年明け早々

憧 憬 の 轍

202413日 年明け早々

 

新しい年を迎え、「明けましておめでとうございます」と御挨拶しなければならないのだが、1日の午後4時過ぎに石川・能登地方で起きた大地震は最大震度7を観測し、日本海側の広範囲に大津波警報や注意報が発令された。

日付が変わっても震度3~5レベルの余震が続いている。

震源地が陸地に近かったせいか、東日本大震災の時のような大津波は今のところ観測されていない。

自身の経験としては昭和43年(1968年) 5月の十勝沖地震は震度5(当時の基準)を観測し、沿岸部では津波の被害もあった。

停電、断水、長く続く余震に夜も眠れなかった記憶は50年以上前の事でも未だに生々しい。

そして東日本大震災、今後も大地震を経験する事になるかもしれない。

さらに2日、羽田空港で起きた航空機の衝突事故。

年明け早々に痛ましいニュースが続き、不安な正月だ。

 

 

 

 

一応人並みに年末年始休暇な訳だが、どこかへ出かける予定もない。

必然的に「OHMACHI BASE」でVMX12作業再開だ。

まずは仮組のままだったフロントフォークから。

オイルを入れてから数日過ぎているので気泡も抜けているはずだ。

既定のオイル量は621cc、油面高123㎜。油面高を測る専用の道具がある事は知っているが持っていない。

これまでと同様に「さしがね(曲尺とも言う)」で測る。

 

道具はこれで十分


                        

 

もう1㎜!



 

前輪にアクセルシャフトを通す前にスピードメーターギヤのグリスを入れ替えた。

量的にも少なかったし、2種類のグリスが使われていた。

 

グリスの入れ替え


                         

 

古いグリスは除去し洗浄



 

スピードメーターのケーブルも中を洗浄して注油。

ブレーキキャリパーを戻して作業は一段落だ。

前輪に続いて後輪。

ホイールのベアリングなどは交換の必要がない事を確認してある。

ピボットのボルトを外し、スイングアームはデファレンシャルを付けたまま抜き出した。

さすがに重い。

デファレンシャルケースはアルミだがスイングアームは鉄製。

どちらも錆や腐食が塗装の下に広がっている。

 

外したリアセクション


                       

 

スイングアームの錆



 

スイングアームの錆は溶接部分の周辺だけだと思っていたが塗装被膜の下でほぼ全面に広がっていた。

さらに塗装被膜が硬く厚めなので手強い。

剥離剤を使おうと思ったがかなり強力なものが必要なので地道にサンドブラストしてみた。

デファレンシャルを切り離して何とかブラスターに入れたが余裕のある作業ではなかった。

結局ほぼ全面をブラストする事になってしまい、静電気によって体は細かな埃だらけだ。

デファレンシャルはドライブシャフトを抜いてサンドブラストする事を考えていたが特殊なオイルシールが使われていた。

オイルシールの状態も悪くないし、今からこれを手配していたのでは予定が大幅に狂ってしまう。

ドライブシャフトを外さないままブラスターに入れたがスイングアーム同様に余裕のない作業になってしまった。

 

特殊なオイルシールが使われているデファレンシャル 


 

 

切り離したデファレンシャルは「カブト蟹」みたいだ・・・



 

今さら「エライものに手を付けてしまった・・・」と後悔しても始まらない。

十分すぎるくらい予想していた事だし、事実楽しんでいる。次の週末には後輪も組んでリフトから降ろす予定は変わっていない。

 

 

 

 

阪神淡路大震災熊本地震だけでなく、台風や大雨などの数多くの天災を経験しながらもそれぞれの地域は立ち直って来た。

今はまだ災害の全容が分からないが季節はこれから最も寒い時期に向かう。

これ以上被害が拡大しない事を願うばかりだ。

自衛隊や政府の援助だけでなく、もうすぐ多くのボランティアが駆けつけてくれるだろう。

復興の立役者はいつも名もなき人たちだ。

今あらためて新年の挨拶に代えた最大のエールを被災地に送ろうと思う。

 

