憧 憬 の 轍
2015年6月7日
おまえは何をしてきたのだと吹き来る風が私に言う(中原中也「帰郷」の一節)
6月最初の週末。6月と聞いただけで5月よりも
時間が早く過ぎているような気がするのは天気のせいだけじゃない。
この季節が来ると必ずアタマの中でリフレインするのが「6月の歌」。
と言えば思い出してくれる人もいるだろうが、
いずれにしても古い歌。作詞は寺山修二。
谷川俊太郎が作詞した歌もあった。
黒色と銀色のコントラスト。
中身は後回しだがエンジンの腰上を塗装してみた。
腰下も早く塗装して組み合わせてみたい。
誰の仕業か知らないが、クランクケースの分解に苦労している。
それと言うのもテンコ盛りの液体ガスケットのせいだ。
前所有者の“樵の巨匠”も白色の液体がガスケットを愛用していたが、
彼ならこんな汚くはみ出すような使い方をしない事は知っている。
左右に分離するタイプのクランクケースなので、
オイル漏れを気にして神経質になったのだろうが
使われている量が半端ではなかった。
分解したクランクケース 合わせ面は液体ガスケットがテンコ盛り
分解したクランクケースを早くサンドブラストして塗装してみたかったが、
ベアリングやオイルシールが新しい事に気づいた。
“樵の巨匠”は腰下には一切手を付けていないとの事なので、
合わせ面に液体ガスケットをテンコ盛りした人が替えた可能性が高い。
全てではないが十分に再利用できる状態だ。新品に近い。
もとはと言えばこのバイクは“樵の巨匠”が
どこかのジャンクヤードで横倒しの状態で発見し入手したものだった。
その時点でオイルシールやベアリングが交換済みだったとしたなら・・・。
このバイクも数奇な運命を辿って来たのかもしれない。
古いバイクに手を付ける度に思うのはそんな事だ。
ベアリングやオイルシールをひと通り点検した後は
エアコンプレッサーをフル回転でサンドブラスト。
そして塗装。エンジンの中身の組み立ては後回しにして、
いわゆる「ドンガラ」状態で組んでみると、
塗装した黒色と磨いた部分の銀色のコントラストがかなり強い。
黒色に塗装したフレームに載せたらどんな感じになるのか、
今から楽しみだ。
中身はまだ組んでない なかなかいい感じかな?