春うらら

憧 憬 の 轍

 

2024324日 春うらら

 

3月の初め頃からスーパーマーケットには春の山菜が並んでいる。

栽培物でなかなか高価だが今年もそんな季節になった。

今年は雪が少なく暖冬だったので天然の山菜を口にするのも早いかも知れない。

例年であれば5月初旬の「春一番ツーリング」の道すがら手に入れた山菜で「春の味覚・天ぷら祭り」だったが、今年は4月に出来そうだ。

最高気温が10℃を僅かに上回るだけで暖かいと感じ、遠くに見える山の色が変わって来たような気がする。

昨日、高知地方気象台は今季、最も早い開花宣言を発表した。

 

 

 

 

VMX12のキャブレターの3番と4番を一段落し、残る1番と2番に手を付け始めた。

3番地と4番よりも汚れが酷く、見るからに強敵だ。

しかし怯んではいられない。

これを済ませなければ次のステップに進めないばかりか、まだV-Boostユニットのクリーニングや動作確認や腰上のイカれた塗装の除去や再塗装も残っている。

 

3番と4番 まだ仮組の域を出ない


             

1番と2番の内部



 

孤軍奮闘したおかげで3番と4番の時よりも少しだけ要領を得た作業をしている。

こびり付いた油脂類を落すために洗浄液にキャブレター本体を漬け込む時間や、固着しているビス類を外すために施した潤滑剤が行き渡る迄の時間などが大体わかって来たが、ここまで作業を進めて分かった事は1番2番と3番4番に分割するのではなく、1番3番と2番4番に分割するべきだった事だ。

どちらにしても4基をすべて解体するのだから同じと言えば同じだが。

 

エンリッチャーのダイヤフラムが貼り付いている


      

 

末期的な状態



 

錆が発生していたビスやボルト類はまず油分を分解する洗浄液で洗い、錆を化学的に分解する液体に入れ、水洗い後に防錆処理をする。

集中的に作業を進めることが出来れば3番と4番の時よりも早く終わらせる事が出来るかもしれない。

・・・なんて希望的憶測は得てして実る事が稀な事も知っている。

それでも地道な作業を続けるしかない。

「キャブレター鍋」は作業場で時々やるが出るのは出汁ではなく灰汁ばかり。

薄い中性洗剤を使っていた事もあったが、最近は水溶性の脱脂洗浄剤を使っている。

汚れ落ちは良好だが洗浄後に丁寧に水洗いしないと成分の結晶が白く残ってしまう。

取り扱いが少々難しいが脱脂洗浄にはやはりメタクレン(塩化メチレン)が最適だと思う。

 

蓋は今回もバルブシートごと叩き出す

 

キャブ鍋 出汁どころか灰汁だらけ



 

抜いたビスやボルトが錆びていた場合、穴には錆が残っている。

乾燥した洗剤の成分も気にかかるので、必ずタップでさらう事にしている。

これを怠るとすぐにまた錆が出たり適正な締め付けトルクを得られなかったりする。

 

細かな錆をタップで掻き出す


                 

さらにパーツクリーナーで洗い出す



 

MIKUNI BDS35の4基掛け、当然キャブレター自体は4基とも同じだがフュエルホースの取り回しやスロットルリンクなどの関係でまったく同じものではない。

隣接するキャブレターとの連動性を忘れると後で手間が増える。

同じ4基構成でも並列ならもっとやり易いが、V型ならではのアタマの体操の連続だ。

 

中身は同じでもホースの取り回しが違う


           

4基仮組の前の点検



 

考えていたよりも作業が順調だったのは3番と4番で学んだ事(教訓?)が生きていた証だと思っている。

4基を連動させるリンクや油面の初期設定などは次週に持ち越すが、ひと通りのカタチに戻す事は出来た。

そうは言っても試走までの工程はまだ長い。

 

当初の予定ではもうとっくに作業が終わっていなければならないSUZUKI Bandit250 GSF250を、今日こそは終わらせるために『若葉マークのS🔰』は午前中から昼食も忘れて作業を続行。

そんな『若葉マークのS🔰』を気にかけてアニキ分の『スポカブ・ブラザース(弟)』も『特攻隊長』もやって来た。

何とかエンジンの再始動までは漕ぎ着けたが低回転域での失火や始動性の悪さに納得できない。

一度エンジンを完全に暖機してから原因や対策を考えるべきだが、外は既に薄暗くなってしまっていた。

 

4基仮組 位置関係などを再確認


              

オシメ(新聞紙)が濡れているのは・・・?



 

キャブレターの仮組を終えて次の週末はV-Boostユニットを外してみたいと思っている。

それは今回、最も興味深い部分でもある。

6,500rpm以上の回転域での“背中を押されるような加速”は今から楽しみだが、ひとつ疑問が湧いた。

例えば6,000rpm程度で走行中にシフトダウンした場合、回転数は上がる事になる。

それはエンジンブレーキによる減速を期待したのに、逆に加速する状態になるのではないか・・・。

何もかにもが走らせてみなければ分からない事だらけで、それこそ興味津々。

ただ、このVMX12で不名誉な記録更新は避けたいと思っている。