憧 憬 の 轍
2021年6月6日 春愁秋思
COVID-19ワクチンの接種率を世界中で競うような日々が続いている。
言うまでも無く誰もが少しでも安心して暮らしたい。
ワクチンを接種する事によってほぼ確実に抗体が出来る事を多くのデータが証明しているが、
次々に見つかる変異株が不安を煽る。
さらに“接種率競走”のスタートラインに立つ事さえ出来ないでいる国や地域も少なくない。
これは国境も民族も人種もイデオロギーも超えた戦いなのに・・・。
「蕎麦かうどんか」と問われれば蕎麦だ。
蕎麦に葱や山葵をのせてズズッと啜るのが・・・なんて思っていたが、
7月に蛍を見に行こうと思っている青森市浅虫から遠くない所に美味いうどん屋があると聞いた。
これはもう下見を兼ねて行くしかない。‘75 CB400Fourの老体に鞭打って。
昼食時に行くと確実に1時間以上並ばなければならないとの情報もあったので、
開店の30分前に店に着くと、
既に20人ほどの行列。
15分ほどして店内に案内されたが、
外の駐車場は車内で待つ客でいっぱいだった。
選んだのは「かしわ天ぶっかけうどん」。
思っていたよりうどんの量は多めでかしわ天も5枚、
こんなに腰の強いうどんを食べたのは初めてかも知れない。
うどんもさることながら、
つゆの出汁加減が好みに合った。
浅虫ダム=ほたる湖は温泉街を貫流する浅虫川の上流500mほどの所にある。
周囲2㎞ほどの小さなダムだ。
浅虫地区は子供の頃から何度も訪れているがダムまで来たことは無かった。
温泉街からダム湖までは昔ながらの幅の狭い道が続く。
案内看板はところどころにあるが初めて、
それも夜間なら迷いそうだ。
かつては「東北の熱海」とか「青森の奥座敷」と言われ賑わった浅虫温泉、
まばらながらも温泉街を歩く客の姿は往時を知る者には喜ばしくもあり、
また少し寂しくも見えた。
浅虫には県営の水族館があり、
バイパス化された国道沿いに建てられている。
昔は海岸沿いに建っていたが今はもうない。
跡地は現在、東北大学の研究所になっている。
本来、同大学の臨海実験所の水族館だった。
子供の頃、祖父母に連れられて来た時の写真と見比べてみた。
変わらないのは海岸沿いの裸岩(裸島)くらいで水族館に続く狭い道の両側にあった土産屋や食堂も今は多くが閉店している。
旧水族館へ続く道から海岸へ下りるコンクリート製の階段も、
波に洗われてボロボロのまま残っている。
そこからボートに乗ったような記憶もある。
月日はやはり残酷だと思った。
梅雨入り前の好天はもう少し続くらしい。
やっと半袖で過ごせる季節になった。
何よりも風が気持ちよく感じる。
6月だもんなぁ・・・。