憧 憬 の 轍

 
憧 憬 の 轍
 
 
2015927日 今夜は十五夜中秋の名月
 
 
 
 
四月一日」と書いて「わたぬき」と読む名字があることは知っていたが
 
「八月十五日」とかいて「なかあき」
 
と読む名字があることを知ったのは最近の事。
 
「なかあき」=「中秋」。
 
旧暦の八月十五日を秋の真ん中ととらえ、
 
今夜の月を古くから日本人は「中秋の名月」として愛でて来た。
 
 
ススキを立てて一杯やろうか、温燗がいいかな・・・。
 
などと天文マニアの知人に話したら
 
「明日だよ、完全な満月は」と返された。
 
月の満ち欠けと暦の誤差、さらには地球の自転と時間の関係を
 
説明されたが温燗の肴は何にしようかと考えている私には
 
“天高く肥ゆる馬”の耳、そう「馬耳東風」。
 
 
 
オーバーホールを終えたキャブレターを取り付けまずはエンジンを始動。
 
エアクリーナーは小型のものを仮付けした。
 
パイロットスクリューを回す。規定値は1~2回転戻し。
 
タコメーターが無いので音に頼るしかないのが心もと無い。
 
全身を耳にして指先に全神経を集中させるこの瞬間は一種の
 
「病気持ち」にしか理解してもらえないものだと思う。
 
とりあえず走ってみたいがその前にガスガスと音を立てている前輪と
 
張りついて切れないクラッチを何とかしなければならない。
 
ブレーキシューの固着? 
 
アクセルシャフト? 
 
答えはブレーキケーブルだった。
 
潤滑財をブチ込んで押したり引いたり、
 
プロのバイク屋なら「ハイ、新品に交換」と言うであろうこの状態でも
 
「使えそうなモノは最後まで使い倒す」のが信条。
 
エキパイとマフラーのジョイント部分に
 
パッキンも何も無いのが気にかかるが、とりあえずは試走準備完了。
 
本来ならセルモーターを回して始動したいところだが
 
バッテリーレス仕様のためキック、キック、キック。
 
ハーフィチョークでなんとか始動しアイドリング出来るが、
 
急激なアクセルワークにはついて来れない。
 
アクセルを開ければアフターファイアも出る。
 
エンジンの始動性やアイドリングの様子から点火タイミングを疑い、
 
別なCDIユニットを捜そうかと言う話まで出た頃、
 
「プラグは?」ってKENの一言。
 
そう言えばそうだ!
 
 
ストックから比較的状態の良い同番手のプラグに替えてみると・・・。
 
ほとんどアフターファイアもなくアクセルの付きも悪くない。
 
試走のために新しいプラグを用意した。
 
 
ところが・・・。
 
アイドリングを始めて5分ほどした頃から回転は不安定になり、
 
50mほど走ったあたりからアフターファイアが止まらない
 
アフターファイアは強烈でエキパイからマフラーが外れてしまうほど。 
 
こうなると燃調の問題ではなく、
 
やはり点火タイミングを疑わざるを得ない。
 
CDIばかりでなくカスタムの過程で加工された
 
ハーネスそのものも怪しくなってくる。
 

イメージ 1  イメージ 2

アフターファイアで外れたマフラー                                             スッポ抜け~
 
 
 電装系のトラブルは迷宮だ。
 
知識が無いばかりでなく、電気は目に見えないし匂いも無い。
 
キャブレターだけはもう一度バラしてみたいと思っているが、
 
電装系については今のところ解決策が見当たらない。
夕刻、作業場を閉めて見上げた空に見えた月は満月に見えた。