第二波の予感

 

憧 憬 の 轍

 

2020年5月31日 第二波の予感

 

5月最後の週末。

 

コロナに始まりコロナに終わった5月だった。

 

緊急事態宣言は一応解除されたが、

感染者数はまた増えだしている。

 

新たなクラスターの発生も確認され死者数も900人を超えた。

 

さらに海外に目を向ければ日本の数十倍から百倍以上の死者が出ている国も多い。

 

 

 

 

 

寒暖の差はあるが梅雨前の穏やかに晴れた日は気持ちも軽くなる。

 

昨日、『編集長』のZEPHYRχの作業がまだ続いている中で、

新しい“患者”の登場。

 

SUZUKI TS90、ハスラーの1975年型だ。

 

世話好きな『わらしべのKEN』はオーナーの『ポストマン・O氏』からエンジンの不調を相談されていたらしいが、

「チェンジニア」として名高い彼が自ら修理を買って出る事は稀だ。

 

『ジャミフレンズ』の相棒こと『JAZZのタカ(自称)』以外は・・・。

 

 

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1975年式 SUZUKI TS90


                   

 

 

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キャブレターはこの中



 

 

45年前の2ストローク

吸気方式はロータリーディスクバルブ。

 

キャブレターがクランクケースの右側に収められている。

 

最近は「ハスラー」と言えばSUZUKIの軽自動車がお馴染みのようだが、

昭和世代にとってハスラー二輪車以外の何物でもない。

 

始動性の悪さや軽く試乗してみて疑ったのは燃料の供給系統だった。

 

タンクのコックをRES(reserve)にするとほとんどガソリンが流れていなかった。

 

早速タンクに残っているガソリンを抜き、

タンク内部やコックの状態を確認した。

 

 

 

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ガソリンと一緒にタンクから排出した錆


            

 

 

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コックの中には固形化しかけたガソリンが・・・



 

 

オーナーの『ポストマン』はこのバイクに大枚をはたいてあるバイク屋から買ったのだと言う。

 

言葉は悪いが“とりあえず動く長期放置車両”を整備済みとして売るなんて! 

 

店名を言えば知っている人は少なくないと思うが、

あえてここには書かないでおこう。

 

『わらしべのKEN』は交換部品(純正部品)の在庫を心配していたが、

社外品のコックを簡単に探し出して手配した。

 

さすがチェンジニア!

 

 

タンク内部やコックが古いガソリンで「フン詰まり」状態だったと言う事はキャブレターも同じような状態が考えられる。

 

さらにマフラーの内部に溜まったオイルやカーボンも気になるところだ。

 

 

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キャブレター内部の汚れは少なかった


           

 

 

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分解清掃開始



 

 

タンクは洗剤と温水で洗い、

お馴染みのタンククリーナー「花咲かG」を投入。

 

キャブレターの清掃が終わったので早速エンジンを再始動してみた。

 

いわゆる“点滴状態”だが仮設タンクをキャリアに括り付けての試運転。

 

エンジンが復調したところで気になるのはフロントフォーク。

 

オイルシールやダストカバーの純正部品はメーカー欠品のようだが、

即座に某オークションで発見! 

 

チェンジニア、恐るべし。

 

 

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試運転に出発!


                         

 

 

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タンクなんか無くてもバイクは走る



 

 

昭和生まれ丸出しの元ショッカー戦闘員(今では銭湯員)としてはハスラーと聞いて思い出す事がある。

 

世界制覇を標榜して止まない我らショッカーの宿敵・仮面ライダーの駆るサイクロン号ハスラー

TS250がベース車両だった。

 

これに関しては同じくSUZUKI T20だったと言う証言もあるが、

見た目重視で作られたらしい。

 

オーナーの『ポストマン』もそれを知っていて話は弾む。

 

あくまで設定上の話だが最高出力500馬力で最高速度400㎞/h、

ジャンプ力30mなんて、

いくら架空のマシンでも凄い設定だ。

 

製作したのは立花レーシングの立花藤兵衛と言う説や緑川博士、

さらに緑川博士の設計に基づいてショッカー科学陣が制作したと言う説もある。

 

メインエンジンが小型のプルトニウム原子炉だとか補助駆動力がジェットエンジンだとか、

究極のハイブリッドエンジンを載せている・・・事になっている。

 

そんな現実離れした設定よりも驚くべきは単気筒のベース車両に6本のマフラーが付いていた事だった。

 

GT380でさえ4本だったのに・・・。

 

 

単なる懐古趣味でなくして日本の昭和と言う時代が、

時々思い出してみるべき時代だったと思うのは自分だけだろうか?

 

 

明日から6月。

 

 

今年ももうすぐ折り返し地点を迎える。

 

 

追記

 『編集長』のZEPHYRχが新たな試練に立ち向かう事になった。