 

春に向かって

憧 憬 の 轍

 

20231228日 春に向かって

 

テレビで一年を振り返る番組を観ていた。

暗いニュースばかりではなかったが明るい話題が霞んでしまうくらい暗い話題が多かったような気がした。

いわゆる御用納めなのだが仕事の都合上アメリカのカレンダーも見なければならないので、明日からの年末年始休暇も電話1本で緊急出動となるかもしれない。

そんな状態にはもう慣れっこだが携帯電話など無ければいいと思うのがこの時期だ。

 

 

 

週末ごとに賑やかな作業場=「OHMACHI BASE」で作業中のまま年を越すのはVMX12だけではない。

『スポカブ・ブラザース(弟)』のHONDA clubman GB250は外装を再塗装する準備が進んでいる。

『若葉マークのS🔰』のSUZUKI BANDIT250は遅々として作業が進んでいない。

 

GB250のタンク この工程が重要


                

 

サイドカバーは樹脂製



 

『樵の巨匠』のガレージではBMW R1000RSの再生作業がとりあえず順調のようだ。

毎晩のようにLINEに部品の写真を挙げているが、年式によって細部が異なったり必要な部品がなかなか見つからなかったり。

CLYMERのマニュアル(もちろんEnglish!)を読み、海外のサイトからパーツリストをダウンロードして純正部品の見積もりを取ってみるとブッ飛びそうな値段! 

中古部品を探す長期戦覚悟の再生作業だ。

 

エンジンを載せる準備?


                    

 

センタースタンドの仮合わせと加工



 

考えてみればバイクに水平対向型のエンジンを採用しているのはBMWだけだ。

傍らにあるR1100RSもそうだがエンジンだけでなくどこもかしこも独特な造りが成されている。

例えばマフラーフランジをシリンダーヘッドに取り付ける部分はネジ込み式に作られていて専用工具が必要だ。

アクセルのワイヤーは巻き取り式ではなくホルダー内部に細かいチェーンが使われている。

そんな独自の方法は世界のBMWと言えども様々な試行錯誤を重ねて来た証かもしれない。

 

工具だけ見ても用途が分からない


              

 

フランジを回すためだけの工具



 

チェーンが使われているアクセル


               

 

ある意味で複雑な機構だ



 

 

『編集長』も自宅のガレージでKAWASAKI ZEPHYRχのピストンリング交換に向けた準備を始めていた。

キャブレターの外し方を忘れた・・・、などと言っているがマニュアルを読み返す時間は無駄な時間ではない。

雪と凍結した路面でバイクに乗ることが出来ない季節だからこそメンテナンスに勤しむ。

ある意味でこれもひとつの冬の楽しみ方だ。

また『悪友のKEN』 は相棒の『JAZZのタカ(自称)』の伝手で手に入れたKAWASAKI ELIMINATOR400を寒いガレージで凍えながら修理しているようだが、既に別なバイクが気になっているらしい。

 

 

長期予報では暖冬と言われているこの冬だが、真冬日冬日が続くと日差しを感じられる日や風の無い日がありがたい。

冬なのだから寒さは仕方ないとしても大雪が降らない事を願うばかりだ。

今年も残すところ3日。

また1年が過ぎる。

この分だと来年もまた週末ごとにこのBlogの原稿を書きながら過ごす事になりそうだ。

いつも思っている事だが、個人的主観と独断に満ちた事を書きたいように書かせてくれている『編集長』をはじめ、話題を提供してくれる「OHMACHI BASE」のメンバーに感謝しなければならない。

 

 

 

本年もお世話になりました。

そろそろライターを卒業させて頂こうと考えていましたが、それは許されそうにないので2024年もよろしくお願いします。

 

 

一陽来復、そして一陽来福

憧 憬 の 轍

 

20231224日 一陽来復、そして一陽来福

 

