紅葉と日帰り湯治

 

 憧 憬 の 轍

 
 

2018113日 紅葉と日帰り湯治


 

冬が近づくと行きたくなるのがキャンプと温泉。

温泉の近くでキャンプすればいいだけの事だが、

諸般の事情でなかなか出来ない。

いくら行きたくても、さすがに雨混じりの雪の中ではテントを張りたくない。

車を車中泊仕様にすることや、

実際に車中泊した時の荷物や寝床のレイアウトを考えていると

それだけで楽しい。
 
古い型のHONDA FITに乗る事になってからおよそ10ヶ月、

それまでのSTEP WGNに比べると半分以下の容積でも何とかなりそうで、

むしろこんな小型車での車中泊を考える事の方が面白い。

装備を軽量化かつ小型化するのは

登山やバイクツーリングでは常識的な事、

それを車でも考えれば小型車も結構使える道具だ。
 
イメージ 1

こんなものを作ってみた                     


イメージ 2
100円均一で買った物と廃材で・・・
 
 
いつ行けるのかも分からない冬キャンプや

車中泊の準備をするだけで楽しいのは、

これもバイクと同じで一種の「悪い病気」の症状だ。

もちろんつける薬は無い!

イメージ 3
倒した後部座席と助手席の間を埋める           

イメージ 4
身長170㎝までなら寝られる
 
 
こんな道具を作ったところで車中泊に出かける予定は無いが

今日は「文化の日」。

どこかへ出かけたい気持ちで昨夜から考えていたのは、

八甲田山周辺へ最後の紅葉を見に行く事とどこかの温泉での日帰り湯治だった。
 
10月末に朝焼けの蔦沼を見たくて通ったものの満足な景色も見られず、

すでに紅葉の季節は終わっている。

それでも八甲田方面に出かける以上はもう一度立ち寄ってみたい。

結局は3時起床で4時出発。
 

 

日本全国的にはこれからが紅葉真っ盛りの季節なのだろうが、


北海道や北東北では既に見頃を過ぎている。


蔦沼から酸ヶ湯を経て城ヶ倉大橋を渡る。


途中、除雪の跡があり山の上半分は既に冬だった。


そして「中野もみじ山」へ。


かつて津軽のお殿様が京から取り寄せた樹木で作られた庭園なので、


このあたりの野生種とは時期も色も違う景観が見られる。

 

 

 

イメージ 5

 

酸ヶ湯にて 山頂は雪が積もっている            


イメージ 6

冬枯れの城ヶ倉大橋付近


イメージ 7

「中野もみじ山」にて                       


イメージ 8

山の西側なので日が差すのは10時過ぎ

 

 

 

「中野もみじ山」の近くには「温湯」、「黒石」、「板留」と古くからの温泉郷があり、


最近は利用客が激減しているが客舎が数軒残っている。


イメージ 9

飯塚旅館                            


イメージ 10

「こうじや」は屋号だろうか?

 

 

「客舎」と言う呼び名は津軽地方独特のものらしい。


長期滞在する湯治客に部屋と共同の台所を提供する、


いわゆる「自炊宿」だ。


1泊3,000円程度で泊まれるが利用客が少ないため料金は交渉次第。


10年くらい前の事だが2,000円で泊った事がある。


最近では1,000円でも泊めてくれる客舎もあるらしい。


湯治棟を残している温泉宿は多くあるが一般的には6畳一間程度、


4畳半も珍しくない。


それに比べると客舎は8畳程度の部屋も多く、


二間続きの部屋を貸してくれる事もある。


ひと昔前の文化かもしれないが永く残っていてほしいと思う。

 

 


イメージ 11

後藤客舎                             


イメージ 12

盛萬(もりまん)客舎

 

 

客舎の向こうには鉄筋コンクリートのホテルが建っている。


趣向を凝らして誘客に励んでいるが残念ながら温泉街自体に活気は無い。


客舎が湯治客で賑わっていた頃は周辺に飲食店も多くあったようだが、


今ではその面影を残す建物があるだけだ。

 

 

イメージ 13

道すがら庭先で                         


イメージ 14

「枯葉も山の賑わい」ってか?


イメージ 15

猿賀神社にて                           


イメージ 16

岩木山弘南鉄道

 

 

日帰り湯治は昨年の2月以来だった。


「たまにはこんな事もしなけりゃ」みたいな独りよがりの言い訳をしながらも


帰り道で考えていたのはバイクの事だった。


やっぱり、病気だ。


不治の病だ!