憧 憬 の 轍
2020年5月30日 幾つかの実験的作業
今回は長編だ~。
約1週間分の出来事を。
タンク内部とコックの状態を調べるためにタンクからガソリンを抜く。
仮設のホースを取り付けたコックを開いてもガソリンが出てこない。
予想通りコックに錆や異物が詰まっているようなのでホースから息を吹き込むとガソリンは勢いよく出て来た。
その後コック本体や燃料計のフロートを外し、
タンク内部に残った僅かなガソリンを抜き出して目を疑った。
出てきたのはガソリンとは思えない液体。
白い。
水も混じっているようだった。
白濁した状態でガラス瓶に移し、
しばらくすると異物は底に沈殿した。
既に乾いているタンク内部を指で擦ると白い粉状のものが付いて来た。
もう一度このタンクにガソリンを入れるために出来る限りタンク内部に粉状で残っている異物を取り除かなければならない。
コックやフロートはタンクから外して清掃できるが、
タンク内部をブラシや布で拭く事は出来ない。
“洗い流す”方法が最適と考えたが簡単に水で洗い流せるとは思えない。
白濁したガソリンを抜き出した時に使ったステンレス製のバットは既に乾いて異物が結晶化している。
タンク内部も同じような状態と考え、
油汚れが良く落ちるアルカリ性洗剤や食器洗い用の中性洗剤を泡状に溶いて吹き付けてみた。
水溶性の洗剤では全く歯が立たない。
擦れば簡単に落ちるが洗い流せるほどではない。
ガソリンに浸っていたので油分に弾かれているのかもしれない。
ならば工業用アルコールでは?
粉状の結晶に混じった埃のような物は剥がれてアルコールの中を漂う。
異物はガソリンに溶けている訳ではないので今度はバットに新しいガソリンを入れ軽く振ってみるとアルコールよりも落ちるがこれも洗い流せるほどではなかった。
混入していた異物の結晶はかなり細かいがコックに取り付けられているストレーナーのネットを通過していない。
さらにタンクとキャブレターの間には濾紙を内蔵したフィルターを付けていた。
異物はガソリンの中で粉状に分解されたがガソリンに溶ける性質のものではなかったので、
ストレーナーのネットを詰まらせたようだ。
僅かに通過したものもフィルターの濾紙までは通過していないはずだ。
そこでフィルターも分解してみたが粉状の異物は見られない。
砂粒のようなものが溜まっていたが、
これは問題の異物とは関係なさそうだ。
キャブレターのフロートチャンバーに残っているガソリンも抜いてみたが異物は見られなかった。
正体がわからないままなので、
タンク内部に残った異物は物理的に除去する事を考えている。
布やブラシが使えれば簡単に落とせる。
小型のタワシのような物でもあれば工業用アルコールと一緒に入れてタンクを振れば・・・。
バレル研磨で使う研磨材のような物があればそれもいいかも知れない。
タンク内部はコーティングしているので出来るだけ柔らかいものが望ましい。
作業場の中で使えそうなものを探した。
これまでに幾つものパッキンやスペーサーをゴム板から切り出した。
その破片が残っていたのでさらに小片に切り、
研磨材として使う。
乾いて粉状に異物が付着しているステンレス製のバットに工業用アルコールと一緒に入れて振ってみた。
結果は予想以上に使えそうなので、
とりあえずはこの方法から試すことにした。
バットを軽く振る事数分。
ゴム片は予想以上の効果を発揮し、
バットの淵のアルコールを白濁させた。
それをビーカーに移し、
乾いたバットを見て工業用アルコールとゴム片の組み合わせが有効だと思った。
今回の「実験」で予想外の結果をも得たかも知れない。
バットからビーカーに移したアルコールの白濁が1時間以上たっても収まらない。
さらに6時間後、
沈殿していた物はほとんどが混入した埃や問題の異物から出た不純物のようだった。
もしかしたら“異物”はアルコールに溶ける性質があるかもしれない。
実のところ今回は毎日のように記事を書いている。
毎日の空いた時間や夜間に続けて来た実験を記録して来たようなものだが、
仲間内で交わされるSNS=LINE上では様々な憶測や仮説が飛び交っているらしい。
この異物が“混入”したものでなく“発生”したものである可能性もゼロではないのが悩ましい。
ゴム片と工業用アルコールをタンクに入れ、
粉状に残った異物の除去作業開始。
ゴム片は工業用アルコールに浸っても変化はないがガソリンには耐えそうにない。
そこで確実に回収するためにも50個入れる事にした。
またアルコールも一度に入れる量を300~500cc程度にして回収する度に白濁の具合や沈殿物を比較してみればタンク内部の状態も把握しやすいと考えた。
6時間後に3回分の廃液を見ると回を追うごとに汚れが少なくなっていたが、
沈殿物の量に大差はなかった。
そして4回目から沈殿物が目に見えて減りだし廃液の汚れもさらに少なくなった。
5回目の廃液の沈殿物を見て6回目は研磨材に使ったゴム片を取り出しながら。
タンク内部が乾くのを待ってコックや燃料計のフロートを取り付け、
いよいよガソリンを入れる。
早くエンジンを始動してみたいが夜も遅い時刻なので、楽しみは明日に。