After days of CB400Four
☆月光仮面になりたくて☆
其の八
2013年12月22日
エンジンの仮組。
上側のクランクケースにギヤ類を載せて
変速機構やキックスターターの動きなどを確認する。
下側のクランクケースはドレンボルトのねじ山を
補修後オイルパン部分にオイルを溜めて
漏れがないことを確かめていた。
C92には、C92、CⅡ92、CⅢ92、CⅣ92と
4種類のバリエーションがあるらしいが詳しい事は知らない。
ハンドルの形状やマフラーやシートの形状、
更にはシリンダーヘッドの側面のカバーに
フィンが有るとか無いとか、
拘りのあるマニアックなホンダファンなら
一晩中でも語りそうな事に実はあまり興味が無い。
それはオーナーのO氏も同じのようだ。
なんたって2ヶ月前まで
このC92のフロントフォークには
DUCATIのバーエンドミラーが付いてたんだから!!!
このエンジンの特徴のひとつとして
螺旋構造のブリーザーセパレーターがある。
同型のエンジンでも年式によっては採用されず、
他のモデルではシリンダーヘッドから
ブローバイガスを排気している。
そのためか手元にあるパーツリストには
この排気筒廻りが記載されていない。
この螺旋状の部品はギヤスピンドルを
固定するローラーのスプリングの末端部分を用いて押さえられている。
ある意味で手抜きだが軽量化と言う意味では凄いアイディアだ。
通称「煙突」と呼ばれる排気筒 排気筒の中の螺旋状のブリーザーセパレーター
上側のクランクケースに仮組み 極めてシンプル!
エンジンの仮組で一日が終わると思っていたが、
これと言った不具合も無くクランクケース本体を合体する。
サイドカバーは細部まで磨ききっていないし
オイルを入れるのはまだ先のことなので、
オーナーのO氏に納得するまで
大魔神の形相で磨き上げてもらう事にしよう。
これまでに何台かのエンジンをバラしてきたが
クランクケースを合わせる時はいつも緊張する。
何か忘れていないか心配になる。
ピストンは堆積したカーボンを落として保管してあったが
組み立て前にもう一度入念な清掃。
よく見るとピストンにもリングにも0.50の打刻がある。
オーバーサイズのピストンに入れ替わっていると言う事は
焼付きでもおこしたか?
やっとエンジンらしくなってきた ピストンに打刻された0.50
7月に、とりあえず走れるように・・・
と言われてキャブレターやフュエルコックなどを
分解した時にタンクから出てきた
まさか「納車祝い」とか「魂入れ」な~んてやってねぇべな?!
せめて1級酒にしておけばって・・・冗談じゃねぇよ。
とりあえず走れるようにしてから3ヶ月の間に
不具合と言えるものはドレンボルトからのオイル漏れや
シリンダー廻りのオイル滲みくらいのものしか記憶に無いが、
オイルポンプや経路ももう一度確認しなければならないか?
カムやロッカーアームにはオイル切れの痕跡はなかった・・・。
C92をベースとする
かの名車CB92のエンジンは
より高回転を得るために様々な改良が施されているが、
それに伴ってオイルポンプの容量も上げられているらしい。
もちろんこのC92でレースまがいの走りをする事はないと思うが、
長く乗るためには覚えておかなければならないことかもしれない。
ところで、ボアを0.5㎜広げてるってことは
単純に計算して約2.8cc排気量が増えてるって事になるわけで、
これって立派なボアアップ?
果たして何馬力パワーアップしているか
なんて考えない方がいいようだ。
パーツリストを見るとオーバーサイズピストンは
1.0㎜まで記載されている。
と言うことは純正部品で排気量を約5cc上げられる事になる。
この5ccが何を意味するか、なんて酒の肴になりそうな話だ。
2.8ccで何馬力上がるかって?
124.6ccで11.5馬力なんだから・・・
約0.26馬力アップです!!!
11.76馬力か~、
1.0mmのオーバーサイズ入れたろ~か~?
・・・今日も荒い鼻息でご満悦のオーナー・O氏であった。