まだ冬は始まったばかりだと言うのにテレビのニュースは盛んに「今季最強クラスの寒波の到来」を報じている。

これまでに雪が生活に支障をきたす事が少なかった地域にまとまった量の雪が降ったり、雪には慣れているはずの地域でも一度に大量の雪が降ったりしているのは確かだ。

ここ数年、雪の降り方が変わったような気がする。

毎日深々と降り積もるのではなく1ヶ月分の量が1日か2日で降ってしまう。

それは春から夏に向かって徐々に暖かくなるのではなく、ある日を境に突然暑くなる夏の気候にも似ている。

異常気象や温暖化の影響が声高に語られるようになって久しいが、原因が何であっても自然には抗えない。

 

 

 

VMX12のタイヤ交換。

CLYMERのマニュアルにはタイヤレバーで脱着するイラストが載っているが、そんな事はやってみようとも思わない。

隣町の懇意にしているバイク屋に持ち込んで、もちろん機械で交換した。

それにしてもキャストホイールなのにこの重さは何だ? 

特に後輪なんてトラックのタイヤと見紛うばかりのボリュームだ。

もう少し軽く出来るデザインを考えなかったんだべか? 

強度に関係無いような部分を切り取るとか穴を開けるとかも出来そうだが、そんな改造をした話は聞いた事が無い。

古いカタログにはエンジンの写真と共に「魔神 machine」のコピーがある。

やはり「さわらぬ神に祟りなし」だ。

 

毎度お世話になっております


                 

 

魔神様でごぜぇますじゃ~ (画像は借り物です)



 

ディスクローターの錆も気になっていたので外して錆を落とし、さらに部分的に塗装した。

ボルトには緩み止めのロック剤が使われている。

古いロック剤をタップとダイスを使って落としてから取り付けたのは当然として、年式によって指定されている締め付けトルクが違うのはフロントフォークが大径化されたためらしい。

その他にも年式によって指定値が違う部分は少なくない。

 

ボルトに残っているロック剤を除去


              

 

ホイール側も同じく



 

車輪を外した状態でリフトに載せているのでこの状態でフロントフォークやスイングアームなど、リアサスペンションまでメンテナンスを済ませる事にした。

主要なボルトやナットにマーキングがあるだけでなく、アクセルシャフトやハブに残っているグリスが比較的新しい事などから、前回の車検の際に信頼のおける所で整備したのだろうと思った。

『YSP SAPPORO-NISHI』のキーホルダーはその時のものかも知れない。

そこでまずはフロントフォークから。

エアアシストバルブの付いたトップボルトはカバーで覆われている。

スイングアームのピボット部分にしてもハンドルクランプのボルトにしてもカバーやプラグが付いている。

これこそがYAMAHAの流儀なのか?

フロントフォークからフルードを排出してみると透明感があり、汚れは少なかったが量的にかなり少なかった。

またオイルシールに漏れはなく、交換されてから長い時間が経っていないようなので、ボトムケース内部を洗浄して組み直した。

 

汚れは少ないが量が足りない


                 

オイルシールの状態は良好

 

フロントフォークを車体に戻し、ブレーキキャリパーを取り付ける前にブレーキパッドの残量を測ってみた。

前後輪共に約5㎜、使用限界まで約4㎜。

ほぼ新品に近い状態だった。

 

前輪ブレーキ 


                          

後輪ブレーキ

 

フロントフォークは仮組まで 


                  

この状態で年を越す事になりそう



 

次の週末は大晦日だ。

既に年末年始休暇の中なので仕事の事は気にせず作業が出来る。

休暇中にスイングアームのメンテナンスまで終える事を考えている。

もちろんキャブレターやエンジン本体の外装など、手を入れたい部分は残るがVMX12を一度リフトから降ろして、その後はKSR-Ⅱの再生に取り掛かろうと思っている。

 

 

