憧 憬 の 轍
2016年9月28日 気分転換
以前、作業場だけで通じる“作業場用語”を紹介した事があった。
その後も新語が次々と生まれている。
○いじりうむ・プラグ
某有名メーカーの高価なイリジウム・プラグではない。
キャブレターのセッティングのために
何度も抜き差しされる実に忙しいスパークプラグのこと。
その種の作業をする人を「イジリスト」と呼ぶ。
○ドーピング
キャブレターや燃料供給系に詰まりが疑われる時などに
吸気口から可燃性の高いケミカル剤などスプレーして初爆を確認すること。
本格的なドーピングは亜酸化窒素を用いた、いわゆるNOSだが、
科学的な専門知識が必要なばかりか危険も伴う。
純正部品ではないが十分に使えて耐久性も期待できる社外部品を指す。
ただし純正部品よりも安価でなければならない。
時折、純正部品よりも高価で高品質なモノを見かけるが、
これはジェネリックにはあたらない。
また、安価なだけで耐久性がなかったり
使えなかったりするモノもジェネリックとはいえず、
ひとまとめに「中華」と呼ばれる。
○ポチ、ポチッと
犬の名前ではない。
オークションに出品された商品に思い余って
マウスの右側を押してしまう行為。
アルコール混入時のポチは特に危険で
翌朝の二日酔い以上の後悔を生むと言われる。
○高低差
セクシャルハラスメントと言われようが
私は“高低差に富んだボディ”が好きだ。
○ハイブリッド
別メーカーの部品を組み合わせること。
駆動系や足回りではそれなりの技量が求められるが、
外装は比較的簡単だったりする。
○ミュージアム館長
二輪、四輪を問わず実働状態で数台の車両を維持している人のこと。
不動者が増えたり修理再生の意思がないと判断されると
「ジャンクヤードのオヤジ」に格下げされる。
さらに使わない物品が増えると
「リサイクルショップ」と呼ばれる事になる。
○ツーリング
「チョイと遠くまで昼メシでも喰いに行くか」程度の事でもTOURING。
キャンプ道具を満載して数日出かけるのもTOURING。
時間や距離とは関係なくTOURである以上、
「旅」でなければならない。
○過積載軍団
いつになったら行けるのかも分からない長旅にあこがれて
バカでかいキャリアや複数の灯火類を装備し、
日夜バイクの積載性向上を考えているオヤジ達のこと。
今頃になってワンボックスカーの利便性に驚きながらも、
かたくなにバイクに拘る習性を持つ。
○D級グルメ
B級グルメなどよりも安価で加えて
味も盛りも良いコストパフォーマンスに優れた食事のこと。
またはそれを提供する飲食店。
○避難所
キャンプツーリング時の体調不良や天候急変時に逃げ込む安宿のこと。
古くからある温泉の湯治場や場末のキャンプ場の
カビ臭いバンガローなどが一般的。
○パークホテル
公園のベンチを寝床に使うこと。
かつて無人駅はステーションホテルとも呼ばれていた。
最近はホームレスに間違われる事も多く利用者は皆無と思われるが、
夏場は蚊取り線香や虫除けスプレーが必需品だった。(古語 常用外)
○二次災害
修理を試みたにもかかわらず、
さらに状態を悪化させること。
三次、四次と続くと復旧不能状態に陥る事が多い。
○虫寄せスプレー
50m離れていても匂うほど過剰に振舞われた香水のこと。
飲食店や車内では迷惑以外の何者でもない。
いわゆる「悪い虫」を呼ぶ事が多いらしい。
○レッドカード
一発免停の「赤切符」の今風の呼び名。
もれなく罰金が付いてくる事は今も昔も変わりない。
出頭を命じられる内容の場合、
「赤紙」とも言う。
○レブリミッター
エンジンの回転限界を制御する機能だが
2st軍団の脳ミソには標準装備されていない。
オプションが設定されている例は非常に少ない。
○濃い
2st軍団の常套句。
これを連発するようになると
近々にエンジンが壊れると考えて間違いない。
作業場に蔓延する難解な日本語に、通訳の養成を迫られる日も近いようだ。