憧 憬 の 轍
2017年10月15日 衝動に理由はない
このブログを今日まで続ける事になったのはCB400Fourの再生記録とも言うべき
「Days of CB400Four」を書いたことによる。
そのサブタイトルは「絶版車の再生日記、あるいは貧乏人の旧車再生記録」だった。
貧乏という言葉は嫌いだが金が無いのは否定できない事実だ。
そんな状況下で人は「知識」と「開き直り」と言う金のかからない方法に気づく。
そして知識を得るために書を読み、教えを乞う。
新しい知識に喜びを感じ、そして頷く。
機械は動いている限りいつかは壊れる。
生体ではないのだから自己治癒能力は元よりない。
当たり前のことだ。
いい加減な誤魔化しがきかない機械ほど正直で付き合いやすいのかもしれない。
インターネットで検索することが常態化した今、
書籍としての辞書や辞典は本棚の隅で埃を被っている。
そのページをめくって知りえたものに比べ、
キーボードを操作しEnterキーを軽く叩くだけで得られた知識は何故かアタマに残りにくい。
知りたいと言う気持ちは同じでも辿り着くまでのわずか過程、いやベクトルの違いだ。
オイルの残量が3分の1程度だったとしても
ピストンが欠けてしまったGB250のエンジンは始動性も悪かった。
その原因が知りたくて破損したピストンからピストンリングを外してみる。
始動性の悪さとオイル消費量の多さは関連性があるように思えて仕方がない。
オイル不足以外の原因は思い付かない
外したピストンリング
バラした後だがシリンダーヘッド、シリンダー、クランクケース、
それぞれの外観を見るとエンジン前面にオイル汚れが多いことに気づいた。
クランクケースは前面下側に多い。
そして編集長の記憶に間違いがなければ、
たいした距離を走った訳でもないのにどこかに消えてしまったオイルは多すぎる。
ピストンリングはほぼ入手不可能らしい。
かといってこのままスクラップにしてしまう訳にはいかない。
入手可能な部品と手元にある物でもう一度動かしたい。
入手可能な部品は既に発注済みだ。
ピストンピンも要交換
ストックしていたピストンの出番
まずはシリンダーヘッドから。
バルブにこびり付いた異物(おそらくはピストンの破片が溶けたもの)
を付着したカーボンと共に除去。
そして擦り合わせ、組み立て。
燃焼室側に油を満たして24時間放置。
排気バルブの1本に僅かな滲みが見られるので
本組前にもう一度擦り合わせすることにする。
シリンダーヘッドやシリンダーのブロックは油洗し、
それぞれの合わせ面をオイルストーンで均す。
さらに洗剤で洗って組み立て待ち。
油をためて密閉性の確認
クリーニングして待機
エンジンの構造上、
腰下も気になる。
クランクケースのカバーを外しケースの底も確認したが異物はなく一安心。
ただ、底に残った劣化したオイルはヘドロ状で予想したより多量だった。
ドレンボルトがクランクケースの側面にあるためかもしれない。
発注済みの部品は早ければ今夕、遅くても明日には届く。
次の週末は組上げてエンジンを始動させてみたい。
結果はどうあれ今はこのエンジンにもう一度火が入る事だけを考えている。
改めて作業場を見渡すと中途半端にしているモノが幾つもある。
グランパ・O氏のCS92用に用意したプレスハンドルも
下地の修正後サフェーサーを吹いたまま手付かずだった。
次の週末、GB250のエンジンに集中するためにも塗装を済ませなければ!
実車に合わせて調色した青色が思いの他いい発色で嬉しくなってしまった。
お待たせしました プレスハンドル塗装終了ですっ
今年のMVPがほぼ確定した編集長のGB250のピストンとピストンピンは、
クリアケースに入れて「戒めの部品」として展示することになった。
また「過積載軍団・2号車」のR氏、最近は「漁師のR氏」と呼ぶ方がふさわしい。
今回の釣果から分けてもらった鯖を下していると玄関でピンポーン!
GB250の部品が届いた。明日が日曜日なら徹夜して作業再開なんだけどなぁ・・・。