クリスマスイブ。

いわゆるコロナ渦前の街中に見かけた“クリスマス色”が今年は少ない。

様々な制限が無くなって以前にも増して活気づくだろうと思っていたのに・・・。

その一方でCOVID19やインフルエンザの感染者が増えていると言う。

一時期ほどその数が話題に上る事は少なくなったが、人類はウイルスを根絶した訳ではない。

やはりこの4年の間に多くの事が変わった、変えられてしまったのだと思った。

 

 

 

 

段取り8分

憧 憬 の 轍

 

20231217日 段取り8

 

冬型の気圧配置が強まり日本海側では暴風雪警報まで出されている。

明日はさらに冷え込むとの予報もある。

年末にかけて一時的に寒気は緩むようだが、今降っている雪は根雪になるだろう。

今年もついに「待ち遠しい季節」が本格的に始まった。

 

 

 

 

 

注文しておいたタイヤが届いた。発送連絡があったのは前日、運送業界が抱える諸問題の根源はこの速さにあるのかも知れない。

タイヤ交換と同時にブレーキやフロントフォークの状態も確認したいのでVMX12をリフトで持ち上げた。

センタースタンドがあるので2台のジャッキを使う方法もあるが、しばらくはこの状態が続く事になるので、リフトを使った方が安定している。

 

まずはリフトアップ


                        

前輪を外し、続いて後輪

 

いつまでたっても🔰の外れない『若葉マークのS🔰』のSUZUKI BANDIT250の作業は専用工具の誤発注、さらに風邪でダウンしていたために、予定から大幅に遅れている。

すでに路面は凍結しているので「OHMACHI BASE」での越冬決定だ。

今日はジェネレーターカバーのガスケット作りから始めたが、入れ替えたマグネットローターの発電量の測定までは出来なかった。

 

厚手のガスケットは結構手強い 


               

ポンチ・・・

 

次の週末の前に冬至

それを春に向かったターニングポイントと捉えてこの冬の予定を立て直す必要がある。

VMX12の作業をどこで一段落させてKSR-Ⅱの再生作業に取り掛かるのかを改めて考えなければならない。

二兎を追う者は一兎をも得ず。そんな言葉が聞こえてきそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たのまれなくても編集長のおまけ~

12月忘年例会開催しました!!

 

 

  

  

  

 

2024新年例会は

DIYでさんちゃんが7年かけて完成させた

大豪邸で朝まで薪ストーブ

1泊ツアーの予定だよ~

 

 

 

 

孟冬の候

憧 憬 の 轍

20231210日 孟冬の候

天気予報の傘のマークに雪ダルマのマークが混じるようになった。

2週間予報を見るとその数は増え、さらに来週からは真冬日も予想されている。

バイク屋の軒先には整備待ちの除雪機が並んでいるし、ホームセンターの草刈り機やチェーンソーの売り場にも大量の除雪用シャベルなどが並んでいる。

寒いのは仕方ないとしても、雪の少ない冬であれば・・・、と思っているのは自分だけではないと思う。

二十四節気では小寒大寒冬至の後だ。

12月が気忙しく感じるのは様々な備えが必要だからかもしれない。

 

 

VMX12のタンデムステップの錆を落とすためにステップをベースから外す。

まずは社外品のサイレンサーを外した。

タンデムステップを跳ね上げた状態を保つためのスプリングと鉄球は見事なまでに錆びている。完全にメッキが無くなっている鉄球だけでも新しいものを用意しようとパーツリストを捲ったが、単品での扱いは無かった。

こんな6㎜程度の球のためにホルダー部分から部品を取り寄せるのも癪な話だ。・・・そう言えば似た様な物があったはず・・・。

ストック部品は車種ごとに保管しているが用途不明の部品も幾つかある。

その中にHONDA純正部品だが同じ寸法の物があった。

 

錆を落とすとメッキはまったく残っていない


         

ホルダーやピンなども錆落とし

 

以前、KAWASAKIの某車種を修理していた時の事。

タンクコックに入るパッキンが純正部品は既に欠品で、リプレイス品がカップのパッキンなどとセットで5,000円以上もしたが、必要なパッキンはまったく同じ部品がHONDA純正部品で150円程度だった。

そのパッキンも、今必要な鉄球も純正部品とは言えHONDAやYAMAHAが自ら作っているはずがない。

製造元はおそらく同じでは・・・?

