憧 憬 の 轍
2023年4月30日 花筵を敷く前に
4月最後の週末と共に大型連休が始まった。
3月中旬以降、マスクの着用が個人の判断に委ねられ、さらにこの連休が明ければCOVID-19は季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられる事になっているが、感染のリスクが変わった訳ではない。
ニュースは空港の国際線ターミナルや観光地の賑わいを連日報じている。
政府による観光需要喚起策、いわゆる「全国旅行支援」が4月以降も継続されている事も背景にあるようだ。
多くの制約が緩和され、事実上もとの生活に戻ったのなら、これも早々に打ち切るべきではないか・・・。
5月3日に予定している「春一番ツーリング」に向けて車両の状態を確認したり整備をし直したりと慌ただしい週末だった。
昨年の悪夢とも言うべき「呪われた一泊ツーリング」の際に走行不能となったKAWASAKI KSR80からKAWASAKI ELIMINATOR250に乗り換えた『サンちゃん』ことS氏は試運転を繰り返していた。
排気量だけでなく、バイクそのものの大きさも重量も違う。
4ストロークと2ストロークのエンジン特性の違いや扱い方自体が違うので『サンちゃん』には早めに慣れてもらわなければならない。
また『特攻隊長』は本来、HONDA VTR250で参加の予定だったが、フロントフォークのオイル滲みが激しくなったためXLR250で参加する事に。
彼の場合、何に乗っても「特攻隊長」なので誰も後を追いかけようとはしない。
今回の「春一番ツーリング」には『ヒロさんことT氏』も久々に参加する事になっている。
彼も複数台を主有しているが完調なものは1台もない。(失礼ながら・・・)
そこで一時期、キャンプツーリング用にしていたHONDA XLR250 BAJAを整備し直す事になった。
この車両は譲り受けた当初から右側のクランクケースカバーにオイルが滲んでいた。
ボルト穴には欠けがありクラックが入っていたためだった。
特殊な樹脂での補修なども試みたがカバー自体にも歪みがあったようで、昨冬に比較的状態の良いカバーを入手していた。オイルシールやOリングなども用意してある。
もうこれはやるしかないべ!!!
人手があれば作業は早い。
『スポカブ・ブラザース(弟)』や『特攻隊長』も手伝ってくれて日暮れ前にはエンジンも再始動させる事が出来た。
フルードを全量交換したフロントに比べてリアブレーキの効きが悪いようだが、それもこの連休中にメンテナンスする事になった。
この週末、何よりも慌ただしかったのは『樵の巨匠』だった。
先日、無事に持ち主の元に返したつもりのKAWASAKI Z400FXを、CDI点火と勘違いしてポイント周りを一切見ていなかった。
急遽タイミングライトやシックネスゲージを持って持ち主の元へ。
3番のプラグだけが時々失火しているような症状は点火時期やポイントに原因があったのかも知れない。
そればかりかコンデンサーも疑わしい。Z400FXは再び『樵の巨匠』のガレージで再検査決定!
すっかり花びらを落した桜の樹にもまだ蘂が残っている。
また樹種によって、また場所によっては今が見頃の樹も少なくない。
八重桜や山桜はソメイヨシノより一足遅く咲く。
俳句には「櫻蘂降る」と言う季語がある。
おそらくは桜の蕚が散るまで桜を愛でる感性が生み出した言葉だと思う。
季節が初夏に向かっている事を実感しながら、やはり気がかりなのは梅雨の事だ。
子供の頃は夏休みが終わってから冬休みが始まるまで、気が遠くなる程長かった。
それが今では早すぎる時間の経過を持て余している。