憧 憬 の 轍
2022年10月10日 道標が見えない
巻雲の空を鳥が飛んでいく。
長い旅が始まったばかりなのか隊列に乱れがあった。
今夜はどこで翼を休め、そしてどこを目指しているのか。
高くなった空に向かって問いかけてみたかった。
8日朝、恒例の1泊ツーリングに出発したのは午前7時。
日本有数の穀倉地帯、八郎潟を縦断し男鹿半島の入道崎を目指していた。
朝方、止んだ雨に一時は安堵したものの、峠が近づく頃にまた降り出した。
雨は峠を越えても止まず、行程の半分を過ぎようとした頃に止んだ。
途端に風が暖かく感じた。
臨機応変に予定は変わる。
そして予期しないアクシデントによって変えざるを得なくなる。
最初のアクシデントは夕食の準備のため向かった男鹿市内の道の駅の手前で起こった。
『スポカブ・ブラザース(弟)』のCB50改のエンジンが異音を伴って止まってしまった。
走って帰れる状態ではない。
親切な人に一晩ガレージで預かって貰えることになり、運ぶ手立てを考えながら宿泊先のコテージに向かった。
「留守番組」の『特攻隊長』がクルマで迎えに来てくれることになり、夜はいわゆる残念会。
道の駅で仕入れた魚介類で作ったブイヤベース、ある意味で予定通りだったのはこれだけだった。
まだ暗いうちに家を出て救護に向かっている『特攻隊長』と合流すべく男鹿市内に向かっている時に再びアクシデントが起こった。
『サンちゃん』ことS氏のKSR80の調子がおかしい。
昨日も似た様な症状があったが、エアクリーナボックスが付いていないので雨水を吸い込んでしまったのかも知れないと思っていた。
2ストロークエンジンの生命線とも言うべき圧縮が無い。
さらに『初心者マークのS🔰』のGB250のクラッチワイヤーが切れた。
急遽「救護班」となった『特攻隊長』は男鹿市で『スポカブ・ブラザース(弟)』のCB50改を載せて帰るはずだったがKSR80も載せて帰る事になった。
2台とも小型の車両だったので載せることが出来たが、中型クラス以上ならトラックが必要な状態だ。
前日とは打って変わって暖かく晴れていたのは不幸中の幸いと言うべきだろう。
すべての予定を断念して帰路に付く事になった。
『初心者マークのS🔰』のGB250は持ち合わせていた他車種用のワイヤーを加工してなんとか走れるようになったが、CB50改とKSR80には手立てが無かった。
明けて10日。
カレンダーには「スポーツの日」と赤字で書いているが昭和生まれにとっては「体育の日」だ。
昨日の疲れを引きずりながらも、KSR80とCB50改の現状把握から。
CB50改は異音の原因を探るためにカムカバーを外してみた。
ゆっくりとクランクを回しながらカムシャフトの動きを見た時、ベアリングの破片が見つかった。
IN側のカムシャフト端部のものだった。
一方KSR80は再起不能とも言うべき状態だった。
エンジンが吸い込んでしまった異物によってピストンとシリンダーがダメージを受けていた。
これまでにもコンロッドのビッグエンドのベアリングを破損し、その後はオイルポンプのトラブルで2度に渡りピストンを交換して来た。
その時は純正のオーバーサイズのピストンやリングが手に入ったが今回は期待できない。
さらに疑問が残るのはサーモスタットが変形していた事だった。
吸い込んでしまった異物によるダメージとは関係無いとは思うが判然としない。
今回の1泊ツーリングに向けてキャブレターをオーバーホールしたばかりだっただけに残念だ。
『編集長』が再生途中のCB400SF、『トーハツのレイジ』のLA5とKAWASAKI B7。
作業が順調と言えるものは1台も無い。
『樵の巨匠』のガレージもYAMAHA TY175とKAWASAKI Z400FX改で暫らくは足の踏み場もない状態だ。
そんな状態ながら近々にもう1台不動車を譲り受ける事になっている。
もうすぐ10月も半ばを過ぎるが来春に向けて今までに無い程忙しい冬が来そうだ。
悪い事は続くもので‘75 CB400Fourのクランクケースからオイルが漏れていた。
12年前、このエンジンを再生した時、下側のクランクケースのエンジンハガー部分が転倒によって破断していた。
ケース自体にクラックは無いと判断していたが甘かったと言わざるを得ない。
アルミ鋳物のクラック補修が難しい作業であることはこれまでの経験から分かっているのでジャンク扱いのクランケースを用意した。
今年の1泊ツーリングは「呪われたツーリング」として語り継がれる事になるだろう。
目的はコテージでの酒盛りだったのか。
そのあたりの事は「編集長のオマケ」に一任しようと思う。
編集長のおまけ
2022 秋の1泊ツー in 男鹿半島!
写真だけどうぞW
色々ありましたが、みんな無事に帰ってきましたので 良し!!
来年はどこに行きましょうかね~
おつかれちゃんでした!