 

フットレストやサイドスタンドなどのようにバイク本体から外しやすい部品は比較的に楽だが、フレーム本体はエンジンを降ろして全バラ状態にしなければ完全な作業は不可能だ。

今回はそこまでする予定は無いが、手間のかかる作業を覚悟しなければならないようだ。

特にスイングアームのピボット部分などは錆の深さも気にかかる。

 

後ブレーキのシャフトはスカスカ


                

スイングアームのピボット部分 

 

SUZUKI BANDIT250の作業を今日で終わらせるはずだった『若葉マークのS🔰』は、昨夜からの発熱のために出場停止命令が下された。

ただの風邪のようだがインフルエンザやコロナだったら「OHMACHI BASE」は早々と冬休みに入らなければならなくなる。

元気になったら勉強と称して今回の修理のために入手したエンジンの腰下を解体させようと思っている。

 

荷を解いた時の状態


                      

このローターを移植するのに1日がかりだった

 

 

次の週末はちょうど12月の半ば、年末年始と言う言葉が多く聴こえてくる時期だ。

そんな事を思いながら1枚だけ残っている12月のカレンダーの後ろに来年のカレンダーを重ねた。

 

 

 

 

閑話休題 12月10日と言えば・・・

昭和43年(1968年)12月10日、未解決事件として今も話題に上る「三億円強奪事件」が発生した。

正式な事件名は「現金輸送車強奪事件」、奪われた現金は2億9430万7500円だった。

7年後の昭和50年(1975年)に公訴時効が成立し、昭和63年(1988年)には民事の事項も成立した。

重要参考人のリストに載ったのは約11万人、捜査に投入された警察官の数は17万1346人、捜査費用は7年間で9億7200万円以上。

遺留品は124点。

強奪された紙幣の内で番号が分かっているのは2,000枚の500円紙幣だけで、今日に至っても使われた形跡は確認されていない。

この事件を元にフィクション、ノンフィクションを問わず多くの作品が作られたが、この事件に関する多くの疑問は解決されてはいない。

東京の地理には疎いが事件現場周辺を当時の地図で見ると幾つかの飛行場や横田基地がある。

地位協定の関係で今以上にアメリカ軍管轄の施設内まで捜査の手が及んでいたとは考えにくい。

犯人、もしくは犯人グループにアメリカ軍の関係者や軍人がいたとすれば、ジュラルミンケース3個程度の「荷物」を国外へ持ちだす事は難しい事では無かったはずだ。

 

 

今年も12月か・・・

憧 憬 の 轍

 

2023123日 今年も12月か・・・

 

数日前の小春日和が嘘のように寒い。

ニュース番組では盛んに急激な温度変化を報じているが、これからが冬本番だ。

間もなく迎える二十四節気の大雪、そして冬至、冬はまだ始まったばかりだし、年を越してからこそが問題だ。

八甲田の酸ヶ湯の積雪が既に1m近い事なんて、別にわざわざニュース番組が取りあげるほどの事では無い。

それは冬に雪が降り、そして積もるのが当たり前な北国に暮らしているから思う事であり、10㎝の積雪でさえ「大雪」扱いになる東京の感覚とは全く違う。

積雪量ばかりでなく気温にしても、北海道では-30℃以下に驚かない地域がある。

毎年繰り返すように同じ事が報じられているが、全国版の報道は相変わらず東京が基準だ。

 

 

 

この週末もVMX12の作業に費やした。

錆やアルミ腐食が見苦しい部分を少しでも・・・、結果、予定外の作業をしている。

イマドキのバイクならハンドルのスイッチは樹脂製のケースが使われているが、しっかりアルミの鋳物で作られている。

文字の部分が彫り込まれていれば全体を再塗装した上でその溝に塗料を流し込むのだが、溝は無い。

表示が見えないと車検時に指摘される事は知っている。

 

