狂ってしまう。

ドライブシャフトを外さないままブラスターに入れたがスイングアーム同様に余裕のない作業になってしまった。

 

特殊なオイルシールが使われているデファレンシャル 


 

 

切り離したデファレンシャルは「カブト蟹」みたいだ・・・



 

今さら「エライものに手を付けてしまった・・・」と後悔しても始まらない。

十分すぎるくらい予想していた事だし、事実楽しんでいる。次の週末には後輪も組んでリフトから降ろす予定は変わっていない。

 

 

 

 

阪神淡路大震災熊本地震だけでなく、台風や大雨などの数多くの天災を経験しながらもそれぞれの地域は立ち直って来た。

今はまだ災害の全容が分からないが季節はこれから最も寒い時期に向かう。

これ以上被害が拡大しない事を願うばかりだ。

自衛隊や政府の援助だけでなく、もうすぐ多くのボランティアが駆けつけてくれるだろう。

復興の立役者はいつも名もなき人たちだ。

今あらためて新年の挨拶に代えた最大のエールを被災地に送ろうと思う。

 

 

春に向かって

憧 憬 の 轍

 

20231228日 春に向かって

 

テレビで一年を振り返る番組を観ていた。

暗いニュースばかりではなかったが明るい話題が霞んでしまうくらい暗い話題が多かったような気がした。

いわゆる御用納めなのだが仕事の都合上アメリカのカレンダーも見なければならないので、明日からの年末年始休暇も電話1本で緊急出動となるかもしれない。

そんな状態にはもう慣れっこだが携帯電話など無ければいいと思うのがこの時期だ。

 

 

 

週末ごとに賑やかな作業場=「OHMACHI BASE」で作業中のまま年を越すのはVMX12だけではない。

『スポカブ・ブラザース(弟)』のHONDA clubman GB250は外装を再塗装する準備が進んでいる。

『若葉マークのS🔰』のSUZUKI BANDIT250は遅々として作業が進んでいない。

 

GB250のタンク この工程が重要


                

 

サイドカバーは樹脂製



 

『樵の巨匠』のガレージではBMW R1000RSの再生作業がとりあえず順調のようだ。

毎晩のようにLINEに部品の写真を挙げているが、年式によって細部が異なったり必要な部品がなかなか見つからなかったり。

CLYMERのマニュアル(もちろんEnglish!)を読み、海外のサイトからパーツリストをダウンロードして純正部品の見積もりを取ってみるとブッ飛びそうな値段! 

中古部品を探す長期戦覚悟の再生作業だ。

 

エンジンを載せる準備?


                    

 

センタースタンドの仮合わせと加工



 

考えてみればバイクに水平対向型のエンジンを採用しているのはBMWだけだ。

傍らにあるR1100RSもそうだがエンジンだけでなくどこもかしこも独特な造りが成されている。

例えばマフラーフランジをシリンダーヘッドに取り付ける部分はネジ込み式に作られていて専用工具が必要だ。

アクセルのワイヤーは巻き取り式ではなくホルダー内部に細かいチェーンが使われている。

そんな独自の方法は世界のBMWと言えども様々な試行錯誤を重ねて来た証かもしれない。

 

工具だけ見ても用途が分からない


              

 

フランジを回すためだけの工具



 

チェーンが使われているアクセル


               

 

ある意味で複雑な機構だ



 

 

『編集長』も自宅のガレージでKAWASAKI ZEPHYRχのピストンリング交換に向けた準備を始めていた。

キャブレターの外し方を忘れた・・・、などと言っているがマニュアルを読み返す時間は無駄な時間ではない。

雪と凍結した路面でバイクに乗ることが出来ない季節だからこそメンテナンスに勤しむ。

ある意味でこれもひとつの冬の楽しみ方だ。

また『悪友のKEN』 は相棒の『JAZZのタカ(自称)』の伝手で手に入れたKAWASAKI ELIMINATOR400を寒いガレージで凍えながら修理しているようだが、既に別なバイクが気になっているらしい。

 

 

長期予報では暖冬と言われているこの冬だが、真冬日冬日が続くと日差しを感じられる日や風の無い日がありがたい。

冬なのだから寒さは仕方ないとしても大雪が降らない事を願うばかりだ。

今年も残すところ3日。

また1年が過ぎる。

この分だと来年もまた週末ごとにこのBlogの原稿を書きながら過ごす事になりそうだ。

いつも思っている事だが、個人的主観と独断に満ちた事を書きたいように書かせてくれている『編集長』をはじめ、話題を提供してくれる「OHMACHI BASE」のメンバーに感謝しなければならない。

