もうすぐ暖かくなると信じて

憧 憬 の 轍

 

20232月5日 もうすぐ暖かくなると信じて

 

北日本では1年の内で最も寒いと言われる2月だが、今季最強と言われた寒波が去っても窓の外は雪景色。

 

まだまだ春は遠い。

 

日本海で発生した爆弾低気圧の影響は太平洋側にも及んでいる。

 

5月からは感染症法の位置付けが5類に移行されるCOVIT19の新規感染者は減少傾向と言われるが、死者数は依然として高水準にある。

 

行動制限の緩和が進む中、不安を拭い切れないままの収束ムードが漂っている。

 

 

 

 

暦の上では昨日から春だ。

 

雪が溶け次第に試運転を目指すバイクの修理に朝から忙しい。

 

実質的な作業はドライブチェーンを残すのみとなった『編集長』のCB400SFは別室に移動したが、タンクなどの補修や塗装については思案中。

 

先週まで『編集長』が使っていたスペースで『スポカブ・ブラザース(弟)』がCB50改のエンジンを組み直す作業を始めた。

 

発注した数々の部品の点検を終えてクランクケースに新しいベアリングを入れ、ミッションの仮組、さらにはバルブの擦り合わせなど、一気に組み上げる準備だ。

 

 

 

 

まずはベアリングを入れて


                   

 

 

 

シフトドラムと格闘中



 

 

 

このCB50改のクランクケースは左右に分割するタイプなので、ミッションをどちらか片側に組み込んでから反対側のクランクケースを合わせる。

 

メイン及びカウンターシャフトとシフトドラムやフォークの位置関係が狂っているとケースを合わせることが出来ない。

 

上下分割のタイプに比べ難しい作業だ。

 

力任せにハンマーでブッ叩く・・・、なんて冗談が飛び出すのも経験者ならではの事だが、本当にそれをやってしまうようなヤツもいる。

 

 

 

先週はこんな状態だったがクランクケースは仮組終了 


  

 

 

 

そしてバルブの擦り合わせ



 

 

 

『スポカブ・ブラザース(弟)』を兄弟子、あるいは兄貴分として仰ぐ『若葉マークのS🔰(以後S🔰)』も最近は精力的に作業を進めている。

 

毎回のように宿題を持ち帰り翌週には赤点を貰っているが、それは趣味としてこんな事をしている者たちが何度も経験して来た事だ。

 

相談する相手も無く、失敗によって得た知識ほど貴重なものは無いのかも知れない。

 

 

今日はフロントブレーキのキャリパーをグラスビーズでブラストし、さらに組付ける事が目標だ。

 

初めてのブラスト作業、劣化した黒い塗装を剥がしたアルミ地が鈍く光るのを見て満足げだったが、取り付けてからがひと騒動。

 

ブレーキフルードエア抜き作業は『編集長』や『特攻隊長』も手伝ってのお祭り騒ぎとなった。

 

作業中に今夜の晩酌の肴を試案中の『悪友のKEN』も“口だけ参加”で一時は4人態勢だった。

 

 

 

ブレーキキャリパー ここまでに追試3回


          

 

 

 

エア抜き作業は3人で 



 

 

 

“お祭り騒ぎ”なのは『チャレンジャーのタカシ』も同じで、イタリア娘ことaprilia 240Rのメンテナンス用に作った木製の整備台が話題になっている。

 

センタースタンドの無いTY175のために『樵の巨匠』が2×4の廃材で作った物を参考にしたらしいが、出来栄えは「御神輿」と呼ばれている。さすが建築士

 

 

 

歯科技工士はシンプルな台を作ったが・・・


         

 

 

 

建築士は御神輿だ~



 

 

 

数日前にLINEに掲載された写真は小さく細部まで見えなかったために木組みで作ったのかと思われたが、実物は木ビスと接着剤による“大作”だった。

 

