収穫 ( みのり )の季節

憧 憬 の 轍

 

20171029日 収穫 ( みのり )の季節

 

 

 2週続けて大型台風が接近するというニュースに気色ばんでいたが、

 

北日本に大きな影響はなかったようだ。

 

 

 山を下った紅葉は里を染め、

 

名所と言われる所はどこも賑わっているらしい。

 

冬が近づくことは歓迎できないが今年も「実りの秋」には期待したい。

 

 

 

 

 

 前回から着手したCS92のハンドル交換。

 

部品はほぼ揃っているので面倒な作業にはならないと思っていた。

 

ところが古い部品にトラブルは付きもので、

 

アクセルワイヤーのガイドは片方の爪が欠けていた。

 

早速探してみると中古品は結構見つかるが、

 

写真で見る限り爪のないものやすり減った物ばかり。

 

タイ国製のリプロ品もあるが写真で見る限り若干形が違って見える。

 

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アクセルワイヤーのガイドとスライダー             

 

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残る片方の爪にもクラックがある

 

 

オリジナルはアルミダイキャスト製なので加工はしやすいが耐久性は低い。

 

それならステンレスで作ってやろう、

 

と言う訳で2㎜厚のステンレス板からストッパー部分を切り出し、

 

ガイド部分は片方だけ残っている爪を削って合体させた。

 

写真には写っていないが貼り合わせたうえでφ2㎜の皿ビスで貫通補強した。

 

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これを合体させる                         

 

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『強化ガイド』ってか

 

それにしても・・・。  以前も同じ事を書いた記憶があるが、

 

オークションに出品されている部品に、

 

ゴミのような使い物にならない部品が多すぎる! 

 

なにが当時ものだ!。 

 

錆びたワイヤーやクラックの入った鋳造品なんて誰が買うんだろう? 

 

とりあえず使えるレベルならまだしも写真を見るだけで怒りがこみ上げるモノもある。

 

 

 

 

このCS92に付いていたクラッチとブレーキのワイヤーは、

 

クラッチワイヤーがパイプハンドル用でこのままでは使えない。

 

邪魔なパイプを切除してワイヤー本体も切り詰めることにした。

 

アクセルワイヤーは最終的にはタイ国製のリプレイス品を使うことになるかもしれない。

 

かつてのC92のレストアとプレスハンドルや鞍型シートなど、

 

初期型に拘った頃の経験がこんなにも役立つとは思っていなかった。

 

 

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邪魔なのはこの曲がったパイプ                

 

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パイプを切除

 

 ハンドルにウインカーとレバーを組付けてみる。

 

きれいに繋がるハンドルからフロントフォークのプレスラインと

 

水平に伸びたレバーの対比は「仏閣マニア」でなくても美しいと思う。

 

 レバーやウインカーを付けて次はスロットルだが錆と古いグリスだらけ。

 

グリップの中に入るとは言え、このまま使う訳にはいかない。

 

固形化した古いグリスはバーナーで焼き切り、

 

錆ついたパイプをサンドブラスト、そして塗装。

 

 

いわゆる“当時物”のグリップラバーは使い物にならないので

 

パイプハンドルに付いていた物を再利用する。

 

 

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ハンドルの角度とレバーの水平ライン             

 

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このハンドルに拘る理由が分かるような気がする

 

 

アクセルワイヤーはストックのワイヤーで何とかなると高をくくっていたが、

 

丁度いい代用品が見つからずパイプハンドル用のワイヤーを

 

大幅に加工して取り付けることになってしまった。

 

まぁ、こんな作業もレストアの楽しみのひとつだけど・・・。

 

今回はアクセル周りがワンオフだらけ。

 

壊れたらリプレイス部品を調達しましょう。

 
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パイプハンドル用のアクセルワイヤーはガイド部分のパイプを切断し加工した  
 
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分かるかな?

 

今のバイクならクラッチとブレーキのワイヤーがウインカーを台座に取り付けられる事はない。

 

さらにバックミラーとレバーの取り付けボルトが

 

同じボルト穴に留まる事なんてあり得ないと思う。

 

しかし、そんな納まりを見て思うのはボルトやビスを

 
極力見せない納まりを考えたデザインだったのではないかと言う事。

 

 

C/CS92が、さらにCB72/92が俗に

 

「寺社仏閣デザイン」と言われる理由に

 

日本建築の様式美が関係しているのは有名な話だ。

 

極力釘を使わず、

 

さらに「釘隠し」と言う装飾品まで使っていた古い日本建築に通じる、

 

一種の拘りと同じものがこの機械にはあるような気がした。

 

 

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とりあえず形になった                       

 

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早く走らせてみたい

 

 

作業に没頭していた、と言えばそれなりの理由に聞こえなくもないが

 

油まみれの手でカメラを持ちたくなかった。

 

事後報告になってしまうが今回、使えなかった部品は・・・。

 

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グリップは完全に終わってる                 

 

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ブレーキペダルもかなりのモノだった

 

ここだけの話だがオーナーのグランパ・O氏はC/CSシリーズの部品、

 

それもデッドストックの新品や精巧なリプレイス品を「コレクション」していたようで、

 

その内容と量に改めて“悪い病気”の進み具合を見たような気がした。

 

 

それこそ事後報告。

 

昨日(1028日)の事だが先週修理を終えた編集長のGB250を試走してみた。

 

新しいピストンの事を考えて高回転域は控えながら約30㎞の試走。

 

特に問題はないように思える。

 

細かなところは編集長でなければ気が付かないと思うので、

 

後でゆっくり聞いてみたいと思っている。

 

 

 

※緊急告知

 

 

今年の「秋の安全祈願大祭&チョイ乗りツーリング」を114日(土曜日)に開催決定! 

 

もちろん天気次第でツーリングの予定は流動的ながら、

 

夕方からの「大祭」は雨天決行、雪天決行、嵐でも決行です。