 

 

 

本年もお世話になりました。

そろそろライターを卒業させて頂こうと考えていましたが、それは許されそうにないので2024年もよろしくお願いします。

 

 

一陽来復、そして一陽来福

憧 憬 の 轍

 

20231224日 一陽来復、そして一陽来福

 

まだ冬は始まったばかりだと言うのにテレビのニュースは盛んに「今季最強クラスの寒波の到来」を報じている。

これまでに雪が生活に支障をきたす事が少なかった地域にまとまった量の雪が降ったり、雪には慣れているはずの地域でも一度に大量の雪が降ったりしているのは確かだ。

ここ数年、雪の降り方が変わったような気がする。

毎日深々と降り積もるのではなく1ヶ月分の量が1日か2日で降ってしまう。

それは春から夏に向かって徐々に暖かくなるのではなく、ある日を境に突然暑くなる夏の気候にも似ている。

異常気象や温暖化の影響が声高に語られるようになって久しいが、原因が何であっても自然には抗えない。

 

 

 

VMX12のタイヤ交換。

CLYMERのマニュアルにはタイヤレバーで脱着するイラストが載っているが、そんな事はやってみようとも思わない。

隣町の懇意にしているバイク屋に持ち込んで、もちろん機械で交換した。

それにしてもキャストホイールなのにこの重さは何だ? 

特に後輪なんてトラックのタイヤと見紛うばかりのボリュームだ。

もう少し軽く出来るデザインを考えなかったんだべか? 

強度に関係無いような部分を切り取るとか穴を開けるとかも出来そうだが、そんな改造をした話は聞いた事が無い。

古いカタログにはエンジンの写真と共に「魔神 machine」のコピーがある。

やはり「さわらぬ神に祟りなし」だ。

 

毎度お世話になっております


                 

 

魔神様でごぜぇますじゃ~ (画像は借り物です)



 

ディスクローターの錆も気になっていたので外して錆を落とし、さらに部分的に塗装した。

ボルトには緩み止めのロック剤が使われている。

古いロック剤をタップとダイスを使って落としてから取り付けたのは当然として、年式によって指定されている締め付けトルクが違うのはフロントフォークが大径化されたためらしい。

その他にも年式によって指定値が違う部分は少なくない。

 

ボルトに残っているロック剤を除去


              

 

ホイール側も同じく



 

車輪を外した状態でリフトに載せているのでこの状態でフロントフォークやスイングアームなど、リアサスペンションまでメンテナンスを済ませる事にした。

主要なボルトやナットにマーキングがあるだけでなく、アクセルシャフトやハブに残っているグリスが比較的新しい事などから、前回の車検の際に信頼のおける所で整備したのだろうと思った。

『YSP SAPPORO-NISHI』のキーホルダーはその時のものかも知れない。

そこでまずはフロントフォークから。

エアアシストバルブの付いたトップボルトはカバーで覆われている。

スイングアームのピボット部分にしてもハンドルクランプのボルトにしてもカバーやプラグが付いている。

これこそがYAMAHAの流儀なのか?

フロントフォークからフルードを排出してみると透明感があり、汚れは少なかったが量的にかなり少なかった。

またオイルシールに漏れはなく、交換されてから長い時間が経っていないようなので、ボトムケース内部を洗浄して組み直した。

 

汚れは少ないが量が足りない


                 

オイルシールの状態は良好

 

フロントフォークを車体に戻し、ブレーキキャリパーを取り付ける前にブレーキパッドの残量を測ってみた。

前後輪共に約5㎜、使用限界まで約4㎜。

ほぼ新品に近い状態だった。

 

前輪ブレーキ 


                          

後輪ブレーキ

 

フロントフォークは仮組まで 


                  

この状態で年を越す事になりそう



 

次の週末は大晦日だ。

既に年末年始休暇の中なので仕事の事は気にせず作業が出来る。

休暇中にスイングアームのメンテナンスまで終える事を考えている。

もちろんキャブレターやエンジン本体の外装など、手を入れたい部分は残るがVMX12を一度リフトから降ろして、その後はKSR-Ⅱの再生に取り掛かろうと思っている。

 

 

クリスマスイブ。

いわゆるコロナ渦前の街中に見かけた“クリスマス色”が今年は少ない。

様々な制限が無くなって以前にも増して活気づくだろうと思っていたのに・・・。

その一方でCOVID19やインフルエンザの感染者が増えていると言う。

一時期ほどその数が話題に上る事は少なくなったが、人類はウイルスを根絶した訳ではない。

やはりこの4年の間に多くの事が変わった、変えられてしまったのだと思った。