憧 憬 の 轍
2020年2月4日 わからないから面白い、でもわからない
昨日は節分、そして今日は立春。
暦の上では春なのだが、
皮肉なことに今季最大級の寒気が流れ込み一気に冬らしくなった。
それでも雪がない分、楽と言えば楽だが寒く感じる。
“馬3頭半“分の謎(CS92の最大出力が15psなのか、11.5psなのか、この3.5psの差)については解明の糸口さえ掴めないでいる。
これまでもCS92の情報を集めてきたが特に有力なものは無い。
このあたりで一度情報を整理する必要がある。
今回入手した「復刻版・CS92・CS95専用部品パーツリスト」の巻末に掲載されている当時のカタログには「Benly CS92・C92/11.5hp」と大きく書かれている。
エンジン型式C92Eなのだからマフラーやシートなどの外装部品が変わってもエンジン自体に変更は無かったと素直に受け止めるべきかもしれない。
では、どこから“CS92=15ps”と言う話が始まったのか。
HONDAはニュースリリースでCS92を15psと紹介しているが、
1967年7月1日付けのプレスリリースでは「CS92をCS125としてフルモデルチェンジ。13ps」と紹介している。
スーパースポーツと位置づけたCB92(15ps)と実用車としてのC92の中間的位置づけがCSシリーズだった
はっきり言って個人的にはサドルシートのC92の方が火傷しそうなアップマフラーのCS92より好きだ。
しかしCSのSがSportsのSだと言われC92よりも高出力だろうと思いたくなる心理は理解できる。
今一度情報を整理するとC92に比べてCS92は・・・
・ピストン形状はスカート部の切り欠きが無く、
頭頂部も1~2㎜高い。
またプラグの逃げも片側だけ。
未確認ながらピストンにSの刻印がある。
・バルブの大きさは同一だがカム山の幅が広くなっていてオーバーラップが大きい。
・キャブレターについてはメインジェッの番手も違い、
スロットルバルブのカッタウェイが深いとか、
ジェットニードルが違うとか。
1960年頃、市販用の11.5psのエンジンを簡単に15psするのは容易な事ではなかったはずだ。
事実、15psのCB92のエンジンはベースがC92Eながらエンジンそのものが別物と言ってもいい。
よってエンジン型式もCB92E。
素人メカニックながら腰下が同じならカムシャフトやバルブ、
さらにはキャブレターに手を加えないことにはプラス3.5psを得られない事は予想できる。
「C92よりもCS92のエンジンの方はよく回る」。
それを流言飛語と捉え、自分の目で確かめてみたい。
今回の組直しによってオイル漏れが解消できたとするなら、
それは不要な作業になるが腰上も解体し、
さらにキャブレターに使われている部品まで比較してみたい。
『樵の巨匠』は鉄瓶に、
『大魔神・O氏』は相変わらずPERFECTIONの石油ストーブに我を忘れている。
世間を騒がせている新型コロナウイルスではないが、
今後は彼らを「スーパー・スプレッダー」と呼ぶことにしようと思う。
編集長のおまけ