憧 憬 の 轍
2020年11月15日 初雪の後
初雪を見たとは言っても小春日和の週末、
冬支度を済ませていないバイクは走り出す。
比較的に暖かい時間はせいぜい3~4時間しかないので遠くへは行けない。
「プロジェクトC92-R」は方向性の定まらないまま右往左往してきたが、
今の目標はもちろんこのエンジンの再生だ。
近々に1.0㎜オーバーサイズのピストンに合わせたボーリング加工を終えたシリンダーも届く。
C92のフレームにCB93の初期型エンジンを載せたひと昔前のレーサーを作ろうと言う話だが、
何もかもが手探り状態なので遅々として進んでいなかった。
せめてエンジンだけでも終わらせてしまおうと思って始めた作業だった。
仮にもクランクケースを閉じるためには上側のケースにミッションとクランクシャフトまでセットしなければならない。
構造上、まずはシフトドラムとフォークから。
ベアリングだけでなくメインシャフトやカウンターシャフトの端部を押さえるブッシュにもノックピンが打たれているので、
位置はおのずと決まってしまうがなかなか手間がかかる。
キックスターターもセットして下側のケースを仮合わせた後は左右のサイドカバー内に入る部品のクリーニングにほぼ半日を費やした。
どれもこれも固形化したオイルと錆を落とす作業だ。
新調したストーブに掛けた鍋で部品を煮たり、
温めた錆取剤に入れたり、
こんな単純作業に必要なのはやっぱり麦系飲料だった!
この初期型CB93エンジンの純正部品が今、
どれだけ手に入るのかと考えながら34種類の部品の見積もりを依頼したが、
すべて「該当品番無し」との事。
1回目の品番変更や統合には対応できているらしいが2回目以降には対応出来ないとの注意書きもあった。
カスタマーサービスに連絡を取ろうとしたが、
しばらくの間、
メールやLINEでの対応は出来ないらしい。
電話は混み合っていて繋がるのを待っていられない。
デッドストックの値段は聞いただけで鳥肌が立つので社外品を集めるしかなくなるか…。