弥生 ― 幾春別


憧 憬 の 轍


 

201834日 弥生 ― 幾春別



 かつて北海道の旧国鉄幌内線


「幾春別(いくしゅんべつ)」と言う名の駅があった。


駅名はアイヌ語の「イクスン・ペツ」に由来する地名による。


「イクスン・ペツ」は「向こう側の川」と言う意味らしいが、


「幾つもの春の別れ」とも読める駅名は一抹の哀愁を帯びていた。


また幌内線は最後の蒸気機関車が走った路線でもあった。


 廃線後に煤けた小さな駅舎は解体され、


今は石碑だけが残っている。


もしも3月の幾春別駅に桜が咲いていたなら、


広尾線の「幸福駅」と同じくらい有名になっていたかもしれない。


雪に閉ざされた3月の幾春別に春の気配はまだない。


幾春別は終着駅で、


ひとつ手前の駅の名は「弥生」だった。


そして終着駅は始発駅でもあった。
 




 先週末に内部コーティングを終えた2本のタンクをそれぞれの車両に載せてみた。


2台ともコックに問題を抱えていたので、


修復作業が成功している事を確認しないうちは


ガソリンを入れる訳にはいかない。


 JC58のタンクコックはキャブレターとタンクを連結するホースのボルト部分が破断、


TL125 BIALSはコックを取り付けるビスを受ける部分が腐食して


漏れの原因になっていた。


JC58はナットをビスに替え、


TL125 BIALSは腐食部分を“先進のエポキシ系パテ・GM-8300”で補修した。


GM-8300XLR250R-BAJAのクランクケースのクラック補修のために


T氏が用意した補修材だ。


さらにコックに付属するOリングは


劣化が激しく切れていたので新品を用意してもらった。


Oリングやオイルシールは旧規格サイズでもメーカーから直接入手出来ることもあり、


以前ほど心配することはなくなったが純正部品が手に入るのはやはり嬉しい。



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取付用のビス穴を補修済みのTLのタンクコック       


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タンクに取り付けた状態
 
 
 いきなりガソリンを入れる訳にもいかないし、


だからと言って水でテストする訳にもいかない。


そこで少量の灯油でテストしてみた。


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JC58のコックとホース一式 テスト中                

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TL125のコックはタンクに付けてテスト 
 
 気がかりなタンクコックのテストの結果は? 


めでたくも2台とも合格!!! 


🌸おめでとうございます🌸
 
 
 
 JC58はシートもタンクも使える状態になったが


ストップランプの配線作業が残っている。


未だに完成を見ないままのYAMAHA YJ-2と同型のスイッチは


前オーナーが好意で送ってくれたものだ。


YJ-2同様にスイングアームのピボット部分に取り付ける。


YJ-2のスイングアームは平面的な作りだがJC58は曲面的だ。


納まりを考えてゴム製のマウントを作ってみた。


シートダンパー作成時に余ったゴムシートを利用した事は言うまでもない。



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YJ-2のスイングアームとスイッチ               

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JC58はマウントを作って装着(チェーンは仮付け)
 
 
 実はこのJC58、発売時にストップランプの設定はない。


今なら保安基準云々と言う話になるところだ。


前モデルのJC57に至ってはウインカーも付いていない。


当時は手信号だった? 


スイングアームのピボット部分を加工してスイッチは何とかなったが


問題はランプそのものだった。


ソケットをダブル球用に替えて配線すれば簡単だと高をくくっていたが、


ソケット自体が溶接されていて解体できない。
 
苦肉の策はソケットの追加だった。


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苦肉の納まり(下が追加したソケット)              


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視認性は悪くないようで・・・
    
 
 各部のボルトやナットの締め付け、


キャブレターの調整などJC58の作業は終わった訳ではないが


一時的に席を空けてもらう事にした。


試走してみたいのは山々だがタイヤもバッテリーも要交換だ。


いつの間にかTL125 BIALSには派手なオレンジ色のハンドルが付いている。


タンクに施された塗装は首を傾げたくなる仕上がりなのでこの際、


シルバーとオレンジに塗り直すか? 


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やっぱりタンクはオレンジ色に再塗装でしょ?        


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大御所には一時的に席を空けていただいた


 
 次週はJC58の後にXLR250R-BAJAを入れて配線関係の総点検を予定している。


この車両のウインカーは左右の前後が同時に点灯しない。


マニュアルには書かれているらしいが右も左も前後が同時点灯するものと思っていた。


それを指摘したのは『林道2号』。


走る事とコーナーを攻める事しか考えていないのかと思っていたが、


実はちゃんと勉強していた元特攻隊長だった。

その他にも装着予定のビッグタンクのシートや

フロントフォークとの納まりも確認しなければならない。

タンクの形状から付属のステーを使えば

フォークかヘッドライトのフレームに干渉しそうだ。

前オーナーは厚いゴムシートを貼り付けていたようだが、

何をどう加工することになるのだろう・・・。


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配線数は多くないがコネクターの場所が問題        


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やはりデカい
 
 
 
 専門店に内装のリペアを依頼しておいたO氏のSIMPSON Model30が戻ってきた。


手渡した途端に被って走り出しそうなO氏なので、


しばらくは眺めながら買った当時の事を思い出して貰おうと思う。


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リペア前 内装は歪に潰れていた                


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リペア済み 手触りもいい
 
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リペア前のストラップ部分                      


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古い内装は加水分解でボロボロだった
  
 
 
 O氏の提案により「鬼殺しのチュウ」のSIMPSONも加えて


近々に“SIMPSON祭り”をやらかそうと言う事になった。


参加者はメーカーを問わずフルフェイスヘルメットの着用が義務づけられるらしい。