憧 憬 の 轍
2019年2月10 日 再三再四
今年は桜の開花が早いかもしれない、
と思うような陽気かと思えば翌日は再び真冬日。
毎年こんなことを繰り返して春を迎える訳だが、
年を追うごとに日々の温度差が大きくなっているような気がする。
手配済みのピストンリングやガスケットやOリングなどが届いた。
旧型のHONDAの部品は微笑みの国・Thailandから。ピストンリングはメーカー標準価格の半額、送料はEMSで400円だった。
届いた部品には旧型のオイルリングが入っていて、かつてタイ王国に輸出された部品が帰って来たものだろう。
シミだらけの箱もそれを物語っていた。
かつてアメリカに輸出された車体をタイに輸出された部品で治すなんて、ちょっと感慨深い。
いわゆる“赤箱”
このタイプのオイルリングも少なくなった
エンジンを組み立てる準備は整ったが、キャブレターの事を忘れていた。
エンジンが組み上がってもキャブレターが無ければ始動できない。
KEIHINの刻印があるフロート別体型のキャブレターはJC58についていたAMAL392に似ている。
JC58のAMAL392
バラす前に写真を撮るべきだったKEIHIN
やはりこの車体は長い間屋外に放置され風雨にさらされていたと確信した。
フロートチャンバーに堆積した錆や白い粉を吹いているジェット類など、実働状態だったとは考えにくい。
とりあえずエンジンの再始動を目的に作業しているので、始動後の調整やキャブレターのセッティングなどについて、今はまだ考えていない。
とにかくエンジンにもう一度火を入れる事だけを考えている。
古い住宅をレストア中のサンちゃんことS氏は「またゾンビを蘇らせてる~」なんて言うが、Maid in Japanはそう簡単には終わらない。
他車の部品を利用しても、何度でも蘇るだけのしぶといDNAで作られてるんだぞ!
出来る事なら自分の身体もそうあって欲しい。
錆だらけだったフロートチャンバー ジェット類はもちろん詰まっている
クランクケース内部に組み込む部品は先週“いいとこどり”で選別済み。
後は組み込むだけだがパーツリストに目を通す。
特にミッション周りやシャフトとケースの間に入るワッシャーを忘れたりする。
組み終わる頃に「このワッシャー、どこに入るんだっけ?」なんて事もある。
ミッション部分の動きを確認
組立て用の架台はいつものように廃材利用
ミッション関係は片側だけのケースにギヤ類を並べてみても、ケースを合わせてみるまで結果は分からない。
さらにクラッチやプライマリーギヤまで組付けて初めてクランクシャフトとの連動性に問題があるか無いかが分かる。
クラッチやプライマリーギヤまでならサイドカバーを外せば容易に確認出来るが、ミッション本体に問題があるなら完全にバラさなければならない。
これまでの経験、と言うより失敗の記憶から臆病なくらいに慎重になってしまう。
クランクケースを合わせてクラッチまで組付け
ピストンとシリンダーも
シリンダーヘッドも載せられるところまで来ているがヘッドにはまだバルブを組んでいないし、摺り合わせもしていないので急がない事にする。
この分だと「火入れ式」は3月中旬になりそうだ。