耐荷重の計算とか応力の検討書などと専門的なツッコミを受けながら後輪のブレーキのメンテナンスが始まった。

 

気になっていたブレーキローターの錆はブレーキパッドを覆っていた。

 

 

 

コイツも一種の“お祭り男”なんだべな・・・


          

 

 

 

ブレーキパッドは無残な状態だった



 

 

 

ブレーキキャリパーがアクセルシャフトに固定されている車種は珍しくないが、随所に軽量化のための工夫が見られるのが面白い。

 

しばらく走っていなかったらしいが、保管状態とそれまでのメンテナンスが良かったようで、あえてシールなどの部品を交換する必要もなかった。

 

“お祭り騒ぎ”のせいではないが‘75 CB400FOURの作業は遅々として進んでいない。

 

オイルパンの中に取り付けるストレーナーを忘れていたり、シリンダーヘッドカバーのボルト(同径ながら長さが6種類)に戸惑ったりとマニュアルやパーツリスト、さらには独自にファイルしている資料を見直している。

 

エンジンは一応形になっているがシリンダーヘッドもオイルパンもボルトに規定のトルクをまだかけていない。

 

 

 

なんだかんだと後輪のブレーキ完了


             

 

 

 

一応は形になっただけの‘75 CB400FOURエンジン



 

 

 

閑話休題 悪夢、そしてSpecial Thanks

 

それは1月29日(日曜日)の夜に始まった。

 

突然に自室のFFストーブから警告ブザーが鳴り、リセットを試みても治る気配はない。

 

遅い時間だったので災害時のために用意してある石油ストーブで急場を凌いだ。

 

さらなる悪夢は翌朝、遠隔式のエンジンスターターでクルマにエンジンをかけたはずだったがエンジンは始動していなかった。

 

クルマもスターターも古い物なので「まぁ、こんなモンか・・・」くらいの気持ちで乗り込みキーを差し込んだ。

 

ところがバッテリーが上がるまでスターターを回してもエンジンがかからない。

 

自宅近くの工事現場にいた『特攻隊長』に電話し、動かないクルマの移動を手伝ってもらった。

 

何をやってもエンジンは始動しない。

 

プラグを抜いてみると燃料が届いていないような症状だった。

 

足りない脳ミソで考えられるのはフュエルポンプかインジェクションの故障。

 

フュエルポンプなら自分で何とか出来ると思ったがインジェクションなら・・・。

 

月末のそれなりに忙しい時期に足が無いのは辛い。

 

そこで『林道1号』ことT氏から普段は使っていない軽トラックを借りる事にした。

 

実に快く貸してくれたT氏に、そして忙しい仕事の合間に力を貸してくれた『特攻隊長』には御礼の言葉も見当たらない程に感謝、感謝、感謝。

 

 

中古部品だが動作確認済のフュエルポンプに交換してもABA-H58Aのエンジンは始動しない。

 

フュエルライン、特にストレーナーに溜まった水が凍りついて燃料を遮断しているのではないか・・・、などと考えながらも手に負えないので修理工場に運ぶことになった。

 

この過程でまた『編集長』や『チャレンジャーのタカシ』や『S🔰』の手をも煩わす事になってしまった。

 

あとは近々に届く見積書にかかれる数字が少しでも小さい事を祈るばかり。

 

 

年が明けて早々の事だが、自宅に引き込まれている光ケーブルが滑り落ちる屋根の雪によって切れた。

 

今季最強の寒波の中での出来事だったが、この冬は同様のトラブルが多いらしく、修理には時間を要した。

 

偶然とは言え、こんなにも様々なトラブルが続くと呪いとか祟りとか、普段は鼻で笑っている事さえも考えたくなる。

 

拝めばいいのか、祈ればいいのか・・・。

 

たとえ拝んでも祈っても出費が嵩む事に変わりはない。

 

懐具合を見舞う最強の寒波が続いている。

 

それは「最強」でもあり「最凶」とも言える。