穀雨を待つ

憧 憬 の 轍

 

2022年4月19日 穀雨を待つ

 

開花予想の通りに近所の公園の桜も咲き、日ごとに花の数が増えている。

 

梶井基次郎の「櫻の樹の下には」を思い出してしまうのは花びらの色のせいではない。

 

今朝、冷たいベンチから見上げた桜は美しく風に揺れていた。

 

こんな日本中のどこにでもある風景を、西の彼方の戦地にも届けたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

14日にクリックポスト(要するに〒)で発送された新しいクラッチスプリングが届いたのは18日(月曜日)の夕刻だった。

 

共に神奈川県から16日に発送された猫のマークの宅配便は17日の昼過ぎに届いていたのに。

 

 

自由長は約45.0㎜ 古いスプリングと比較


        

 

 

押しながら回す 結構力がいる作業



 

 

これまでに幾つかのクラッチに手を付けた事があったが、スプリングを押さえるナットがワイヤリングされたものは無かった。

 

さらに整備マニュアルには締め付けトルクについての記載が無い。

 

解体時、このナットは目一杯まで締められていたが、強いトルクはかかっていなかった。

 

このボルトとナットはスプリングを固定するだけでなく、プレートを押し付ける力を調整するためにある事に気が付いた。

 

パーツリストにはφ8㎜の鉄線と記載されているが、φ1.2㎜のステンレス線を用意した。

 

 

 

ナットにはワイヤリングのための穴が開けられている


    

 

 

 

ステンレス線でワイヤリングの準備



 

 

クラッチワイヤーとアームだけで調整するクラッチに比べて、さらに調整幅があるとも言える。

 

これはまさに温故知新、そして目から鱗だった。

 

何もかにもがクソ重たいと思っていたW1だが、このエンジンにまたひとつ勉強させて貰った。

 

クランクシャフトにクラッチを直結したり、カムシャフトの延長上にコンタクトブレーカーを設けたりすればコンパクトでもっと軽いエンジンになると思うのだが、頑なにそれを拒絶していたのかも知れない。

 

この360度クランクのバーチカルツインに拘る人の気持ちが少しだけ分かったような気がした。

 

 

 

今年こそ久しぶりに夜桜が見たい。

 

はらはらと花びらが散る路をそぞろ歩きしたいなぁ。