極薄のアルミシートに綺麗にプリントした上、コーティングまで施されたステッカーが売られている事を知った。

早速調べてみたがYAMAHAとSUZUKI用の数車種用のものが見つかった。

ロゴのデザインが少々違っても使えると思ったが、完璧ではない。

それはVMX12の右側にはFUEL RES. ONのスイッチがあるからだ。

考えてみればこんなスイッチが付いている車両なんてこのVMX12くらいのものか。

 

右側;キルスイッチの表示は消えてしまった


         

 

左側;ライトのHI-LOは読めない



 

最悪の場合、車検時には白いマジックで書き込むと言う方法もあるが、出来るならそれは避けたい。

代用品を探す中で、以前、ネイリストの女性の付爪にあったアルファベットのイニシャルを思い出した。

確か転写式のシールでクリア仕上げと聞いた覚えがある。

「それなら使えるべ」、と言うワケで見つけたのは文字の高さが3.5㎜程度の転写シートだった。

「エレクトロニクス用」とされているがクリア塗装にも対応するのでこれは使える。

 

          

転写シート


                  

 

試験的に灰皿に転写してクリア塗装



 

スイッチと同じくアルミ腐食が見苦しかったのは前輪ブレーキとクラッチのマスターシリンダーだ。

どちらも漏れ出たフルードに負けて塗装は剥げている。

最近はブレーキフルードに耐性のある塗料も数種類売られているが焼成処理が必要なものばかり。

それ自体は問題無いがフルードの量を確認する小窓は樹脂製で高熱に晒す訳にはいかない。少しでもブレーキフルードに耐性のある塗料を、と考えてサンドブラスト後にPOR15で仕上げた。

 

半ツヤがあればいいんだけどなぁ・・・



            

 

ハンドル周りの磨き出し部品には丁度いいかも?



 

あれやこれやと余計な事ばかりを考えてしまうVMX12は燃料タンクの容量が15ℓ、残量2ℓ程度になるとフュエルポンプが止まる仕組みらしい。

ダミータンク上のインジケーターに赤ランプが灯ったらハンドルの右側のスイッチでreserveに切り替えないとフュエルポンプが止まってしまう。

さらにバッテリーの容量も少なめで、もちろんキックスターターなんて付いていないし、あったとしても踏む気にはなれない。

それなのにインジケーターに付いているのはタコメーターと水温計だ。

電気式のタコメータースピードメーターの横に配して、インジケーターに付いているメーターを燃料計と電圧計に替える事を真剣に考えている。

どんなに贔屓目に見ても燃費は良くて12~13㎞/ℓだろう。

100~120㎞ごとに給油が必要なのに赤ランプが灯ってからの残り2~3ℓでは話にならない。

冗談ではなく一斗缶でも背負ってないとツーリングにも行けないバイクなのだ。

 

燃料計がほしい


                         

 

まぁ、こんなモンで・・・



 

 

「膝が痛くてキック踏めなくなった・・・」などとホザいてYAMAHA SR500改を手放した『悪友のKEN』だが、最近はMAZDA Roadster(NA)に夢中だ。

僅かな段差にも気を遣う程車高の低いクルマの乗り降りも膝に負担がかかっていると思うが「痛い」とは言わない。

そんなクルマもボディの修復やら、全塗装やら、工場に預けたままだ。

かつて改造しまくったHONDA Monkey改だけでは淋しくなったらしく、相棒の『ジャズのタカ(自称)』が持ち込んだ話を進め、結託して(?)新しい玩具を手に入れた。

  

KAWASAKI ELIMINATOR 400。

『サンちゃん』ことS氏がKSR-Ⅱから乗り換えた車両の400cc版だ。

前輪ブレーキが固着して動かす事さえできないとか、ガソリンタンクのキャップが開かないとか・・・。

「エンジニア」ならぬ「チェンジニア」の異名を持つ『悪友のKEN』が車検を受けるまでの経緯も楽しみになって来た。

250ccはチェーンドライブだが400ccはシャフトドライブだ。

 

