Days of CB400FOUR №1

 

Days  of CB400FOUR

(絶版車の再生日記、あるいは貧乏人の旧車再生記録)
 
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№1
 
 
 
 
あの頃・・・。
 
KAWASAKI 350SSは最高出力45馬力にしてクラス最速を誇るスーパーマシンだった。
 
500ccに始まり
 
750cc、
 
350cc、
 
250cc、
 
そして400cc。
 
系譜はKHに受け継がれるが「最速」こそがバイクに与えられた最高の称号であり、
 
「ジャジャ馬」や「曲がらない!止まらない!」
 
などと言った侮蔑的な形容さえも賛辞として受け止められるほどのプライドがMACH-Ⅲにはあった。
 
HONDA CB400FOUR4ストロークで最高出力37馬力。
 
特別に早いバイクではなかった。
 
しかし、そのスタイルと持ち合わせた独特の雰囲気で時代を象徴する存在となった。
 
三十数年の時を経て、そんなCB400FOURを再生することになろうとは夢にも思わなかった。
 
「おぉ400、おまえは風だ」 後に「おぉ400、おまえが好きだ」
 
この有名なコピーが「おまえは風邪だ」にならないようにがんばってみるか・・・
 
20104
 
 
 
 
 
 
 
 
20104月某日
 
‘74年のデビュー当初
 
排気量は408ccだったが
 
’7510月の二輪免許制度改正を受けて
 
後に398ccFourIFourII 追加されるなど
 
当時は人気だけでなく話題にも事欠かなかったCB400FOUR
 
車検証には「0.4ℓ」としか記載されないので
 
8ccは大問題ではなかったはずだが、
 
当時の社会はバイクに対して寛大ではなかった・・・。
 
 
そんなことを思い出しながら、
 
クランクケースから噴出したオイルと
 
埃でエンジンからマフラーにかけて真っ黒になったまま長い間
 
某物置の奥で眠っていたCB400FOURを貰い受けて洗車した
 
 
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  サビだらけ・・・ 4回洗車した        フロントフェンダーが無い

 
 
 
 
 
 
 
 
201055
 
 果たしてこのバイクは、408ccCB400FOURなのか
 
398ccFOUR-I、もしくはFOUR-IIなのか?
 
当時の資料を探し、外見的な特徴を探る。
 
408ccFOURならサイドカバーはタンクと同色で
 
398ccのモデルはタンクの色にかかわらずサイドカバーは黒色だ。
 
赤色のタンクは全モデルに存在した。
 
さらに細かく比較すると、
 
408ccモデルのタンデムステップはスイングアーム付けであることに対し、
 
398ccモデルはフレーム付けだ。
 
ホーンも408ccモデルは黒いプラスチックのカバー付の横向きに対し
 
398ccモデルはカバー無しの前向きであることがカタログの写真から判断できる
 
シリンダーブロックにあるべき排気量の表示は削り落とされている。
 
今の時点では398ccモデルのサイドカバーを付けた408ccモデルとしか言えない。
 
 
 
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 横向きのホーン                 スイングアームに付いたタンデムステップ
 
 
 
 
 
 
 
 
201056
 
408ccモデルと398ccモデルの外見的な違いとして
 
スピードメーターとタンクのフュエルコックの大きさがあるとのことを知る。
 
408ccモデルは190/hスケール(数字は180/hまで)
 
に対し398ccモデルは160/hスケールらしい。
 
フュエルコックは比較対照がないのではっきりしないが、
 
408ccモデルであることはほぼ確実だろう。
 
キーも書類もないので、とりあえずスペアキーをイグニッションのキーシリンダーから作るためにヘッドライト廻りを解体する。
 
タンクのキャップはキー付だが、
 
「昔のホンダのタンクはドライバーでも開く」
 
と言われてやってみると簡単にキャップは開いてしまった。
 
タンクの内部は予想通りの状態。
 
しばらくはスペアキーを作ることと
 
整備マニュアルやパーツリストなどを探しながら
 
レストアの準備をすることにする。
 
 
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   180km/h表示のスピードメーター        タンクの中はサビだらけ
 
 
 
 
 
 
 
2010516
 
左側のサイドカバーを外すと
 
ヒューズホルダーの横に白いプラスチックのパーツがあり
 
何かのホルダーらしい。
 
3本の外されたコードもあり
 
ウインカーリレーか何かが付いていたようだ。
 
さらに左側のジェネレーターケースには
 
派手に転倒した跡があるばかりでなく
 
ハンドルも左側が変形している。
 
エンジン本体とマフラーに絶望的なダメージがなさそうなことがありがたい。
 
コンチネンタルハンドルintoの集合マフラーで発売されること自体
 
当時はセンセーショナルなことだった。
 
MACH-Ⅲでさえノーマルのハンドルは不恰好なアップハンドルだったし
 
時代はセパレートハンドルやカウリングなんて夢のまた夢だった。
 
当時、中型免許で408ccモデルに乗るために
 
わざわざ398ccモデルの黒色のサイドカバーを付けていたと言う話を聞いた。
 
MACH250cc
 
排気量の表示を削り落とした350ccのエンジンを載せていたと言う話を思い出す。
 
この30年でバイク自体も、取りまく環境も大きく変わったと思う。
 
 
 
 
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 左サイドカバー内側           ジェネレーターケースの傷。下部に割れ
 
 
 
 
 
 
 
2010627
 
タンクに残っていた古いガソリンを抜き、
 
洗浄しタンク内部のサビを落とす準備をする。
 
これまでの経験から
 
タンク内部の油分が抜けてからでなければサビは完全に落とせないので
 
温水と中性洗剤で数回洗ったが
 
タンクの底に固形化した油分がなかなか落ちてくれない。
 
さらにタンク上面はかなりサビが進行していて簡単には処理できないようだ。
 
タンク用のサビを処理する薬剤を6回入れ替えて何とか下地処理完了。
 
乾燥後にコーティングを施す。
 
タンクキャップのゴムを換えるついでに
 
キャップの内部も解体しコーティング剤で処理。
 
リベット止めされていたキャップは
 
ステンレス製のボルトとナイロンナットで組み立てた。
 
 
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コーティングを終えたタンク内部        処理前のタンク内部とキャップ
リベットはステンレス製のビスに変更      サビでリベットが見えない
 
 
 
 
 
 
 
 2010年9月21
 
まずはキャブレター。
 
ガチガチに硬くなったインシュレーターから
 
やっとの思いでキャブレターを外す。
 
途端に古いガソリンのにおいが立ち込めた。
 
内部はタンク同様に予想通り。
 
固形化したガソリンやサビ
 
腐食で状態はかなり悪そうだが
 
Oリングやパッキン類の交換だけで復活することを願い
 
掃除に取り掛かる。
 
ビス止めの部分やフロートは比較的に簡単に外れたが
 
メインジェットやフロートバルブは固着が激しく
 
ガソリンやクリーナーに1週間漬け込んだが外れなかったので
 
少量の中性洗剤を溶いた湯で煮込んでやっとの思いで外した。
 
 
その結果
 
Oリング意外は再利用可能のようだが、