憧 憬 の 轍
2022年4月17日 一進一退
気温の変化が激しい。
週の初めに30℃近かった最高気温が僅か数日で4℃まで下がった。
最低気温が氷点下まで下がる事は無かったが雪の気配さえ感じた。
そしてまた暖かくなった。
以前、桜が咲いてから雪が降った事があった。
雪と言うよりは霙に近い雪だったが、冬と春とが同居しているような光景が美しく思えた事を思い出す。
相変わらず猛威を振るうCOVID-19のために以前のような花見もままならない。
それでも桜が咲くだけで人の気持ちは明るくなる。
先週に引き続きW1の電装系の確認作業。
イグニッションコイルの二次側の抵抗値についてはまだよく分からないままだが、ポイントの状態を確認するためコンタクトブレーカーを開けた。
ポイントのギャップは0.4~0.5㎜。
ケースの中のコンデンサーも気になる。
以前、‘75 CB400Fourをレストアした時に、コンデンサーが使用限度を超えていた事に気付かず点火タイミングの調整が出来なかった経験があった。
電装部品が既に使いモノになっていない事を外見から知る事は難しい。
そして電装部品は何の前触れも無く突然に壊れる。
このコンデンサーの容量を測るためには特殊なテスターが必要だ。
『ギタリストT氏』こと『アキジン』がそのテスターを持っているので、彼の都合に合わせて容量を確認したいと思う。
その結果、標準値外と判断されたなら交換は必須だ。
貼り付いたクラッチプレートを剥がし、こびり付いた汚れを落とした。
フリクションプレートは厚みが使用限度の3.25㎜以上あったが、スプリングは標準値44.3㎜、使用限度42.5㎜に対し42.0㎜だった。
即座に交換決定!しかしこの約2.0~2.5㎜が持つ意味の大きさを、この時点ではまだ本当に理解していなかった。
それはスプリングを押さえるナットに施されたワイヤリングの意味を知る事だった。
スプリングの純正部品は既に廃版だったので社外品のスプリングを用意した。
国産の部品なので、「赤い旗」の国の製品に抱くような不信感は無い。
ところがこの週末までに届くはずが、夜になってもまだ届いていない。
スプリンクをセットしてクラッチの調整までするつもりだったが予定変更、サイドカバーのバフ磨きをする事にした。
昼食がてらに外に出てみると3日前の肌寒さが嘘のような陽気に4月も既に半ばを過ぎた事を実感した。
なるべく見ないようにして来たのはスピードメーターだ。
MEGUERO K2の時代からのデザインで「白バイ型」とも言われるもの。
防水のためのシールも劣化して半分以上が失われている。
取り付け用のブラケットとメーター本体の間のクッションも完全に硬化していた。
純正部品は期待できないし、リプレイス部品があったとしても見つけるのは難しそうだ。
代用できそうな物も無さそうだし、造るしかないか?
それにしてもメーター本体とブラケットがクッションを挟んで接着剤で一体化されているとは思っていなかった。
‘75 CB400Fourはこの7月に車検が切れる。
『樵の巨匠』のBMW1100Rも『編集長』のZephyrχも。
揃って車検場へ行く予定だがこのW1も連れて行きたい。
連休に予定している「春一番ツーリング」に向けて半年ぶりにCB400Fourのエンジンをかけてみた。
昨秋、燃料のストレーナーに溜まっていた錆の発生源をさがしてタンク内部をスコープで覗いて見たが、コーティングに綻びは見当たらなかった。
タンクキャップがアヤシイか・・・。
C92のタンクの塗装も補修したし、もうすぐW1のエンジンも一段落する。
再生してから10年になるCB400Fourもそろそろ大掛かりなメンテナンスが必要な時期だ。
さらに今や原型を留めていないXL250Rも整備し直して久しぶりに気ままなキャンプツーリングに行きたい。
そんな想いに駆られるのも春のせいだ。
今日は五行に由来する雑節のひとつ、土用だ。
土用の行事食としては「土用餅」や「土用蜆」、「土用卵」が知られているが最も有名なのが鰻だろう。
春の土用の丑には「い」、夏の土用の丑には「う」、秋の土用の丑には「ひ」の付く物を食べるのが良いとされる。
いわゆる「土用の喰い養生」だ。
今年、2022年の土用の丑の日は7月23日と8月4日。
幸いにも鰻も蜆も卵も新鮮なものが手に入る所で暮らしているが、「い」の付く食材に思い当たる物が無い。
とりあえず今夜は蜆汁と卵焼きでも喰らうとするか・・・。