憧 憬 の 轍
2017年12月3日 雪虫を探して
師走。 すなわち12月。 もうすぐ今年も終わる。
そしてまた新しい年が始まる。
だからと言って何かが劇的に変わるわけではない。
連綿と繰り返される季節の連鎖。 途切れることのない時間。
区切りとか節目とか、あるいは転機とか、そんなことも考えてみたくなる季節だ。
今年も雪虫を見ていない。
連日の夜間作業でCB93のエンジン解体作業はほぼ完了。
「プロジェクトC92-R」はこの先が長い、
いや先が見えていない計画なので本来のスケジュール通り
編集長のCS90のエンジンを載せ直す。
エンジンを載せる前に忘れてはならないのはステムとスイングアームのメンテナンスだ。
車体が軽いうちに済ませてからエンジンを載せたい。
予想通りステムはグリスがほぼ固形化していた。
ベアリングレースに打痕はなかったので
ボールを洗浄して新しいグリスと共に組み直す。
スイングアームのピボットもグリスを入れ直して終了。
チェーンも洗浄後に注油しておいたが
昔のノンシールチェーンなので近々に交換した方がいいかもしれない。
古いグリスは固形状態
幸いにレースに打痕は無い
グリスを入れ直してステムも組み直す
エンジン搭載!
エンジンを載せるにあたりバルブクリアランスは取り直しておいたが、
シリンダーヘッドのボルトは締め切っていなかった。
マニュアルに規定値は記されていない。
「圧縮漏れがない程度」と書かれているだけだ。
ポイントのクリアランスを取り直し、
充電済のバッテリーをつなぎ、
朝一番に入れたオイルの滲みや漏れがない事を確認する。
新しいプラグを用意したかったがNGKのD6HWに相当するプラグは
近所のバイク屋にも無く、
古いプラグを磨き直して再始動を試みることになった。
ところがこの時点で、大きな「単純ミス」を犯していたことに気付いていなかった。
“圧縮上死点の直前でプラグが発火する”。
要するに点火タイミングが180°ズレていた。
原因はポイントガバナーをグリスアップした時にズラして組んでしまった訳だ。
そういえば編集長に進角機能を物知り顔で説明しながら組み直した記憶がある。
そうだ、あの時だ!
それが分かるまでに約3時間、
カムシャフトを外してみたりクランクシャフトからACGローターを外してみたり、
手はオイルとグリスにまみれて写真なんて撮る余裕はなかった!!!
昼過ぎには終わっているはずだったエンジンの始動は外が薄暗くなった頃だった。
作業に付き合ってくれた92ブラザース(弟)も
『林道2号』もキックレバーを踏んだ瞬間に感じる圧縮に納得だ。
無事エンジンが始動して一安心。
オーナーの編集長はPTAだとか家庭の事情だとかでおそらく今日は作業場に来ない。
見られたくない作業を山ほどしてしまったので
「左コーナー専用ステップ」の修正過程についても書くことにする。
出来ることなら写真は公開したくなかったが『林道2号』はヘタクソな写真撮るし、
休みで暇を持て余していた2st将軍もこの種の作業が好きなようで・・・。
二人はほとんど酒を飲まないが、
もしこれが他のメンバーだったら間違いなく酒が出てきそうな盛り上がり方だ。
二人とも根本的に性格が2stだった。
真っ赤になるまで熱したステップを万力にかける
そしてまた熱して・・・ この繰り返し
修理完了です! 来週末は何があろうと試乗会だそうですよ、編集長
年末年始の休みが楽しみですねって、
誰だ、そんなこと言っているのは!?
温泉や冬キャンプ行きてぇ~。