Syndrome(症候群)

 

憧 憬 の 轍

 

 

20171112日 Synrome(症候群)

 

 

 立冬を過ぎると「暦の上ではもう冬」と言う表現が多くなる。

 

でもそれは北東北や北海道でのことで関東以南ではまだまだ暖かく、

 

紅葉もこれからが見頃の地域も多い。

 

 改めて日本の地図を見ると関東から中国地方まではほぼ横に長く、

 

緯度の差は東北や北海道に比べて少ない事に気づく。

 

九州南部と沖縄は別としても

 

日本は東西にも長い国だった事にも今さらながら気づいた。

 

 「西日本」と言う表現に感じていた違和感は

 

南北に長い地域に暮らしてきたからだと知った。

 

 

 

 オイル管理が原因で不本意ながら今年のMVPに輝いてしまった編集長が

 

もう1台の愛車、HONDA CS90の総合的メンテナンスを決意し、

 

いくつもの部品を手配したのは先週の事だった。

 

少々余計なものまで注文してしまったらしいが、

 

それは熱意の現れと言うもの。

 

もとはと言えばこのバイクに乗りたくて編集長は自動二輪免許を取り今日に至っている。

 

 早速、“手術室”の異名をとる作業場に入れて「エンジン全バラ計画」を練る。

 

 

 

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オイルを抜きながら手順を考える                

 

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こんな時間が楽しい

 

 今回の主な目的はピストンリングと劣化したオイルシールの交換だ。

 

エンジンの始動性が悪かったのはバッテリー点火のエンジンに

 

弱ったバッテリーが付いている事も原因のひとつだが、

 

圧縮の低下も考えられた。

 

初期型だとすれば1964年型。

 

今日まで大掛かりなメンテナンスはされていないようだ。

 

 編集長はエンジンを気にしているようだが、

 

ステムベアリングやスイングアームのピボットなども気になる部分だ。

 

11月も既に中旬、もうすぐ雪が降り路面は凍てつく。

 

でも来春までゆっくりと・・・とは言っていられない!

 

 

 フレームの構造上エンジンを降ろすのは簡単だ。

 

車体が小柄なだけでなくエンジンも軽い。

 

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特徴的でかつ美しいプレスフレーム              

 

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ロングタンクとシングルシートも似合いそうだ

 

 

 軽いエンジンは降ろしやすいが降ろした後は

 

各部のボルトやナットが外しにくくなる。

 

オイルは既に抜いてあるので各部のボルトやナットやビスを

 

一度緩めてからエンジンを降ろすことにした。

 

 

 1964年型だとすれば53年前の機械。

 

おそらくクランクケースを割るのもシリンダーやピストンを外すのも

 

今回が初めてのようだ。

 

それにしても自分が生まれる前に製造されたこのバイクに

 

編集長は何を感じて自動二輪免許を取ろうと思ったのか。

 

「寺社仏閣症候群」末期症状の

 

グランパ・O氏やC92ブラザース(弟)の感覚に通じるものがあるような気がする。

 

自覚症状が無いままに静かに進行する“悪い病気”に感染していると思って間違いない!

 

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サッサとエンジンを降ろす                    

 

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左コーナー専用ステップ・・・ではない

 

 

 

 3本のボルトを外すだけでエンジンは簡単にフレームを離れる。

 

切り離さなければならない配線類もカプラーひとつとギボシ2本のみ。

 

あらかじめボルト類は緩めてあったので解体作業は楽なものと高をくくっていたが、

 

ガスケットはすべて貼り付きまくり。

 

その貼り付き具合がまた半端じゃない!

 

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シリンダーヘッドを外して・・・                    

 

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シリンダーヘッドの燃焼室側

 

 

 シリンダーヘッドカバー→シリンダーヘッド→シリンダーと解体を進め

 

スタッドボルトを見ると2本が錆び付いていた。

 

4本のうちの1本はオイルラインなので錆の心配はないが

 

オイルが焼き付いたような色と匂いが気になる。

 

 

 クラッチの中心部分に設けられた遠心分離式オイルフィルターは

 

予想に反して固形物が少なかった。

 
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抜きたくないけど抜かなきゃならないでしょ?          

 

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予想外に少なかった固形物

 

 

 オドメーターにカウントされた10,000㎞に満たない走行距離は

 

信用していいのかもしれない。

 

だとすれば編集長は“上玉”を手に入れていたことになる。

 

それでも50年を超える時間が蓄積したダメージは少なくない。

 

 

 クランクケースを割ってまず目についたのは多量のオイルスラッジ。

 

流動性の悪い部分にはヘドロ化して堆積していた。

 

 

 

 

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クランクケースの内部は真っ黒!                

 

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洗浄作業が楽しみ?

 

 

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ヘドロ化しているオイルスラッジ                 

 

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作業場は“妙な活気”で今日も賑やかだ

 

 貼り付いたガスケットのために思いの他時間がかかってしまったが、

 

とりあえずエンジンの解体作業は完了。

 

洗浄作業は編集長が自らやってくれる(?)らしいので、

 

ギヤ類の点検に取り掛かる準備をして本日の作業終了。

 

合わせ面に残ったガスケットの除去を考えると

 

気合を入れ直さなければ挫けてしまいそうだ。

 

 

 

 話は変わってグランパ・O氏は初期型のCB125

 

いわゆるCB93のエンジンを某オークションで見事に落札!

 

C92-Rにはツインキャブでしょう!」 と焚き付けてしまったのは自分だが、

 

近々にこのエンジンも作業場にやって来る。

 

C92-Rはもしも完成すれば世界に1台しかない、

 

と言っても過言ではない個体になる予定だ。

 

ところがハンドルやマフラーの形状など、

 

話が盛り上がる度に方向性が変わって着地点が見えない。

 

今のところはっきりしているのはフレームを赤色に塗装し、

 

俗にいう「ドクロタンク」とシングルシートが付く事だけだ。

 

完成時期は未定ながら編集長のCS90と共に忙しい、

 

いや楽しい冬の予感に傍らのレギュラー(発泡酒)は3本目が空になりかけている。

 

飲み干して、寝ます!。