其の参拾参　最終話

昨夜の“反省会”の余韻を引きずりながら早速修理開始。

クランクケースを開けてみると、

シフトスピンドルがローラーから外れてシフトドラムを回せていない状態。

シフトペダル側のスナップリングが行方不明（おそらく破断？）

でシフトスピンドルのシャフトごとクランクケースの内側にずれ込んでいる。

シフトスピンドルを正規の位置に戻し、

スナップリングもステンレス製の物に替えて作業は終了。

あらためてこの半年を振り返る。

今回は実に学ぶ事が多かったように思う。

機械的なことだけでなくバイクのデザインや

時代背景についてまでオーナーのO氏と何度も語り合い、

自分たちが生まれ育った昭和中期という時代を再認識した。

あらかじめ完成したものを一度解体し消耗部品を交換して

組みなおしただけでも動いてくれればこんなにも

嬉しい。

楽しい。

面白い。

このバイクを一から造った人たちはどんな気持ちで

このエンジン音を聞いただろう。

走り去るO氏の後姿を眺めながらそんな事を考えていた。

Ｃ９２再生プロジェクトはとりあえず一段落したが、

フレーム再塗装の「再生プロジェクト　その２」は既に計画されている。

それでは諸君！

小雪の舞い散る頃に

『再生プロジェクト　その２　続・月光仮面になりたくて』でまた逢おう！

その日まで　さらばぢゃ！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

続く

2014年　春　　今年はどこまで走るやら・・・。