憧 憬 の 轍
確実に日が長くなっている。
毎年繰り返してきた事だがこうして春を待つ。
2月のカレンダーをめくる頃には春の気配が感じられるかもしれない。
最近、冬の匂いがしなくなった気がする。
「樵の巨匠」から預かった部品類に入っていた
樹脂製のフェンダーの場合、
内側に鉄製の補強用のプレートが組み合わされている事が多い。
プレートごとフレームにフェンダーを固定し
テールランプもその上にボルト留めされる事が一般的だ。
泥や小石を巻き上げて走る訳だから
鉄板をメッキや塗装したものでは
すぐに錆てしまうのが目に見えているので、
アルミ板で作る事を考えていた。
ステンレスが最適だろうが加工性を考えるとかなり難しい。
アルミ板とは言え強度を考えて1㎜厚、
三次曲面に加工するのはさすがに無理。
フレームとフェンダーとの寸法差の事もあり、
いわゆる“納まり”を考えなければ。
厚紙で型紙を作ろうと考えていたところ、
京都のレストアショップの中古部品リストでリアフェンダーを発見!
一部に欠けがあるため安い。
フェンダー裏の補強板は錆だらけだが変形している様子は無い。
何しろ古いモノなので、
どこまで使い物になるかは現物次第だが補強板だけでも使えれば、
と思い購入を決定。
フェンダー周りの検討にはマフラーの位置も重要。
かなり錆が酷いモノながらエグゾーストパイプも見つかっているので
マフラー本体の作業も急がなければならない。
あちこちに錆が浮いているので古い塗装ごと落としてみると
数箇所に腐食で穴が開いていた。
どれも大きなものでは無いので溶接で比較的簡単に塞げそうだが、
溶接に負けて穴が広がらない事を願うのみ。
目立つ場所ではないが確実な補修は必須 この程度の穴が4ヶ所
ちょうど遊びに来ていたヒロさんことT氏。
最近溶接に目覚めたらしく、
休みのたびに「溶接祭り」をやっているので、
便乗させてもらう事にした。
リアフェンダーもマフラーも
今日のモノにはならない事がはっきりしたので、
いよいよCB400Fourのスポーク。
思い返してみると去年の今頃もスポークの張り直しばかりしていた。
そして磨き直しのうえPOR15クリア仕上げが結果的に失敗だった
CB400Fourとスポーク張りに明け暮れていた事を思い出すと
苦笑いしてしまう。
さっそくフロントホイールからスポークを外してみると
全く錆びていない所と錆の酷いところの差が大きい事に気付く。
POR15は皮膜が硬いので、
スポークに伝わる振動やたわみが関係して剥離したのかもしれない。
いずれ別な追従性の高い塗料を使ってもう一度挑戦してみたい気もする。
メッキについての詳しい知識が無いのでよく分からないが、
ユニクロに研磨剤入りのクリーナーを使う事自体がそもそも間違いらしい。
そしてクロームメッキと言えども錆びない訳ではないので、
錆を発生させない方法を勉強しておかないと
来年の今頃もまたスポーク張りをする事になりそうだ。
製造コストに影響するのはわかるが
スポークとタンクにステンレスを使ってもらえればバイクの、
特に古いバイクのメンテナンスはもっと楽になると思っているのは自分だけではないと思う。
失敗、でもなぜか首の部分だけは錆びていない さっそく前輪を張り直し
夕方、1月のままになっていたカレンダーをめくって気付いたが
今週は11日が祝日。
おそらくヒロさんことT氏はまた「溶接祭り」だろう。
注文したリアフェンダーもこの頃には届きそうなので、
来週の週末が今から楽しみだ。