積み込み作業


                          

 

まずは洗車から



 

 

騒がしい作業場=「OHMACHI BASE」で黙々と愛車の修理をしているのは『若葉マークのS🔰』。

今年も10月だった恒例の一泊ツーリングの際に約100㎞走行後、リタイヤしたSUZUKI Bandit250の修理だ。

結局、ジェネレーターのマグネットホイールに張り付けられたマグネットが剥げ落ち、破片を集めて修復したにも拘らず必要な発電量が得られていなかったことが根本的な原因だった。

さらにレギュレートレクチファイヤの状態も怪しい。

 

オークションで入手した同型エンジンからマグネットローターを外し、修復して移設。

状態は悪くなかったがやはりマグネットが剥げかけていた。

ローターを外すために必要な工具の誤発注など、実に『若葉マークのS🔰』らしい事もやらかし、1周遅れの作業だった。

ローターの交換は終わったが、作業はまだ続く。

 

何とかローター交換は完了

マグネットに問題アリのローター


                   

 

 

1日の夜に北海道で20年ぶりにオーロラが観測された。

「低緯度オーロラ」と呼ばれるものだが、ヨーロッパでは赤色のオーロラは不吉な事が起きる前兆と言われる話を思いだした。

オーロラが太陽フレアの影響で発生する事は広く知られているだけでなく27日周期と言う話もある。

この年末にもう一度観ることが出来るかもしれない。

 

移ろいて冬

憧 憬 の 轍

 

20231126日 移ろいて冬

 

昨日、ついに雪が降った。初雪だ。

札幌で暮らしていた頃は必ず冬の初めに見かけた雪虫だったが、もう久しく見た記憶がない。

雪虫は北海道だけでなく本州にも広く生息しているはずなのだが・・・。

思えば春を実感する間もなく猛暑続きの夏が来るのだから、短い秋の終わりに雪虫が初雪を知らせに来る事も出来ないのだろう。

 

 

VMX12のアメリカ仕様は当初カナダ仕様と同じ145馬力だったが、1990年型以降は143馬力に。

この2馬力の差に対する拘りはまったく無い。

そんな事よりも4気筒のエンジンに4基のキャブレター、それを回転数に応じてツインキャブレターの状態にするシステムを思いついたエンジニアの発想と、それを実現した技術力こそがVMX12の誇りなのだと思う。

 

タイヤさえ交換すればすぐにでも走り出せそうな状態だがこのキャブレターの素性を調べる事にした。

アメリカ仕様(カリフォルニア仕様を除く)とカナダ仕様の違いはジェットニードルの番手とパイロットスクリューの戻し値だけだ。

抜き出したジェットニードルは5EZ43、アメリカ仕様のものだった。また真鍮製の蓋が外された奥にあるパイロットスクリューの戻しは2+1/2でカナダ仕様と同じだった。

 

ジェットニードルはアメリカ仕様の43番


           

バラしてクリーニング



 

アメリカ仕様の「プリセット」とされているパイロットスクリューの戻し値は2+1/4らしい。

一般的には規定値と言っても個体差から±1/2程度の調整幅があるはずだ。

4基の同調を採る過程でどの程度の戻し値になるのか、今から楽しみでもある。

カナダ仕様のニードル5EZ50に入れ替える事は今のところ考えていない。

 

パイロットスクリューの先端部に曲がりなどは無かった


   

 

4基とも同じような状態だった



 

雪を見たせいなのか早くこのバイクを走らせてみたいと言う気持ちが変わった。

今年はもう走る事が出来ないのだから、気がかりな部分に出来る限り手を加えようと思っている。

まずはタイヤの手配だ。

標準装備はVレンジだけどHレンジでいいんじゃないかな・・・。